006 今川
2024年11月6日
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狭山池を水源として北に流れていた今川は、宝永元年(1704年)の大和川付け替えにより水源を断たれ水量が乏しくなりました。
その後、昭和56年(1981年)までの今川は、固有水源がないため降雨時以外は水枯れし、ところどころに雨水がたまって腐敗し、悪臭を放っていました。
それでも、昭和の中頃までは、沿岸一帯は田園地帯で、フナ、ナマズ、トンボ、シラサギなどが生息していました。
その後、住宅開発が進み、生活排水等による水質汚濁により魚類が住めなくなり、ついに、「どぶ川」と呼ばれる程に汚染が進みました。
昭和30年ごろに、ほぼ現在の形に改修され、その後改修工事の始まった、鳴戸川と南港通り北側にて分岐、漆(うるし)堤(づつみ)公園北端にて再合流し、国道25号線北側にて駒川と合流後平野川にそそいでいる1級河川です。
現在の今川は、河川環境整備事業の一環として、昭和50年代中頃から今川の最上流部に、平野下水処理場(平野区加美2丁目)の処理水をパイプでみちびいて(約5.3km)、放水しています。
又、この吐出口辺りには(湯里小学校東側附近)、岩や石を配置して「今川の人工のせせらぎ」がつくられ、人々が楽しく散歩ができる、区民の憩いの場として親しまれています。
緑橋あたりではコナギやホテイアオイが繁茂していますが、富栄養を好むオニバスは姿を消しました
(*長居公園にある自然史博物館の説明では、オニバスは川水が枯渇したり、川底が日光に直接曝(さら)されると川底の種が発芽し、その機会が到来するまで、土中で50年も生存するとのことです。)
北上すると、南港通りの北側で、今川から鳴戸川が分岐します。この辺りでは、鯉の産卵が見られ、30cm以上もある鯉が群れを成して住んでいます。
この辺りから漆(うるし)堤(づつみ)公園あたりまでの今川堤には、かつて、昭和19年ころまでは樹齢100年を超えると思われる漆の並木があり、秋には、今川のうるし堤として、紅葉の名所でした。今は、昭和の中頃に植えられた桜の名所となっています。