よどじん(平成26年7月)
2017年2月1日
ページ番号:280498

「子どもを産んでも働き続けられる社会」

「病児保育サービスなんて必要ない。そんな世の中を願いながら、病児保育をしています。」
そう語るのは、淀川区訪問型病時保育事業のパートナー「NPO法人ノーベル」代表理事の
高 亜希(こう あき)さん
保育は「ひと」

ある日の夕刻、区役所で開催された病児保育利用者説明会で、仕事帰りの保護者に向け、自らマイクを持ち細部まで説明する高さん。
代表自らが説明されるんですねと問いかけると、「保育は『ひと』。私たちがどういう団体で、どんな活動をしているのかを語るには、代表自らがその場に立たなくてはならない」そう言い切る。
自分の存在意義

大学を卒業後、大手旅行会社などで営業職として活躍。順風満帆なキャリアを積み上げながらも、社会人3年目頃から、ふとある思いを募らせる。
自分の存在意義は何なのか
「仕事は楽しかったし、これといって不自由はなかったんです。でも10年後の自分の姿を想像したとき、いったい私は何をしていて、社会に対しどのような役に立っているのだろうかと考え、先が見えなくなったんです」
道に迷い、自問自答を繰り返す中、自分の存在を見つめ直すために仕事を辞め、海外に語学留学する。
現実を知る
海外での語学留学中、まわりにいた社会人6~7年目の女性が、結婚して子どもを産み、そこで仕事を辞めていく。
「本当は仕事をしたいんじゃないの?」そう感じていた。
しかし、よく話を聞くと、
「子どもが熱をだして1週間仕事を休んだら、同僚から白い目で見られた」
「子どもが病気でも預けられる祖父母も近くにおらず、どうにもならない」
現実を知る。
それならば預かればいい
病児保育を学ぶ

そこからの人生は何かに突き動かされるように進む。
病児保育が必要と感じ、インターネットで検索すると東京にあるNPO法人「フローレンス※」の名。
これだ!と思い、迷わず東京に飛ぶ。
「無給でかまわない。ここで働かせてほしい」
交渉の結果、半年間インターンシップ(就業体験)で働けることになる。残りの半年はお給料をもらい、結果1年間、病児保育を学んだのちに帰阪。
ほどなく訪問型病児保育を提供する「ノーベル」を立ち上げる。
※ 認定NPO法人 フローレンス http://www.florence.or.jp/
淀川区との出会い
現在では、大阪市内24区と吹田市、東大阪市の一部で訪問型病児保育事業を展開するノーベル。平成26年度からは淀川区との協働により、保護者が安価に利用できる新たな事業を展開している。
「淀川区との出会いは、今後の活動の大きな礎になります。行政と民間がタッグを組む。そして、そこに仕組みやお金だけではなく、互いのビジョンや、熱意をしっかりと注ぐ。この事例を今後の活動につなぎたい」
理念を追求し続けること

常に一歩先を見つめ、熱く語る高さん。
ノーベルの名前の由来は、ノーベル賞からきている。
「賞を受賞した研究者は何十年も理念やビジョンを追求し続けている。私たちも『子どもを産んでも当たり前に働き続けられる社会』というビジョンの実現をめざして、いつかノーベル賞をとってやるんだという気持ちで仕事に臨んでいます」
溢れんばかりの情熱で現代社会の課題に対峙し、大きな夢を持ち新たな社会を切り開く。
その勇姿から目が離せない。
特定非営利活動法人 ノーベル(平成21年11月 法人設立)

大阪市内を中心に、子どもの発熱時などご家庭に保育者を派遣し、子育てと仕事の両立をサポートする訪問型病児保育サービスを展開。
平成26年度に淀川区役所と業務委託契約(※)を結び、政令指定都市では全国初となる行政との協働による訪問型病児保育サービスを実施している。
※淀川区による訪問型病児保育事業の業務委託契約。参入事業者を公募し、事業提案を受けた後に外部審査委員で構成する選定委員会で審査の上選出。
(注:契約にかかる情報については、平成26年7月号発行時点のものです。)
ホームページ:http://nponobel.jp/
フェイスブック:https://www.facebook.com/nponobel
PDF版よどマガ!(よどじんコーナー)
探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先
大阪市淀川区役所 政策企画課広報担当
〒532-8501 大阪市淀川区十三東2丁目3番3号(淀川区役所5階)
電話:06-6308-9404
ファックス:06-6885-0534