大阪市東成区空家等対策アクションプラン(第2期)
2024年4月1日
ページ番号:543761
第1 アクションプランの目的と対象
1 アクションプラン策定の背景及び目的
大阪市では、近年顕在化してきている空家等にかかる課題等を解決するために、平成28年11月30日に『大阪市空家等対策計画(平成28年度から令和2年度)』(以下、「第1期計画」という。)を策定しました。
また、令和3年4月1日には、取組のさらなる充実のため、第1期計画の3つの方針(第3参照)を継承し、2つの方向性(特定空家等の総数抑制、官民連携の成果の蓄積)に沿って、大阪市空家等対策計画(第2期)(以下、「第2期計画」という)を策定しました。
東成区では、この第2期計画を遂行するための具体的な行動指針として、『大阪市東成区空家等対策アクションプラン(第2期)』(以下、「アクションプラン」という。)を策定し、これらの課題の解決に向け取り組んでまいります。
ただし、第2期計画に改訂があった場合や、本市及び当区の空家等対策等を取り巻く状況の著しい変化が生じた場合は、必要に応じて、適宜見直しを行うこととします。2 アクションプランの対象期間
第2期計画と同様、令和3年度から令和7年度までの5年間とします。
3 アクションプランの対象
戸建ての住宅・店舗・倉庫等を基本としますが、全ての住戸等が空室となっている長屋・アパート等についても対象とします。
空家法の空家に該当しない、一部住戸に居住世帯のある長屋の空家についても、住民等からの相談への対応を行うとともに、適切な管理、活用を促進します。
※ 本アクションプランの対象とする空家等(空家及びその敷地)は、第2期計画において対象としている内容と同一のものとします。
第2 東成区の空家の現状
1 当区の総住宅数、総世帯数、空家率 ※表1、2参照
平成30年の住宅の空家総数は10,000戸、空家率は約19.6%と、全国平均の約13.6%、大阪市平均の約17.1%より高い比率となっています。
平成25年に比べて、当区の空家戸数は、2,850戸増加しています。
ただし、適正な管理がなされずに空家等となる可能性が高い「その他の住宅」が2,540戸で、空家総数に占める割合が25.4%となっていますが、平成25年に比べ290戸減少しており、市平均の26.5%と比べても低い水準にあります。
引き続き、「建物の適正管理」に関する広報や建物所有者等への啓発に取り組んでいくことが重要と考えます。
平成30年度 | 平成25年度 | 5年間の増減 (H30-H25) | ||||||
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総住宅数 | 空家戸数 | 空家率 | 総住宅数 | 空家戸数 | 空家率 | 空家戸数 | 空家率 | |
全国 | 62,407,400戸 | 8,488,600戸 | 13.6% | 60,628,600戸 | 8,195,600戸 | 13.5% | 293,000戸 | 0.1% |
大阪市 | 1,675,900戸 | 286,100戸 | 17.1% | 1,634,120戸 | 280,740戸 | 17.2% | 5,360戸 | ▲0.1% |
東成区 | 50,970戸 | 10,000戸 | 19.6% | 48,120戸 | 7,590戸 | 15.8% | 2,850戸 | 3.8% |
賃貸用住宅 | 売却用住宅 | その他の住宅 | 二次的住宅 | 合計 | |
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大阪市 | 196,800戸(68.8%) | 10,400(3.6%) | 75,700(26.5%) | 3,200(1.1%) | 286,100戸 |
(H25) | 189,790戸(67.6%) | 12,310戸(4.4%) | 73,510戸(26.2%) | 5,130(1.8%) | 280,740戸 |
東成区 | 7,320戸(73.2%) | 90戸(0.9%) | 2,540戸(25.4%) | 40戸(0.4%) | 10,000戸 |
(H25) | 4,310戸(56.8%) | 360戸(4.7%) | 2,830戸(37.3%) | 90戸(1.2%) | 7,590戸 |
