よどじん(平成26年8月)
2017年2月1日
ページ番号:280522

「趣味≧仕事」

机の上にずらりと並べられた金属加工品。大小様々で、どれも個性豊かな作品ばかり。
飾り物のミニチュア建物や、実用的なキャンドルスタンドなど色々な作品。その一つひとつに作者の遊び心が表れ、よく見るとどれも細部まで丁寧な加工が施されている。
作品を子どものように無邪気な瞳で見つめ、細部へのこだわりを話してくれるのは、三津屋南3丁目にある金属加工業「株式会社エイトテック」
木下 一郎(きのした いちろう)さん
大好きなものづくり

板金・溶接など金属加工の仕事に携わる木下さんの一日は、朝食後の河川敷ランニングから始まる。朝8時15分の出勤時刻までにひと汗かき、4人の子どもに手を振り、出社。
現在39才。高校・大学とラグビー部に所属し、今も仕事の合間に続ける筋力トレーニングでその体力は衰え知らず。数ある趣味の一つはマラソンで、今年の大阪マラソンにもエントリー。「ハズれちゃいましたけどね(笑)」
幼いころから、学校の工作やプラモデル作りが大好きだった木下さん。ずっと大好きな「ものづくり」の技術が、一家を支える力に変わった。
挫折と出会い

しかし、ここまで順風満帆にやってきたわけではない。大学選択時、技術系の将来に望みをかけるも、成績があと一歩伴わず、理系から文系へ方向転換。卒業後は、防火素材の開発など、何とか技術系の仕事に従事。しかし、なかなか正社員としての定職につけずにいた。
そんなある日、街で何気に手に取った求人誌のコメントに目が届く。
「ものづくりが好きな方募集します」
迷わず問い合わせた。
専門家は要らない

エイトテック創業者であり現社長の
木村さんは言う。
うちは研究所ではない。依頼主・顧客の様々なニーズに、皆で知恵を絞り、柔軟な発想と、多彩な技術力で応える。凝り固まった専門家は要らない。欲しい人材は、ものづくりが好きなやつ。
今年で入社15年目を迎えた木下さんは社内でも定評があり、信頼も深い。
趣味≧仕事

しかし、話を聞くとドンドン出てくる。趣味のものづくりの話が。
「昔からバイクが好きなんです。いつかはバイクを作ってみたい。エンジンはハーレー製でフレームの部分を自分で作りたい」
大切にしている心

趣味と実益を兼ねる木下さんのものづくり。大切にしている心がある。それは、街中にある「もの」に興味を持ち、人の「作品」を素敵だなと感じること。そして、それらを自分でも作ってみたいなと思う心。
「出来るかどうかなんてやってみないと分からない。こうやってダメだったら、ああやってみようとか。仕事でも同じ。難
解な依頼が来たときは、みんなで集まりアイデアを出し合います」
もちろん失敗もある。
「納期が迫り、焦って作ったら穴の位置が違う。サイズが2倍になっていたことも。最近は落ち着いてきたのか、ほとんどありませんけどね(笑)」
子どもたちへ

子どものころからの大好きを生業に変え、満足することなく日々追求を続ける木下さん。次の世代の子ども達にもその魅力を伝えたい。
「ものづくりのイベントに出展する事もあるので、子ども達の『やってみたい』や『出来た!』の心を育んであげたい」



誰にも負けへん

私たちの暮らしを支えるたくさんの「もの」。それを生み出す過程で、たくさんの人の情熱とこだわりが注がれる。
「実は会社では若いほうなんです。でも、他の誰にも負けてへんて思いながら毎日働いてます」
今日も一日厳しく優しい瞳で、一つひとつの作品を見つめ、魂を吹き込む。そして、午後4時45分の終業ベルとともに、パパの目に戻り、その奥に少年の瞳が輝きだす。
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