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再発見!すみよし文化レポート その23

2024年3月19日

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再発見!すみよし文化レポート その23 粒彩画(りゅうさいが) 椿AKO(つばき あこ)さん

住吉区で文化的・歴史的活動をされている個人や団体に活動内容や住吉の魅力についてお話を聞いていきます。

 

色褪せない粒で描く

 今回は、10月30日(金)に開催された「住吉あらかると10月」でのトークショーから抜粋して、粒彩画という、カラーサンドを用いた画法の第一人者である椿AKO(つばきあこ)さんのお話をご紹介します。

トークショーで粒彩画について説明する椿AKOさん

「粒彩画」とは

― さっそく「粒彩画」についてお伺いしたいと思います。「粒彩画」とはどういった技法でしょうか。

 水彩は水で、油彩は油で彩りを出します。私は、粒で彩りを出して描こう、ということで、カラーサンドを使って描いています。「粒の彩り」で「粒彩画」と呼んでいます。技法としては、粒で描くということ、点々で絵を描くということ、つまり、「点描(てんびょう)」でということになるのですが、私は点の大きさにもこだわっていまして、砂の大きさが、細い筆でちょん、と描いたぐらいの点であることを規定としています。また、その粒の色が集まることによって、絵を見る人の、目の網膜で混色するんです。カラーサンドは、特別に焼いて作ってもらっているので、直射日光を浴びても色は変わりません。他には伊勢志摩のあこやの、宝石にはならない真珠の核を取り除いて細かく粉砕したものも使います。粒粒で、水に溶けないものは何でも使えます。真珠の他には、ガラス、トルコ石、アメジストなどの輝石を砕いて使うこともあります。主には、色が揃っているカラーサンドを使う方が、絵を描くという点では、やりやすいですね。

 

― 粒を貼り付けるのに試行錯誤されることはありますか。

 粒は、ものによってはキャンバスにつかない場合もあります。ガラスの粒は一般的な接着剤ではつきませんので、接着剤を厚く塗ったり、特殊な接着剤を使ったりします。

 

― 「粒彩画」の特徴はどういったところでしょうか。

 特徴としては、まずは、色彩がきれいだということです。ライティングによって表情が変わります。一粒ずつの光と影が出て、昼間の光の下で見るのとは、違った表情になります。絵に厚みがあるんですね。また、網膜によって色彩をつくりますので、色が濁りません。次に、粒を使いますので、色を量ることができます。複雑な色も、混ぜる粒の割合が分かれば、再現性が高いんです。これなら割と簡単にできますので、子どもさんへの色彩教育にもいいと思っています。「粒彩画」は、新しい技法なので、広まっていってほしいと思います。

 

― 1枚の作品を仕上げるのに、どれくらいの時間がかかりますか。

 1枚作るのにかかる時間は、ものによっても違いますね。私は、いっぺんにたくさんの作品を描きだして、それぞれを少しずつ少しずつ描いています。ここにある作品(注意)全部で、1年間以上かけて仕上げています。「1枚だけをいつまでに」というのは難しいんですが、大体1カ月以上は時間がほしいですね。色の組み合わせを考えたりもしたいですし。

 

注意:10月30日開催の「住吉あらかると」で展示された作品のこと


ワークショップでは、立体作品の制作体験を行いました。

粒彩画で描く意味


開場前の会場の様子です。椿さんの作品が展示されています。

― 絵を描かれるときのテーマはありますか。

 もともとは仏様の絵を描きたいと思って粒彩画を始めました。私は、若いころから絵を描く仕事をしていましたが、風景画、花の絵、抽象画、ありとあらゆる絵は描きたいと思っていました。仏さまの絵をライフワークにしていきたいです。風景画も奥が深いですし、抽象画も好きです。

 

― オールマイティーということでしょうか。

 仏さまの絵、風景画、どんな絵ではあっても、自分らしいものを描くことをこれからも目指したいです。風景画については、「発掘されたい」と思っています。粒彩画は半永久的に残るので、私が描いた粒彩画による風景画が、いつか誰かに見つけられて、昔はこんな風景だったんだな、と思われたいです。粒彩画で風景を忠実に描くことは意味があるかな、と自分では思っています。

 

― いろいろな絵を描かれると思いますが、どの作品を一番見てほしいですか。

 もちろん全部見てほしいですが(笑い)、真珠の粒を使った仏さまの絵を見てほしいですね。あこやの真珠にこだわりがあります。私は昔ながらのものとは違い、自分なりに仏さまを描いています。模写から始まって、今は自分なりの仏さまが描けるようになっていると思います。

 

― 住吉ではどんな活動をされていますか。

 住吉大社の「初辰アートマルシェ」で、雨が降らなければ出展しています。声をかけてください。また、住吉大社の住吉武道館の文化サロンで、第1、第3土曜日に教室を開いています。

 

― 絵心が無くても大丈夫でしょうか。

 私は絵を描く仕事をしてきましたが、絵心というのは、「描いたもんがち」だと思っています。絵心があっても感動しない絵もあります。下手に技術だけが上手いよりも、気持ちがちゃんとある絵が描けるようになってもらいたいです。これは私も一番反省したい点ではあります。(笑い)

 

― これからの活動についてはいかがでしょうか。

 まだまだ勉強中です。まだまだ描きたいものがたくさんあります。私の祖父、父、伯父は画家であったり、みんな絵を描いているのですが、彼らが40~50年前に描いた絵の色があせてきています。身内のあつかましさといいますか(笑い)、粒彩画で、元の絵の色以上に再現しています。そういった、粒彩画による絵の再現を、今年から来年にかけてやっています。並行して、新たに仏さまの絵を描いていきたいですし、風景画も、日本各地の風景が変わらないうちに100枚を目標に描いていきたいです。100枚になったらまた見に来てくださいね。

 

― 最後に一言、ご挨拶をどうぞ。

 これからも住吉で、初辰さんの初辰アートマルシェに出ています。ぜひ、気軽にお声掛けください。粒彩画をどうぞよろしく。

 

椿さん、ありがとうございました。


椿AKO(つばきあこ)
住吉区在住。サンドアートの第一人者。
立体、平面の画家として活動。
大阪花の万博公式ポスター採用、モナコ公国主催インターナショナルフェア出展など多方面で活躍中。

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