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よどじん(平成26年9月)

2017年2月1日

ページ番号:280552

よどじんコーナーでは、静かに流れる人々の暮らし、何気ない風景、そして人の心に光をあて、みなさまの元にお届けします。
よどじんロゴ

「守りつなげる人がいる」

真剣なまなざしで練習を見つめる弘樹さん

 チキチン、チキチン、チキチン、コンコン。
 日曜日の昼下がりに会館から響く、少しあどけない音色の祭囃子。中をのぞくと、広々とした畳の間で小学生の子ども達が真剣な顔つきで祭りの稽古に励んでいる。
 ここは新北野福祉会館。やさしい掛け声で子ども達に太鼓や踊りを教えているのは、
 
「まつりびと」
中川 弘樹(なかがわ ひろき)さん

地域で育つ

まつりへの思いについて語る弘樹さん

 今年で31歳になる弘樹さん。平日は営業のお仕事で早朝出勤、深夜帰宅の忙しい日々を過ごし、地元にいる時間はごくわずか。しかし、週末になると地域活動を支える一人の若手に変身する。
 小学生の頃、父に連れられ運動会や遠足、ソフトボールとたくさんの地域行事に参加。その中でごく自然に近所のおっちゃん、おばちゃんに見守られ、成長してきた。
 
 「どこを歩いていても必ず誰かに声をかけられる。タバコを吸ったり夜中に出歩いたり、悪いことは出来なかったです
よね(笑)」
 
 しかし、中学・高校と進学するにつれて、地域活動へ関わる機会が減り、就職するとさらに、人間関係や生活環境が変化し、地元との距離が遠のいた。

まつりの存在

成小路神社の夏祭りでだんじりを引き回す

 そんな日々の暮らしの中で、年に一回、地元を満喫する日がある。
 
 そう、お祭り。
 
 ここ新北野地域では、古くから地元成小路(なるしょうじ)神社の祭りが続いており、名物は何といっても、だんじりの引き回し。一目見ようと、就職・結婚などで遠方に引っ越した人達もこの日だけは生まれ育った地域に戻るという。
 
 弘樹さんもこの日ばかりは仕事も忘れ、幼なじみや近所のおっちゃんおばちゃんと祭りに没頭する。

だんじり文化の継承

太鼓や鉦の練習風景

 祭り当日は、だんじりに乗り込んだ子ども達が太鼓や鐘を軽快なリズムで鳴らし、派手な踊りを披露する。それはそれは見事な出来栄え。その裏には、伝統を守り引き継ぐ若者達の姿がある。その一人が、弘樹さん。
 
 祭りを1カ月後にひかえたこの日も、上級生から下級生まで20人ほどの子ども達に、お手本を見せながらやさしく指導する。
 
 「でも、僕が稽古の指導をするようになったのはここ数年のこと。その間ずっと数人の先輩が守りつないでくれていました」
 
 社会人となり地元との距離が一旦離れたが、守り育ててくれた地域や仲間への感謝の心が、だんじり文化の継承という役目と弘樹さんを引き合わせた。

成長が楽しみ

子どもたちに踊りを教える弘樹さん

 祭り当日まで残された練習回数はあと3回。しかしリズムがばらつき、大きい声も出ない。まだまだ完成にはほど遠いようだが、弘樹さんは焦らない。
 
 「これが祭り当日になると、びっくりするぐらいのパワーを見せよるんです」
 
 また、楽しみにしていることもある。
 
 「基本の演技や演奏は当たり前。そこからリズムに合わせて、オリジナルの踊りや演奏をする瞬間がある。その時の子ども達の成長がたまらなくうれしい。思わずニヤッとしてしまう(笑)」

確実に継承していく

だんじりの前で笑顔の弘樹さん

 祭りという伝統文化が人を呼び寄せ、つなぎとめる。そして、生まれ育った地域への感謝の心が、次の世代の若者の心を育てる。
 
 弘樹さんは語る。「このすばらしい伝統文化をとにかく続けたい。そのためにまず自分がこの活動を続ける。そして裾野を広げたい。たくさんの人に参加してもらって層を厚くし、役目のサイクルを短くする。そうすると各自の負担が減り、継承していくことがより確実になる」
 
 頼もしく語る弘樹さんの言葉一つひとつを聞いていると、自分が生まれ育ったまちの風景がよみがえり、子どもの頃にお世話になった、たくさんのおっちゃんおばちゃん達の顔が目に浮かんだ。
 

だんじり囃子に合わせ踊る子どもたち

だんじり囃子に合わせて踊る子どもたち

だんじりで太鼓を打つ弘樹さん

太鼓を打つ弘樹さん、ばちを持つ手にも力が入る。

夏祭りで太鼓を打つ弘樹さんの様子は、動画でもご覧いただけます。

 太鼓を打つ動画はこちらから(YouTubeで再生)別ウィンドウで開く

 

PDF版よどマガ!(よどじんコーナー)

広報誌よどマガ!のよどじんコーナー(PDF形式)はこちらからご覧いただけます。

 平成26年9月号 2面(PDF, 546.93KB)

 平成26年9月号 3面(PDF, 757.48KB)

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