中高年のひきこもりに対する実効性ある支援と対策を求める意見書
2024年12月3日
ページ番号:495559
令和2年2月21日可決
衆議院議長、参議院議長、
内閣総理大臣、総務大臣、
厚生労働大臣 各あて
従来、ひきこもりは主として若年・青年層の課題としてイメージされてきた。しかし最近では、就職氷河期世代も含め中高年層に及ぶ大きな社会問題としてクローズアップされてきている。
国が中高年層を対象に初めて実施した全国規模の調査結果が昨年3月に公表されたが、40~64歳のひきこもりが全国で約61万人にのぼるという推計は、社会に大きな衝撃を与えた。ひきこもり期間の長期化や親の高齢化により、親とともに社会的に孤立するケースも少なくない。
国のひきこもり対策推進事業により、都道府県、政令市に「ひきこもり地域支援センター」が設置され、全国では「ひきこもり支援に携わる人材の養成研修・ひきこもりサポート事業」が行われてきたが、より身近な場所での相談支援の実施や社会参加の場の充実など、就職氷河期世代も含めた中高年のひきこもりに対して、これまで以上に実効性ある支援と対策を講じるべきである。
よって国におかれては、中高年のひきこもりは、個々人やその家族だけの問題ではなく、社会全体で受け止めるべき重要な課題と捉え、下記の事項について早急に取り組むことを強く求める。
記
1.より身近な場所での相談支援を行うため、自立相談支援機関の窓口にアウトリーチ支援員を配置し、同行相談や信頼関係の構築といった対本人型のアウトリーチ支援を実施すること。また、自立相談支援の機能強化に向けたアウトリーチ等を行うための経費については、新たな財政支援の仕組みを創設すること。
2.中高年のひきこもりにある者に適した支援の充実を図るため、市区町村による「ひきこもりサポート事業」のさらなる強化を図ること。具体的には、中高年が参加しやすくなるような居場所づくりやボランティア活動など就労に限らない多様な社会参加の場を確保すること。さらには家族に対する相談や講習会などの取り組みを促進すること。
3.「8050問題」など、世帯の複合的なニーズやライフステージの変化に柔軟に対応できるよう、「断らない相談支援」や「伴走型支援」など、市区町村がこれまでの制度の枠を超えて包括的に支援することができる新たな仕組みを構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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