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よどじん(平成27年7月)

2017年2月1日

ページ番号:314334

よどじんコーナーでは、静かに流れる人々の暮らし、何気ない風景、そして人の心に光をあて、みなさまの元にお届けします。
よどじんロゴ

映像だけじゃわからない

淀川の思い出について語る河合さん

梅田に向かう阪急電車の窓の外に、いつも広がる景色がある。
都会の真ん中を悠々と流れる一級河川「淀川」。時に荒々しくも、日々見せてくれるその穏やかな流れに心が癒される。
そんな淀川の自然に魅せられ、共に生きる人がいる。
  
今月のよどじんは、淀川に魅せられて50年
「川と共に生きる」
河合 典彦(かわい のりひこ)さん

リアルな大自然

投網を投げる河合さん

 振り子の要領で勢いよく繰り出された投網が、川ごと呑み込みそうな大きな輪となり、水面をとらえる。ゆっくりと、そして力強くたぐり寄せられた網の中では、エビや小魚がピチピチッと水音を立てている。

十三干潟から対岸を望む

 ここは十三干潟。潮の引いた時に現れる湿地帯で、多くの生物が生息しており、電車の車窓からは想像しがたい大自然のリアルな姿に出会える。

投網をたぐる河合さん

 見事な手さばきで投網を操るその人物こそ、今回のよどじん河合典彦さん(58歳)である。一見すると「地元の漁師さん?」と見間違えそうだが、普段は市内の中学校で理科教員として教壇に立つ。

淀川との出会い

淀川の写真

 生野区で生まれ育った少年は、小学生の頃に旭区の親戚の家に遊びに行き、運命の川「淀川」と出会う。それまでも近所の空き地で昆虫を追いかける、自然が大好きな少年だった。しかし、ひとたび足をふみ入れた河川敷で、そこに生息する生き物達に心を奪われた。
 中学生ともなると、週末の度に自転車やバスで駆けつけ、決して危険な本流には行かないという親との約束の下、左岸(旭区)に存在する「ワンド」と呼ばれる水環境で川に没頭した。

バスの中で再現!?

干潟を歩くカニ

 たくさんの生き物をただ捕まえるだけではない。河合少年はそれをビニール袋に入れて研究用にせっせと家に持ち帰るのだった。その当時は携帯式のエアーポンプなど無く、自転車の空気入れを改造して、手動でビニール袋に空気を送り込んだ。

 忘れられない思い出がある。「たくさんの釣果を持ってバスに乗り、帰路で寝てしまったんです。急ブレーキの瞬間でした。ビニール袋の中身が全部、通路に流れ出しました。バスの中で淀川の再現です(笑)」

スズキの稚魚

 理解ある家庭で、高校生の頃にはなんと16基もの水槽を家中に並べ、本格的な研究を行った。そして、今では天然記念物にも指定されている、当時も希少であった魚の繁殖に成功し、全国の水族館に提供するという離れ業まで成し遂げた。

淀川と離れたくない

教師になった経緯を話す河合さん

 大学進学後、大好きな水生生物の研究を続けながらも、将来の職を選ぶ時がやってきた。選択肢の一つは、水族館で働くこと。しかし、可能性のある場所は遠い四国の地。迷った末に導いた答えは「淀川と離れたくない」だった。その後、恩師からの助言もあり、理科教員の道を選んだ。

見て・嗅いで・触れる

腕の上を歩くカニ

 中学校教員として教壇に立つ河合さんは、淀川で捕まえた生物を、実際に授業の場で子ども達に披露する。見て、嗅いで、触れる。バーチャルリアリティが日々進化する世の中に対し、実物から五感で感じることの大切さを伝え続けている。

大人の背よりも高く伸びた葦

 「夏に行くと、春に見たヨシの背が高く伸び、稚魚達が大きく成長している。川には、たくさんの発見や季節の変化がある。そんな川の自然の魅力、そこに健気に生きる小さな命を子ども達に感じてもらいたい。そして、そのように自然と触れ合った子ども達は、決して自然を汚さない」。

川と共に生きる

十三干潟で投網をする河合さん

 淀川好きが高じ、現在は淀川が見渡せる自宅で奥さまと次女と3人暮らし。数年先に訪れる退職後の道を尋ねた。「環境保全や、川の語り部、色々な形で淀川に携わっていきたい。でも、落ち着いたら日本中の川を旅してみるのもいいかな」。川を見つめる河合さんの瞳が、水面のようにキラキラと輝いた。

PDF版よどマガ!(よどじんコーナー)

広報誌よどマガ!のよどじんコーナー(PDF形式)はこちらからご覧いただけます。

干潟に学ぼ!干潟で遊ぼ!

淀川の自然みぃ~つけた!

 干潟に住む多様な動植物とふれあう事で、淀川の自然を守ることの大切さを伝え、また、川の素晴らしさだけでなく、洪水や地震による津波など、川の危険性について学ぶイベントを実施します。
 干潟で暮らす生き物を見て、ふれて、一緒に学んでみませんか? 十三干潟では、カニやシジミなど、たくさんの生き物たちに出会えます。 この貴重な機会にぜひ「自然学習体験」をしてみましょう。

日時・場所

本イベントは終了しました。
  • 平成27年8月1日(土曜日)13:00~16:00 十三干潟(淀川河川敷) 
    ※天候によっては、主催者側の判断により、中止や時間に変更が生じる場合があります。

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大阪市淀川区役所 政策企画課広報担当

〒532-8501 大阪市淀川区十三東2丁目3番3号(淀川区役所5階)

電話:06-6308-9404

ファックス:06-6885-0534

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