水道水中の放射能に関するQ&A
2014年4月17日
ページ番号:165700
放射性物質の測定体制について
【Q】放射能の測定はどれくらいの頻度で実施していますか?
【A】浄水場原水ならびに水道水について、放射性物質の核種(セシウム134及び137、ヨウ素131)ごとに月1回行なっています。また、水道水源である琵琶湖・淀川水系の調査も3ヶ月に1回程度実施しています。
なお、水道水中の放射能が高まる懸念が生じた場合には、臨時の調査を行うなど監視体制を強化することにしています。
放射性物質に関する水道水の基準について
【Q】放射性物質に関する水道水の基準について教えてください。
【A】厚生労働省は、平成24年4月1日から水道水中の放射性物質に係る管理目標値を以下のとおり設定しています。
放射性セシウム(セシウム134及び137の合計) 10Bq/kg
※平成24年3月5日付け厚生労働省健康局水道課長通知 「水道水中の放射性物質に係る管理目標値の設定等について」
放射性ヨウ素については、事故発生当初、暫定的な指標値として300Bq/kg(乳児の場合100Bq/kg)が定められましたが、約8日で半減し、現在では検出されないことから管理目標値は定められておりません。
放射性物質の測定方法とその結果について
【Q】全ベータ線の測定とセシウム134などの核種分析の違いを教えてください。
【A】放射線には3つの種類があり、それぞれアルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線と呼ばれています。全ベータ線の測定では様々な放射性物質から放出されるベータ線の総量をGM管と呼ばれる検出器を用いて測定しています。核種分析では特定のエネルギーを持つガンマ線をゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーにより測定し、放射性セシウムや放射性ヨウ素の濃度を算出しています。
【Q】全ベータ線を測定する目的は何ですか?
【A】大阪市水道局では、水道原水の全ベータ線測定を福島原子力発電所事故が発生する数十年前より実施しており、事故の影響を評価するための参考としてモニタリングを継続しています。
原子力発電所事故により漏洩した放射性物質の影響について、平成24年4月からは核種分析により確認しています。
【Q】全ベータ線の測定結果が高い日があります。問題ないのですか?
【A】全ベータ線の測定では自然界に存在する放射性物質の放射能も同時に測定されます。このため、台風等の降雨により原水の濁度(濁り)が大きく上昇すると、濁質分に由来する天然の放射性物質量も増加し、全ベータ線の値が高くなります。なお、原水中に含まれる濁質分は浄水処理により除去されます。一方、核種分析では自然界に存在しない原子力発電所から漏洩した放射性セシウムや放射性ヨウ素を測定しており、濁度が高い場合においても核種分析の結果に異常が認められなければ問題ありません。
【Q】核種分析の結果は「検出せず」となっていますが、全ベータ線は測定値が表示されています。これは何故ですか?
【A】測定方法の違いによるものです。「検出せず」の表示は、放射性セシウムや放射性ヨウ素の測定結果が検出限界値を下回っていることを意味しています。全ベータ線の定量下限値(測定装置の性能上、結果を確実に保証できる値)は0.4Bq/Lで、この値未満の測定値にはある程度の誤差を含みます。
【Q】検出限界値とは何ですか?
【A】「検出限界値」とは、測定装置により測定対象物質が存在していることがわかる最低の濃度を表します。
【Q】検出限界値をさらに低くする必要はありませんか?
【A】厚生労働省は、水道水の放射性物質の測定においては「検出限界値1Bq/L以下を確保することを目標とする」としており、この条件を満たした方法で測定しています。
放射性物質の除去について
【Q】放射性物質は浄水処理で除去することが可能ですか?
【A】厚生労働省は凝集沈殿・砂ろ過処理及び塩素と活性炭の併用処理が放射能の除去・低減に効果があるとしています。
【Q】放射性物質は浄水器や煮沸により除去できますか?
【A】浄水器による放射性物質の除去は確認されておりません。また煮沸による除去については期待できません。
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