よどじん(平成26年10月)
2017年2月1日
ページ番号:283160

※1枚目と6枚目を除く写真:courtesy,the artist and yukari-art
「ごみをあやつるパフォーマー」

河川敷に突如現れた巨大な魚影。
色鮮やかで芸術的なその姿に、じっと目を凝らすと…
空き缶、ペットボトルに、バケツや棒きれ。
えっ、なにコレ!?
今月のよどじんは、河川敷のごみをあやつる
新進気鋭のパフォーマー
「淀川テクニック」
松永 和也(まつなが かずや)さん
2人が生み出すアート

子どもの頃、外に遊びに行くたびに汚れたスーパーボールや、ちぎれたフィギュアの一部を拾ってきては、せっせと秘密基地へ運んだ。「外は宝の山。みんなが『ごみ』というものが僕にはキラキラ輝いて見えた」と松永さん。
アートの世界に興味を抱き、淀川区内の服飾専門学校に進学。卒業後は、家具職人として生計を立てるかたわら、廃材などを使った小さな作品作りを続けていた。
転機が訪れたのは今から約10年前。専門学校で1年先輩だった柴田英昭(しばたひであき)さんと始めた作品作りがきっかけで、ごみをあやつるアート活動がスタートした。
河川敷フェスティバルに出展

初めての表舞台は、今も続く淀川区の一大イベント「よどがわ河川敷フェスティバル」。
柴田さんから「一緒にやらへん?」と誘いを受け、その記念すべき第1回フェスで淀川河川敷のごみ・漂着物で作った作品を出展。これが本当に面白かった。間もなく家具職人の職を辞し、2人で「淀川テクニック」としての本格的なアーティスト活動をスタートさせる。
素材は河川敷に

買うもの無し、道具も無し。ただただ河川敷にあるものをかき集めて、つなぎ合わせて作品を作る。でも何でも良いわけではない。描いたイメージに合うごみや漂着物を拾ってきては、パズルの要領ではめ込んでいく。
「面白いのは、作品を作る場所・地域・国によって、ごみの種類が全然違うってことです。ある場所ではプラスチックが主流だったり、一方では金属が主流だったり。だから、その地域ごとにできる作品が全然違うんです」
“おもろいもん”を作る

その完成作品のインパクトから、今では日本国内にとどまらず、世界各国からオファーを受ける。大小様々なイベントや、河川管理者・環境センターといった行政部門からの依頼も多い。
しかし、その活動の原点は至ってシンプルで“おもろいもん”を作るということ。行く先々の現場の様子を見て、現地
の人々と交流し、その中から自分たちが面白いと思ったイメージを形にする。
「世の中に対し強く、こうあるべきだなんて思ってはいません。見た人にまず楽しんでもらい、それぞれに何か感じ取ってもらえたらそれでいいんです」
淀川が好き

若さと情熱で、10年前に淀川河川敷から踏みだした小さな一歩が、今や世界に羽ばたく大きな翼となった。しかし、今もなお淀川河川敷をベースに創作活動を展開する。
「色んな所を旅してきたけど、やっぱり淀川が好きなんです。川も人も町も」
結婚し、近く1児のパパとなる予定の松永さん。区内に構えた自宅に、今日もどこからか『宝物』を持ち帰り、せっせせっせと磨きをかける。
「近所の人は、あそこの旦那さん毎日何してはるんやろ?って思ってるはずです(笑)」
松永さん、また次の“おもろいもん”楽しみにしときますね。
淀川テクニック

柴田英昭(写真右:1976年、岡山県生まれ)と松永和也(写真左:1977年、熊本県生まれ)により2003年に結成されたアートユニット。
大阪・淀川の河川敷を主な活動場所として、落ちているごみや漂流物などを使い様々な作品を制作する。
赴いた土地ならではのごみや人々との交流を楽しみながら行う滞在制作も得意とし、最近では東日本大震災で甚大な津波被害を受けた宮城県仙台市若林区で地元の方々の協力のもと被災した防風林を使った作品を制作した。
彼らの活動や作品は中学校の美術の教科書でも紹介されている。
- これまでの主な出展
平成15年「よどがわ河川敷フェスティバル」
平成21年「水都大阪2009」
「TWINISM(ドイツ)」
平成22年「瀬戸内国際芸術祭2010」 - 受賞歴
平成21年「咲くやこの花賞」 - ホームページ(ユカリアート)
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