「東成区は企業・団体によるSDGs貢献(地域・社会貢献)をサポートしています。」
2018年11月30日
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2025年の関西・大阪での万博開催が決まりました。皆様のご支援、まことにありがとうございました。
さて、ご存知の方も多いと思いますが、今回の万博の開催目的として「SDGs」(※1)(持続可能な開発目標)が掲げられています。
SDGsでは、インフラ、産業振興、福祉、医療・健康、教育、防災・防犯など、様々な領域の社会事業やアクションが17項目に分類されていますが、その17番目の目標に、政府・自治体等(パブリック・セクター)と企業(プライベート・セクター)、市民(インフォーマル・セクター)が連携して取り組むことの重要性がうたわれています。
東成区では、この目標17に関して、区内に拠点を置く多数の企業のパワーに注目、SDGs(地域・社会貢献)に関する企業やNGOなどの団体の取組みを推進しています。
単に「いいことだから」という理由でSDGsを呼びかけても、具体的なアクションにはなかなか結び付かないものです。しかし、ビジネスの視点でSDGsを捉えると、SDGsに広がりが見えてきます。
消費者や取引先は、SDGsに関連したプロダクトから付加的な「満足」(経済学でいう「効用」、共感・嗜好などの主観的な価値を含む)が得られる場合、それに対するコストを負担します(図1)。環境や福祉などの社会課題に積極的に取り組む企業への投資(ESG投資)や、フェアトレードで途上国から輸入されたコーヒーの購入などがこれに当たります。プロダクト自体にSDGs的付加価値はないものの、それをとりまく「ストーリー」に価値が生まれるパターンです。【図1】 SDGsに資するものとして設計されたプロダクトが、消費者の共感を得たり、取引先の企業 理念に合致したりする場合、そのプロダクトの本来の「機能」以上の「価値」が創造される。
例:CSR私募債、ESG投資、CSR調達、ハイブリッドカー、フェアトレード商品、「市民風力発電」、「堺市役所食堂(森のキッチン)」など
図 1
消費者自体の課題(福祉や健康など)についても、ビジネスからのアプローチが可能です。例えば、在宅介護・医療に関してはさまざまな製品が作られていますし、安心・安全な「食」の生産・消費は、環境問題や健康問題の解決に繋がります。
【図2】 消費者のSDGs的ニーズ(福祉、教育、健康など)に対応して開発された高品位・高機能なプロダクトは、消費者により高い効用を与える。
例:顧客ニーズにマッチした介護用品、電子書籍読み上げソフト、添加物の少ない食品、オーガニックの野菜など
図 2
また、今日のコーポレート・ガバナンス論においては、企業の存在目的は「株主利益の最大化」から「社会的価値の創造」にシフトしてきています。つまり、お金儲けと社会貢献を同時に(統合的に)追求する、ということが現代の企業に求められていると言えます。
大阪市と包括連携協定を結んでいる吉本興業は、国連とも連携してSDGsに取り組んでおり、同社の「笑いを通じた伝える力」を社会的価値創造に結びつけています(※2)。このように、本業から得たリソース(知見・ノウハウや資金)を活用しながらSDGsに資する社会的事業を行い、そのことによって企業の「社会的価値」を向上させ、中長期的なビジネス発展に資するものとするというアプローチもありえます(図3)。
【図3】 SDGsへの貢献を通じて当該企業の社会的価値を向上させることで、中長期的にビジネス環境の改善を図ることができる。
例:福祉施設での社員ボランティア、障がい者の積極的雇用、働き方改革の促進、企業内保育所の設置、ISO14001の取得など
図 3
さらに、途上国への技術移転や提携を通じてビジネスを拡大することで、経済的価値と社会的価値の両方を向上させることも考えられます(図4)。JICA(国際協力機構)の「中小企業・SDGsビジネス支援事業」においては、本邦企業が生産性の高い技術やエコロジカルな商品の開発など、SDGs的視点を含む経営ノウハウを途上国に伝え、途上国の持続的な経済社会の発展に役立てるとともに、自社のビジネスの拡大につなげるプロジェクトが行われています(※3)。
【図4】 途上国への技術支援や途上国企業との提携により、自社の技術やノウハウを途上国の持続的な経済社会の発展に役立てるとともに、自社のビジネスの拡大につなげる。
例:JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業、大企業による途上国企業や中小企業への技術指導など
図 4
このように企業や団体がSDGsに向けた活動を行うアプローチはさまざまです(ここでは4つに類型化)。東成区の企業については、サクラクレパスによる地域連携事業(※4)など、図3のパターンが多いと思われますが、東洋ビューティと大阪シティ信金によるCSR私募債(東中本小学校への理科実験器具の供与)(※5)など、図1のパターンもあります。また、商店街で売っているオーガニック野菜は図2に当たりますし、インドネシア政府との連携事業を行う幸和工業の事例は図4のパターンです(※6)。
どのパターンが正しいというものではなく、企業の特性、ビジネス環境などで形は変わってきます。形が変わっても、いろんなアプローチでSDGsに貢献できるというのは共通。東成区は、企業によるSDGs貢献事業を側面支援するための「企業区民連携フォーラム」の構築プロジェクト(通称:「ひがしなりソケット」)(※7)の実施などを通じて、SDGsの目標17、多様な主体による社会課題の解決を促進していきます。
(※1)Sustainable Development Goalsの略。2030年までに世界各国の政府・自治体、NGO/NPO、企業、市民等が連携して取り組むものとして、2015年に国連で採択された目標です。
外務省による説明動画はこちら。
(画像は政府広報ビデオから)
(※2)吉本x 国連「SDGsについて考え始めた人々」
https://www.youtube.com/playlist?list=PLNe0pDYSfDiu6-jKmMOnt4YmU5LyuS2h_
(※3)JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業について」
https://www.jica.go.jp/priv_partner/activities/sme/index.html
(※4)サクラクレパスによる地域連携事業ほか、区のSDGs支援事業の紹介
https://www.city.osaka.lg.jp/higashinari/page/0000432137.html
(※5)東洋ビューティと大阪シティ信金によるCSR私募債の発行について
https://www.city.osaka.lg.jp/higashinari/page/0000444572.html
(※6)幸和工業のインドネシアへの技術移転事業について
https://www.city.osaka.lg.jp/higashinari/page/0000406212.html
(※7)「ひがしなりソケット」の概要や進捗については、こちらでご紹介しています。
https://www.facebook.com/pg/higashinari.socket.lab/posts/?ref=page_internal
https://higashinari-socket.com/?fbclid=IwAR2GNtYHNSlO92wMS25TGikYYlZT6PwwgAlDqf8Adw5VcdLJH9f-acMM-eg
また、インターネット・メディア「Local.Biz」や吉本興業のHPでも紹介されています。
Local.Biz https://local-biz.jp/news/2982
吉本興業 https://osaka24web.jp/higashinari/2018/11/10-144451.html
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