帆船「あこがれ」とは

(1)青少年の帆船訓練に期待されるもの

 帆船を利用した青少年訓練プログラムは「自然とのふれあい」と「人間のふれあい」の両面から、現代の青少年の問題点の克服に役立つところが大きい。

①自然とのふれあいから学ぶもの

 帆船を利用しての訓練プログラムを考えたとき、先ず第一にそれが豊かな自然を利用したものであることに注目すべきである。自然とのふれ合いによる生活体験は、日常生活では得ることのできない新鮮さを持ち、しかもそれは人間として欠くことの出来ない体験を含んでいる。人間もそこから出てきた母なる自然と対峙する中で、自然の偉大さと厳しさ、すばらしさを知り、自然と強調しながら生きることの大切さを学ぶことができる。また、新しい体験の楽しさを味わい、遊びの拡がりを生み出すという点では、豊かな生活をデザインする余暇プランの一環としての価値がある。
 もう一方では、環境教育プログラムとしての価値を見逃すことができない。地球のメンバーとしての人間が自然をいかに守り、いかに活用すべきかについて、帆船訓練は多くのことを教えてくれる。

②人間とのふれあいから学ぶもの

 現代の青少年にとって、船のクルーの一員として参加して「同じ釜の飯を食う」ような、共同生活の体験は必要欠くべからざるものである。共同生活に必要な仕事を分担し、責任を持ってそれを実行し、相互協力を体験することから、信頼の上に成り立つ人間関係の素晴らしさを体得することが期待される。人間の社会が相互に結びあっていることを理解することから、現代の青少年が見失いがちな社会性を養うことができる。
 また、帆船という、よい意味での閉鎖的な人間関係の中で、自己と他者の関係を見つめ、心と体の調和を図り、秩序正しい生活を送る経験は、現代の青少年が弱いとされるストレスに対しての耐性を養うメンタルな面でのトレーニングになる。

(1)青少年の帆船訓練に期待されるもの

(2)成人研修プログラムとしての価値

  • 帆船「あこがれ」をなぜ造ったのか?
  • 帆船「あこがれ」はどのようにして動かすのか?
  • 船の大きさ等・いろいろな船との比較
  • これまで
「あこがれ」に乗ってセイルトレーニングに参加した人の数