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よどじん(平成27年12月)

2017年2月1日

ページ番号:332691

よどじんコーナーでは、静かに流れる人々の暮らし、何気ない風景、そして人の心に光をあて、みなさまの元にお届けします。
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「子どもたちの睡眠を守る」

子どもの睡眠について話す水野先生

淀川区は、子どもの睡眠改善を支援することを宣言します!
そこでお話を伺うのは、脳科学者の水野敬先生。脳科学と睡眠!? じっくり聞いてきました。
 
今月のよどじんは、
理化学研究所 上級研究員
大阪市立大学大学院 特任講師
水野 敬(みずの けい)先生

脳と睡眠?

まつりへの思いについて語る弘樹さん

私の研究テーマは、子どもの睡眠と疲労の関係なんです。脳と睡眠には、密接な関係があります。特に、成長期の睡眠は、脳の発達に本当に重要。「たかが睡眠」と軽視しないでほしい。
 私が研究テーマを決めたきっかけも、「このままではいけない」という危機感でした。研究で出会った不登校の子どもの目が、本当に覇気がなく、グッタリしていたんです。なんでこんなに疲れているのか。そこから、子どもの疲労について研究をはじめ、「睡眠」に行きついたんです。

子ども達の睡眠が危ない

子どもの疲労と睡眠について話す水野先生

 今の子ども達は、大人が考えるよりとても疲れています。ここ10年の間でも、継続的な疲れを感じる割合が、小学校4~6年生で約3倍、中学校1~3年生で約2倍も増えているというアンケート結果も出ています。なぜか?それは睡眠に深く関係します。
 情報化が進む現代社会では、スマホやゲームに受験勉強と、睡眠を削り取る要素がたくさんあります。睡眠時間、良好な睡眠が脅かされているんです。

科学の力で睡眠を守る!

淀川区での講演会の話をしている水野先生

 私は脳科学の研究者ですから、子ども達が眠れる環境を調査・研究し、科学という力で解決するアイデアを提供していきます。しかし、それらを実践していくには保護者、地域、企業、行政等、様々な立場の方と協働していかないといけません。例えば、木製の壁で囲まれた部屋の方が疲労を軽減できることが分かったなら、建築関係企業との連携が必要となる。そういう部分では、先日淀川区で講演(※)させていただいたことは、行政との連携という面でとても良い流れになったと思っています。

※教育講演会「ホントは怖い!子どもの睡眠不足」 … 平成27年9月11日淀川区民センターにて開催

協力します、「ヨドネル」!

子どもと睡眠について語る水野先生

 そして、淀川区の「ヨドネル」宣言。行政が子どもの睡眠の重要さに着目してくれるのは、本当にありがたいことなんです。私もぜひ協力していきたいと思っています。
 
 これから社会にふみ出す若い世代に、希望を持って「今」を生活してもらいたい。そして将来、通勤電車でみんながニコニコしているような、そんな楽しい社会づくりにつながる研究を続けていきたいと思っています。

水野 敬 先生プロフィール

白衣を着た水野先生

昭和53年生まれ(37歳)
理化学研究所 上級研究員、大阪市立大学大学院 特員講師
 
主な研究テーマは、子どもの疲労、学習意欲と脳機能発達に関する調査研究・脳科学研究など。
大阪市大・ロンドン大との共同研究で「恋人を見てドキドキすると、特定の脳領域が活性化する」「長時間の作業中に残り時間を提示するとヤル気が湧いてくる」などユニークな研究でメディアにも度々取り上げられている。
 
●一児のパパ
 5歳になる娘の成長が楽しみ。「将来必要となる能力は何か、娘にも熱く語りますよ(笑)」
●悩み
 自分の成長「思ったよりも前に進めていない自分がいる。今を超えていきたい」

水野先生に学ぶ 子どもの睡眠と家族

DATA1:小学生の39パーセント、中学生の45パーセントが疲れている。 円グラフ1(小学生):ここ数週間で、全く疲れていない…19パーセント,あまり疲れていない…42パーセント,疲れている…24パーセント,とても疲れている…15パーセント 円グラフ2(中学生):ここ数週間で、全く疲れていない…7パーセント,あまり疲れていない…48パーセント,疲れている…30パーセント,とても疲れている…15パーセント
DATA2:睡眠時間が短いほど疲労の持続時間が長い(中学生データ) 棒グラフ(平日の睡眠時間と疲労の持続時間):平日の睡眠時間が7時間40分だと疲労の持続時間は1ヶ月未満、7時間22分だと1~3ヵ月、7時間4分だと3~6ヵ月、6時間46分だと6ヶ月以上
DATA3:疲労と学習意欲は表裏一体 分布図:疲労度が弱いと学習意欲が高く、疲労度が強いと学習意欲が低い傾向
DATA4:子どもの睡眠を脅かす色々な要因 ◎SNSを利用するほど睡眠時間が短い、◎友人関係がうまくいっていないと睡眠時間が短い、◎パソコンをよく利用するほど睡眠時間が短い
ちょっとショックなデータですね…。現代の子どもは疲れている。それは睡眠不足が大きな原因と思われます。もちろん、疲れていたら学習意欲も湧かない。でも、そんな子ども達を救う存在があります。と語る水野先生

子どもの睡眠を守るのは、家族。

DATA5:家族とすごす時間が長い子は睡眠時間が長め(中学生データ) 棒グラフ(家族みんな一緒に過ごす時間と平日の睡眠時間):家族と過ごす時間が、全く無いと睡眠時間は7時間9分、1~30分未満だと7時間4分、30分~1時間未満だと7時間26分、1~2時間未満だと7時間18分、2時間異常だと7時間32分
DATA6:家族からたくさん褒められる子は睡眠時間が長め(中学生データ) 棒グラフ(平日の睡眠時間と勉強を頑張ったときの家族からの褒め):家族が全く褒めてくれないと平日の睡眠時間は7時間7分,あまり褒めてくれないと7時間15分,だいたい褒めてくれると7時間32分,いつも褒めてくれると7時間37分
データ提供:理化学研究所。2015年5~6月調査実施。小学4年生~中学3年生(647名)対象。

PDF版よどマガ!(よどじんコーナー)

広報誌よどマガ!のよどじんコーナー(PDF形式)はこちらからご覧いただけます。

 平成27年12月号 2面(PDF, 262.32KB)

 平成27年12月号 3面(PDF, 272.21KB)

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