ヤングケアラー解消に向けた地域の取組 「今、子どもたちに起こっていること~地域活動を通して子どもたちに寄り添いながら~」
2023年12月28日
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地域課題や社会課題の解決に大きく貢献する事業を表彰する『キラッと輝く!OSAKA市民活動グランプリ』において、浪速子ども食堂「チェリー」さんの「ヤングケアラーを解決する地域包括ネットワークの仕組みづくり」の取組が優秀賞を受賞され、令和4年4月26日に大阪市役所で表彰式が開催されました。
「チェリー」さんでは、学校や関係機関、地域住民の方々が連携しながら、地域ぐるみで子どもたちをサポートしています。地域のヤングケアラー解消に向けた取組を紹介します。
活動の始まり
ある不登校の中学3年生の「高校に行きたい。勉強する場所が欲しいねん」というひと言がきっかけで、「なんとかしてあげたい」との思いから、学校の協力を得て、2013年12月に「学習支援ルーム『コスモス』」を開設。
年数を重ねていくうちに、「高校の中退率が高い」ことや、「友達関係や家庭環境などで悩んでいる子どもたちが多くいる」ことなど、子どもたちの他の課題も見えてくることに。
「寄り添い、伴走する」
「これは中学生だけの問題ではないのでは」と小学校にも目を向け、「もっと子どもたちとのつながりを深めていこう」と、2016年9月21日、「浪速地域 寄り添い型こども食堂『チェリー』」をオープン。
「寄り添い型」というネーミングは、「支援」として手を差し伸べてしまうと、子どもたちが「自立していく力」をつけにくくなってしまうとの考えから、「寄り添い、伴走する」という気持ちを込めて名付けられたもので、「寄り添うという姿勢を絶対忘れてはいけない」と心がけておられます。コロナ禍での活動
コロナ禍で全国のこども食堂や地域の活動が中止となるなか、「学校が休校の時に給食を食べられない子どもがいるのではないか」と考え、週3回、給食の代替となる昼食を子どもたちに提供し始め、緊急事態宣言後、会食を控える要請を受けてからは、配食に切り替え、現在(令和4年4月)もテイクアウト方式と個別家庭訪問による配食に取り組まれています。
訪問をきっかけに、保護者が抱える困りごとも聴くようになり、子どもたちにも保護者にも、「心理的・経済的なサポートをどうしたらいいか」と地域全体で考える中、コロナ禍等で仕事を失った方や外国籍の方のために、申請などの手続きでスタッフが一緒に区役所に付き添うなど、きめ細やかな力添えも行っています。
地域のヤングケアラーの実態
たくさんの保護者や子どものサポートを通して、保護者や兄弟が障がいを抱えている子、ひとり親で経済的に苦しい家庭の子、精神疾患や依存症のある保護者を持つ子、外国にルーツがある家庭の子、兄弟が多いあるいは幼い、など様々な家庭事情が見えてきて、掘り下げていくと、ヤングケアラーの子どもがいる、というケースが多く、地域のヤングケアラーの実態がわかってきました。
ヤングケアラーの支援ネットワーク
学校の先生方の気配り、区役所の「こどもサポートネット」や「子育て支援室」との連携により、いち早く子どもたちの支援ができるようになっています。交番の方々の見回りをはじめ、こども相談センター、民生委員児童委員、区社会福祉協議会、人権推進団体、地域活動協議会など、多くの団体と連携し、子どもたちに負担がいかないように、また、利用できる行政サービスを使いながら家庭の負担を解消できるように、チーム一丸となって、地域のネットワークにより、さまざまな支援を行っています。
また、スタッフには将来、教員をめざす学生さんたちがボランティアとして活動しています。代表の谷口さんは「社会に出たときに、ここで経験した気付きを持ち続け活躍してくれたら」、と話しています。
浪速子ども食堂「チェリー」代表 谷口さんから一言
毎日いろいろなことがありますが、活動を続けていて良かったと思います。課題を抱えた子どもとつながることができ、地域の大人と子どもの距離が近くなってきています。自転車で走ると、多くの子どもたちが声をかけてくれます。
子ども食堂は、いろんな年代の大人がいるなかで、「家庭のリビング」のような、あたたかい場所であり続けたいと思っています。「地域のこどもは地域で育てる」という思いを持って活動しています。子どもたちが「地域を誇りに思い、地域社会で活躍できる自立した大人になってほしい」と願い、伴走型の寄り添い支援を続けていきたいと思います。
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