よどじん（平成28年12月）

2017年2月1日

ページ番号：384658

よどじんコーナーでは、静かに流れる人々の暮らし、何気ない風景、そして人の心に光をあて、みなさまの元にお届けします。

ありのままのじぶん、まる！

先日、淀川区LGBT支援事業の啓発パネルが完成した。10枚のパネルをつなぐと6色のきれいな虹の波が現れる。でも、そこに優しいタッチで描かれた人物は、みんな心に「なんで？どうして？」をかかえている。今月のよどじんは、にじいろi-Ru代表　ippo.（イッポ）さん

ものづくりの仕事と子どもの居場所づくり活動

　啓発パネルのイラストを手がけたのは「にじいろi-Ru（アイル）」代表のippo.さんこと、田中一歩（たなか　いっぽ）さん。
　LGBT当事者としての自身の半生を教訓に、現在はものづくりの仕事をこなしながら、セクシュアルマイノリティの子ども達の居場所づくりに精力的に取り組んでいる。

自分は周りと違う　おかしいんだ

　子どもの頃「自分は周りと違っておかしいんだ」と思っていた。そして24歳になるまで「私は、女性として生きていかなければならない」、そう言い聞かせて生きてきた。
　しかし、女性として保育士の仕事を続ける中でその我慢は限界に達した。
ありのままの＂じぶん＂で生きていきたい_。

じぶんをいきるためのるーる。

　子どもの頃から画を描くのが好きだった一歩さん。保育の職を離れてから、まずは、自分自身が息苦しくてつらかった時の事を振り返り、絵本にした。「じぶんをいきるためのるーる。（解放出版社）」。かわいいイラストの登場人物が「きたいふくをきる」「スキなひとをスキになる」と、心の奥の素直な気持ちを語ってくれる。

i-Ruは“いる”　わたしはここにいるよ

　にじいろi-Ruはパートナーの近藤さんと2人で2015年2月に立ち上げ、当事者である子ども達とその周りの家族、教職員に向けた活動を始めた。ネーミングの＂にじいろ＂は多様性、＂i＂は、わたし・じぶん、＂i-Ru＂で「いる」。わたしはここにいるよ。そんな思いが込められている。

ふみ出した大きな一歩　あの日の自分に伝えたい

　あの日、あの時の自分にこんな出会いがあれば、もっと楽に生きられたはず。そんな思いを持って活動を続ける一歩さん。「行政との連携など、活動する上でのハードルはまだまだ高い。でも、子ども達がお互いの違いを理解して、生き生きと暮らしていけるよう、地道に活動を続けていきたい」。
　夢に向けふみ出した大きな一歩、その決意は揺るがない。みんな違ってそれでいい。ありのままのじぶん、まる！