「同一労働同一賃金」の実現を求める意見書
2024年12月3日
ページ番号:376502
平成28年9月16日可決
衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
厚生労働大臣 働き方改革担当大臣 各あて
女性や若者などの多様で柔軟な働き方を尊重しつつ一人一人の活躍の可能性を大きく広げるためには、我が国の労働者の約4割を占める非正規雇用労働者(パートタイム労働者等)の待遇改善は待ったなしの課題である。現在、賃金やキャリア形成などの処遇において、例えば非正規雇用労働者の時間当たりの賃金は正社員の6割程度と、正規と非正規の間で大きな開きがあるのが現状である。
今後急激に生産年齢人口が減少していく我が国において、多様な労働力の確保とともに個々の労働生産性の向上は喫緊の課題であり、正規・非正規を問わず社員のキャリアアップに資する教育訓練プログラムの開発及び実施を含めた、雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇の確保がますます重要になっている。
非正規雇用労働者の賃金の見直しやキャリアアップ、さらに正社員転換を視野に入れたワークライフバランスに資する多様な正社員のモデルケースなどの普及も含め、「同一労働同一賃金」の考えに基づく非正規雇用労働者の待遇改善のための総合的な施策を迅速に実施できるかどうかが、我が国の将来を左右すると言っても過言ではない。
よって国におかれては、日本の雇用制度にすでにビルトインされている独自の雇用慣行や中小企業への適切な支援にも十分に留意し、非正規雇用労働者に対する公正な処遇を確保し、その活躍の可能性を大きく広げる「同一労働同一賃金」の一日も早い実現のために、下記の事項について躊躇なく取り組むことを要望する。
記
- 非正規雇用労働者と正規雇用労働者との不合理な待遇差を是正するためのガイドラインを早急に策定するとともに、不合理な待遇差に関する司法判断の根拠規定を整備すること。
- 不合理な待遇差の是正及び待遇差に関する事業者の説明の義務化などについて関連法案の改正等を進めること。
- とりわけ経営の厳しい環境にある中小企業に対して、例えば非正規雇用労働者の昇給制度の導入等の賃金アップや処遇改善に取り組みやすくするための様々な支援のあり方についても十分に検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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