人の気持ちへの寄り添い方~人権相談を通して~ 令和6年10月号掲載分
2024年10月1日
ページ番号:635796
今回のテーマは「人の気持ちへの寄り添い方」です。

片山 京子さん 一般社団法人おおさか人権ネットワーク事務局長
私は現在、大阪市人権啓発・相談センターで人権相談業務を担っていますが、振り返れば人権に関わる仕事を始めて、四半世紀になります。
この仕事を始めたきっかけは子育てをする中で「子どもへの暴力防止プログラム(CAP)」という活動に出会った事です。CAPとは、子どもたちがいじめや誘拐、虐待などの暴力に出会った時に“何ができるか”など、自分の心とからだを守るためのプログラムです。その中の大切なキーワードの一つに「誰か、信頼できる人に相談する」があります。この「誰かに相談する」というのは、子どもたちだけでなく、私たち大人にも共通する自分を守るための大切な方法です。
『気持ちに寄り添うとは…』
相談を聴く現場では“相談者の気持ちに寄りそって”、“相談者に寄りそうように話を聴きましょう”とよく言います。みなさんも「確かに人に寄りそうということは大切だな」と感じていると思いますが、「“気持ちに寄りそう”って具体的にどうしていいか分からない」と思っている人もいるでしょう。
人は傷ついたり悩んだりしている時、家族や友人がそばにいてくれるだけで心強い気持ちになります。言葉での励ましやなぐさめは無くても、ただそばにいてくれるだけでいいのです。もし、あなたが大切な人や家族から相談された場合、まずは「あなたは一人ではないよ、私がそばにいるからね」というメッセージを一番に伝えてもらえたらと思います。そして、その人の辛い気持ちや悲しい気持ちを、ただ聴いてあげるということが、落ち込んでいる人の本来持っている力を回復させることにもつながります。だって「寄りそう」の本来の意味は、もたれかかる・そばに寄る、という意味ですから。
『相談者の思いを純粋に受け止める』
大切に思う人が困っていると、心配のあまり、私たちがついやってしまうことで注意しないといけないことがあります。
- 「こうすればうまくいくよ」や「こんなふうに考えたらいい」など、アドバイスを押し付けてしまうこと
- 「私がなんとかしてあげる」など、できない約束をすること
- 「なぜ?」「どうしてそうなった?」など、いろいろと質問すること
こういったことは、良かれと思ってしたことでも、相手を傷つけてしまうことがあります。その事に注意しながら、心のこもった相槌を打つなど、相談者の思いを純粋に受け止めていくことを意識することが大切で、「人の気持ちに寄り添える人」への第一歩になるでしょう。
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