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よどじん(平成27年5月)

2017年2月1日

ページ番号:308626

よどじんコーナーでは、静かに流れる人々の暮らし、何気ない風景、そして人の心に光をあて、みなさまの元にお届けします。
よどじんロゴ

「見守り続ける小さな夢」

店に来た子どもたちを見つめる幸子さん

 「ゼリーが3コとガムが2コ、合わせて50円。うーん、どうしようかなぁ」握りしめた10円玉を何度も確認しながら、ぎっしりと並べられたお菓子の陳列棚を見つめる。
 
ここは、まちの駄菓子屋さん。
 
今月のよどじんは、
田川北1丁目にあるノブタヤ商店
「見守り続ける小さな夢」延田幸子さん

お店に入って42年

店先に立つ仲良しご夫婦の勇さん(左)、幸子さん(右)。お店の場所は、子ども達に代々引き継がれる。

 昭和20年の終戦後すぐに、旦那さん(写真左、勇さん)のお父さんが現在の地に店を構えた。
 幸子さんがお店に入ったのは、2人が結婚した昭和48年。それ以来、42年間ずっとお店に立ち続けている。
 
 「嫁ぐ時に『幸子さんは何もしなくていいんだからね』って言うから、左うちわのつもりで入ったの。まんまとはめられたわね(笑)」

夢がギッシリ詰まった場所

お店に並ぶ駄菓子の数々

 通りから入った静かな住宅街の中にあり、店構えもとてもシンプル。表を通りかかってもお店と気づかないくらいだが、子ども達は皆知っている夢の場所。
 
 近頃は子どもの数が減ったといっても、遠足の前の日ともなると、4畳半ほどの店舗スペースに20人ぐらいの子どもが入り大変なことになる。幸子さんは長年の経験から「遠足の前の日は道路がいっぱいになるから自転車は乗ってきたらあかんで」と事前アナウンスを欠かさない。

子どもたちとの思い出を語る幸子さん

 皆から愛される存在で、学校の運動会や卒業式に子ども達から招待されることもしばしば。
 
 「みんな素直でいい子ばかり。成長するにつれて悪ぶったりする子もいるけど、私の前ではちゃんとあいさつしてくれる。根はやさしい子ばかりです」と幸子さん。

小学校の入学準備!?

数え切れない種類のお菓子が、所せましと並ぶ。

 今ではすっかり姿を消してしまった、まちの駄菓子屋さん。
 
 必死にかき集めた小銭を握りしめて、期待に胸をふくらませた子ども達がお店の玄関をくぐる。そして、欲しいものだらけの小さな夢がぎっしりつまった陳列棚から、とっておきの組み合わせが出来るまで何度も何度も計算する。
 
 「小さい頃からうちに通っていると、小学校に入学するまでには足し算引き算はだいたい計算できるわね(笑)」

おばちゃん、やめんといてや

今までの店での出来事について話す幸子さん

 ひと昔前は、コマやベッタン(メンコ)などのおもちゃから、ノートや鉛筆といった文房具に至るまで様々な商品を扱ってきた。しかし、大型スーパーで物がそろう時代になり、子ども達の遊びも小さなおもちゃからテレビゲームに移り変わり、お店に並べる商品はほぼお菓子のみとなった。
 
 お店に来る子ども達の数も減り、店をやめようかと思ったことも何度もあるが、そのたびに子ども達から「おばちゃん、やめんといてや」と懇願され、今日まで続けてきた。

成長を静かに見守る

長年、子どもたちの成長をを見守り続ける延田さん夫妻

 「また昔みたいにたくさんの子ども達に来てほしいね。でもあんまり来てもらったら、近所迷惑になるからそれも困るけどねぇ(笑)」
 
 子どもの頃の夢がたくさんつまった場所。時代が移り変わっても色あせない風景。そして子ども達の成長を静かに見守る優しいまなざしが今でも残されていた。

PDF版よどマガ!(よどじんコーナー)

広報誌よどマガ!のよどじんコーナー(PDF形式)はこちらからご覧いただけます。

 平成27年5月号 2面(PDF, 353.35KB)

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