その他の住宅:転勤や入院のため、居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えのために取り壊すこととなっている住宅など
二次的住宅:別荘など、ふだんは住んでおらず、たまに寝泊りしている人がいる住宅など
2 腐朽・破損している空家と、空家の種類 ※表3参照
当区における、空家のうち老朽化(腐朽・破損あり)している住宅の戸数は増加しているが、割合は5年前に比べ、低い水準となっています。
ただし、「その他の住宅」の約4戸に1戸(26.4%)が老朽化しており、5年前(21.6%)と比較しても高い水準にあります。
そのため、引き続き、特定空家等の管理責任を有する所有者等への働きかけや情報提供を重点的に取り組んでいくことが重要と考えます。平成30年 | 平成25年 | ||
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空家総数 | 10,000戸 | 7,590戸 | |
腐朽・破損あり | 1,760戸(17.6%) | 1,390戸(18.3%) | |
賃貸用住宅 | 1,060戸(10.6%) | 750戸( 9.9%) | |
売却用住宅 | 40戸( 0.4%) | 20戸( 0.3%) | |
その他の住宅 | 670戸( 6.7%) | 610戸(8.0%) | |
二次的住宅 | 0戸 | 10戸( 0.1%) | |
腐朽・破損なし | 8,240戸(82.4%) | 6,200戸(81.7%) | |
賃貸用住宅 | 6,270戸(62.7%) | 3,560戸(46.9%) | |
売却用住宅 | 60戸( 0.6%) | 340戸( 4.5%) | |
その他の住宅 | 1,870戸(18.7%) | 2,220戸(29.2%) | |
二次的住宅 | 40戸( 0.4%) | 80戸( 1.1%) |
3 老朽危険家屋の通報件数及び是正状況 ※表4、5参照
本市では、空家法施行前から空家等の通報等に対応していますが、平成28年4月に空家等の相談窓口を区役所に設置して以降、区内の空家等に関する通報等が多数寄せられています。
特定空家等に関する通報が寄せられた時は、現地調査や所有者調査を行い、所有者による自主的な改善を促しています。
着手年度 | 通報件数 | 対象件数 | 是正件数 |
---|---|---|---|
H27年度まで | 39 | 14 | 10 |
H28年度 | 51 | 11 | 8 |
H29年度 | 23 | 10 | 7 |
H30年度 | 29 | 15 | 4 |
H31(R1)年度 | 32 | 16 | 11 |
R2年度 | 23 | 7 | 1 |
合計 | 197 | 73 | 41 |
是正年度 | 是正件数 |
---|---|
H27年度まで | 0 |
H28年度 | 2 |
H29年度 | 5 |
H30年度 | 15 |
H31(R1)年度 | 9 |
R2年度 | 10 |
合計 | 41 |
※通報を受けた物件のうち、長屋等、一部居住実態のある建築物等については「危険建築物」として、計画調整局監察課に情報提供のうえ、助言指導を行っていただきます。
第3 東成区における空家等対策の基本的な方針と目標
1 基本的な考え方
第2期計画における基本的な方針を踏まえ、当区における空家等対策の課題の解決に取り組みます。
【第2期計画における基本的な方針(第2期計画から抜粋)】
方針1.区役所を拠点として、地域や専門家団体等と多様な連携を図り、空家等対策に取り組みます。
方針2.安全・安心なまちづくりの観点から、特定空家等対策を重点課題として取り組みます。
方針3.空家等の活用を促進し、地域の活性化やまちの魅力向上に繋げます。
2 東成区における空家等対策の目標
空家等対策の基本的な方針を踏まえ、空家等対策を計画的・効果的に推進し、その達成状況を測定するため、第2期計画で設定されている成果指標を踏まえ、次のとおり目標を設定します。
指標1 特定空家等の件数
増加を抑制(目標数値:令和7年度35件未満)
※第2期計画における市全体の目標値900件未満。
指標2 特定空家等の解体や補修等による是正件数
目標数値:年間11件以上
※第2期計画における市全体の目標値300件以上。
指標3 今後5年程度の空家の活用意向がある所有者の割合
※賃貸、売却、除却、利用、建替の意向
大阪市全体で9割以上を維持(令和7年度)
【平成28年度 84.5%→令和2年度 90.9% 大阪市調べ】
第4 空家等の調査
第2期計画に示されている「第4 空家等の調査」に関し、次のとおり取り組みます。
① 空家等対策の相談窓口を引き続き設置し、広報を充実します。(平成28年4月設置)
担当部署:市民協働課
電話番号:06‐6977‐9042 FAX番号:06‐6972‐2738
② 区民から特定空家等の通報を受けて得られた空家情報をデータベース化するなど、周辺に悪影響を及ぼす空家等の情報把握に努めます。
第5 住民等からの空家等に関する相談への対応
第2期計画に示されている「第5 住民等からの空家等に関する相談への対応」に関し、次のとおり取り組みます。
① 区役所に「空家等対策の相談窓口」を引き続き設置(※再掲)
② 特定空家等に関する通報等については、現地を確認のうえ、関係局とも連携しながら、所有者調査や所有者への助言・指導等
③ 空家所有者等からの相談については、内容に応じて各専門家団体や住まい情報センター、大阪の住まい活性化フォーラムの窓口等の案内
また、各専門家団体や住まい情報センター、大阪の住まい活性化フォーラムの相談窓口一覧の案内チラシの配架
④ 高齢者等の相談窓口である地域包括支援センターとも連携して、相談対応等に努めます。
第6 所有者等による空家等の適切な管理の促進
第2期計画に示されている「第6 所有者等による空家等の適切な管理の促進」に関し、次のとおり取り組みます。
1 相談普及啓発等による空家所有者等への意識啓発に係る具体的な取組み
(1)区役所等における啓発パンフレット等の配布
空家等の管理責任を所有者等に啓発するため、区役所の相談窓口等において空家等の適正管理や活用に係るパンフレット等を配布するとともに、ホームページや区広報紙を活用した普及啓発などにより、空家所有者等への適切な意識啓発に取り組みます。
(2)相談対応における空家所有者等の意識啓発、セミナーの実施
空家等が管理不全に陥らないよう、区役所や住まい情報センター等における空家所有者等の相談対応に際して、維持管理や権利関係の整理の重要性を啓発するほか、住まい情報センターにおける空家の適正管理等に関するセミナー等を通じて、空家所有者の管理意識の向上に取り組みます。
2 まちづくりの視点による空家の適正管理の促進に係る具体的な取組み
(1)防災・防犯面からの啓発
管理不全となった空家等は、地域の防災性や防犯性の低下を招く恐れがあることから、地域団体等と空家等に関する地域課題の共有化を図るなど、空家等の適正管理に向けて、地域の気運の醸成に取り組みます。
(2)地域等による空家管理についての検討
所有者が高齢であったり、遠方に居住している等の理由により、適切な空家等の管理が困難な場合において、大阪市シルバー人材センター等による空家・空地の管理の普及啓発に取り組むとともに、地域団体等による空家等の状況報告や管理等の実施の可能性について検討を行います。
(3)地域・住民の共助による特定空家等への対策(落書きの除去など)
空家等の適正管理に向けて、特定空家等の所有者が高齢である等の理由により、対応が困難な場合において、「地域の助け合い」により問題が解決されるよう、検討を行ってまいります。
第7 空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進
第2期計画に示されている「第7 空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進」に関し、次のとおり取り組みます。
1 空家等を活用した地域活性化にかかる具体的な取組み
(1)空家活用にかかる情報発信
空家等の活用やリフォームに関するセミナーの実施、老朽住宅の建替等に関連する各種支援制度の広報や周知など、空家等に関する情報発信に取り組みます。
・ 区ホームページ等による各種制度の情報提供:随時(2)空家等対策に取り組む地域団体等が行う地域の場づくりの促進・支援の検討
2 空家等の活用・流通促進に資する良質なストックの形成にかかる具体的な取組み
(1)空家等の活用・流通促進に資する各種制度の周知及び案内
当区においては、空家等の活用・流通の促進に資する次に掲げる事項にかかる制度について、区ホームページでのリンクや、区役所情報コーナーでのパンフレットの配架等により、制度概要の周知及び案内を行います。
・ 老朽住宅の建替促進
・ 老朽住宅の除却や跡地活用 など
(2)専門家団体や事業者との連携強化による空家活用の促進
空家等の活用は、法律や不動産、建築など様々な分野の知識と経験が必要となることから、空家等を活用したまちづくりの推進や情報発信にあたっては、専門家団体等と連携しながら、空家所有者等の効果的な支援に取り組みます。
第8 特定空家等に対する措置その他の特定空家等への対処
第2期計画に示されている「第8 特定空家等に対する措置その他の特定空家等への対処」に関し、次のとおり取り組みます。
1 空家等対策にかかる相談窓口の設置 ※再掲
担当部署:市民協働課(区役所4階41番窓口)
電話番号:06‐6977‐9042
FAX番号:06‐6972‐2738
特定空家等の通報件数:23件(令和2年度実績)
2 空家所有者等への指導等
区民から特定空家等に関する通報を受けた後、現場を確認のうえ、関係局と連携を図りながら、当該物件の所有者等に対し、関係法令に基づく助言や指導を段階的に行なうことで、所有 者等による自主的な改善を促してまいります。※「図1」参照
また、助言や指導を段階的に実施したにもかかわらず、改善がみられない物件のうち、第三者に危害を及ぼすおそれがあるなどの緊急性が高い場合で、特に対応等が必要であると認められる場合には、法令等に基づく行政処分(命令、行政代執行)による是正措置を行います。
図1 通報・相談から指導までの流れ
3 空家法以外の法律等に基づく対応 ※「図2」参照
空家法に基づく空家等に該当しない住家や一部住戸に居住世帯のある長屋の空家などで、そのまま放置すれば倒壊等の危険がある建物(老朽危険家屋)については、引き続き、計画調整局が建築基準法に基づいて建物の所有者等を調査し、指導等を行います。
上記以外で、空家法の対象とならない場合への対応については、基本的に、従来より所管する部局が対応します。
空家法の対象とならない相談や通報等があった場合、区役所においては、速やかに所管部局へ伝達し、対応を促します。
自宅またはその周辺に溜めこんだごみ等が原因で悪臭や害虫等が発生し、周辺の生活環境が著しく損なわれている状況にある『いわゆる「ごみ屋敷」』については、「大阪市住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例(ごみ屋敷条例)」により、状況に応じて関係機関が原因者に指導等を行います。
空家等の瓦や外壁が落下し、通行人への危害が想定される場合など、人的危険性がある緊急の場合においては、消防署等が危害の排除を行います。
また、大阪市が管理する道路上に瓦や外壁が落下している場合等においては、建設局が瓦礫の撤去やカラーコーン等の設置による注意喚起を実施する等の対応を行います。
図2 空家法以外の法律等に基づく対応の流れ
参考 「空家等」の定義(空家法第2条第1項)
建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいいます。
ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除きます。
- 住宅や店舗、倉庫など全ての用途の建築物が対象となります。
- 建築物内の全ての住戸・店舗等が空室となっているものとされており、共同住宅や長屋で一部住戸のみが空室のものは含まれません。
- 日常生活が営まれていない、営業が行われていないなど、概ね年間を通じて意図をもって使用していない状態であるものをさします。
< 空家等に該当しないものの例 >
- 住家、利用されている倉庫等
- 長屋で、一戸でも住家がある場合(建築基準法での対応となります。)
- 空地の立木、塀、看板等
参考 「特定空家等」の定義(空家法第2条第2項)
空家法の空家等のうち、以下の状態にあると認められるものをいいます。
- そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
参考 住宅・土地統計調査
総務省が5年毎に実施する抽出調査であり、調査結果は推計値となります。(直近では平成30年に実施)
空家法の空家等は、建築物内の全ての住戸・店舗等が空室となっているものとされており、共同住宅や長屋で一部住戸のみが空室のものは含まれませんが、住宅・土地統計調査では含まれています。
大阪市東成区空家等対策アクションプラン(第2期)
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ファックス:06-6972-2738