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大阪市安全なまちづくり基本計画

2016年10月5日

ページ番号:377689

はじめに

大阪市安全なまちづくり基本計画 平成14年12月  

近年、核家族化や都市化の進展等により社会情勢は大きく変化してきました。大阪においても地域コミュニティの希薄化や地域での自主防犯における結束力の低下により、犯罪が増加傾向にあります。平成13年にはついに刑法犯の発生件数が東京を上回り、全国ワースト1となりました。特に、大阪市内における犯罪の発生件数は13万6千件で、大阪府内全域の42%を占めています。また、犯罪においても、巧妙・凶悪化しており、ひったくりをはじめとする街頭犯罪やピッキングなどによる空き巣ねらい、忍び込み等の侵入盗に加え、子どもに対する犯罪も多発しています。

このような状況を鑑み、本市では、平成14年4月に施行した「大阪市安全なまちづくり条例」に基づき、安全で安心して暮らせるまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するための「大阪市安全なまちづくり基本計画」を策定しました。

この計画では、犯罪被害のない安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるためには、「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守る」という自主防犯意識の高揚、地域の実情に応じた新しい地域コミュニティの構築や各地域において、住民、事業者、本市、警察など関係機関等が連携し、一体となって地域の安全に向けた取り組みを行うことが必要不可欠と位置付けています。そして、その推進体制として、「大阪市安全なまちづくり推進協議会(仮称)」を設置することとしています。

具体的には、安全なまちづくり施策を「本市の取り組み」、「市民の取り組み」、「事業者の取り組み」に分類し、それぞれの今後取り組むべき課題を網羅しています。

本市では、今後、この基本計画に基づき、市民や事業者、警察や府など関係機関、団体と連携・協力しながら、一体となって安全なまちづくり施策を積極的に展開し、「誰もが安全で安心して暮らせるまちづくり」の実現をめざしてまいります。

最後になりましたが、この基本計画の策定にあたり、貴重なご意見、ご助言をいただきました大阪市安全なまちづくり有識者懇話会委員をはじめ、パブリック・コメントで貴重なご意見をお寄せいただいた市民の皆様に心からお礼を申し上げますとともに、今後ともより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

平成14年12月
大阪市長 磯村 隆文

第1章 計画策定の趣旨

1.計画策定の趣旨

近年の核家族化、少子化や都市化の進展といった社会情勢の変化は、地域コミュニティを希薄にし、地域の自主防犯組識の結束力を低下させ、犯罪を増加させてきました。

犯罪被害のない安全で安心して暮らせるまちをつくっていくためには、本市、市民、事業者、警察、その他関係団体が連携し、一体となった活動を展開する必要があります。

こうした基本認識のもと、本市、市民及び事業者の果たすべき責務を明らかにし、安全なまちづくり基本計画の策定など施策の基本となる事項を定め、安全で安心して暮らせるまちづくりを総合的に推進していくことを目的とした「大阪市安全なまちづくり条例」を平成14年4月1日に施行しました。

大阪市安全なまちづくり基本計画は、この条例に基づき、市民が安全で安心して暮らせるまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、条例の実効性を担保するために策定するものです。

本市では、学識経験者や市民団体の代表等で構成する「大阪市安全なまちづくり有識者懇話会」の意見をもとに検討を行い、このたび、基本計画をまとめたところです。
 

2.安全の範囲

安全で安心して暮らせるまちづくりについては、条例において「犯罪による市民の生命、身体及び財産に対する危害及び損害の防止を目的とする」と規定しています。

犯罪にも様々なものがありますが、刑法犯が全国ワースト1となっている大阪の現状を考慮して、本計画では、市民に不安を与える「ひったくり等の街頭犯罪」、「侵入盗など共同住宅における犯罪」、「児童・生徒への犯罪」について、抑止施策の推進及び防犯意識の向上を図ることとしています。

なお、火災・地震などの分野及び交通安全については、すでに独立した枠組みで施策が体系化されており、ここでいう「安全」の範囲には含みません。

第2章 現状と課題

1.犯罪の現状

大阪の平成13年の刑法犯発生件数は、前年より約7万5千件増の32万7千件となっており、東京都を抜いて全国ワースト1となりました。特に、大阪市内での発生件数は、13万6千件と大阪府内全域の42%を占めています。また、人口1万人当たりの発生件数も、府内全域が372件に対し、大阪市内が 523件と市内の発生が顕著です。

また、依然として「ひったくり」、「自動車盗」、「車上ねらい」などの街頭犯罪が多発しており、加えて、子どもに対する犯罪も増加しており、平成 13年では凶悪犯罪(殺人、強盗、強姦、強制わいせつ、略取誘拐、傷害)による被害が前年より府内全域で41%、大阪市内では34%増加しており、憂慮すべき事態が続いています。

2.生活環境の変化

現代社会の特徴である少子・高齢化及び国際化や高度情報化の進展など社会情勢の急激な変化は、市民生活や地域社会に大きな変化をもたらしています。かつては、その地域に住む人たちが、隣近所の人たちとふれあい、話し合い、助け合い、楽しみも悩みも共有し、よりよい環境、より豊かな暮らしを求めて協力しあってきたことにより、誰もが安全で安心して暮らせる社会を形成してきました。しかし、近年、個人の生活様式や価値観は多様化し、地域における結び付きが希薄になってきています。さらに、核家族化が進み以前のように家庭において生活の知恵や規範意識を学ぶ機会も少なくなったことも青少年による犯罪の増加につながっていると思われます。

また、国際化・高度情報化により海外の出来事が瞬時に伝わる時代となり、地域社会やわたしたちの暮らしにも影響を及ぼす状況となっています。

3.課題

以上のような状況の下、安全で安心して暮らせるまちづくりを推進するためには、地域住民の相互信頼をもとにした自主的な結び付きを育てることが重要であり、かつ、課題です。また、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めていく中で、防犯の視点に立った都市環境づくりも重要で、大きな要素でもあります。

第3章 計画推進の基本的な考え方

1.自らを守る意識の高揚

安全で安心して暮らせるまちづくりの原点は「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守る」ということであり、住民自らが安全意識を持ち続けることはもちろんのこと、地域での助け合う意識を醸成できる地域の実情に合う新しいコミュニティを築き上げていくことが大切です。

2.地域における防犯活動の推進

地域の安全を確保するためには、各地域において、住民、事業者、本市、警察などが一体となって、地域の安全に向け、取り組みを推進することが必要不可欠です。

3.推進体制の整備

「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守る」という地域での安全に対するコミュニティづくりの実現のためには、市民や各種市民団体等の理解と協力を得ることが前提です。また、安全で安心して暮らせるまちづくり施策の推進のためには、関係者で構成された推進体制の整備を図ることが重要です。

第4章 安全なまちづくり施策の推進計画

1.本市の取り組み

(1) 知識の普及と啓発活動の推進

犯罪を未然に防止するためには、市民一人ひとりが防犯に関する知識を持つことが必要であり、市民等への知識の普及や啓発活動を推進するため、次のような施策を実施します。

  • 「安全なまちづくり推進月間」の設定
    街頭キャンペーン、講演会、研修会など啓発活動を集中的に行い、効果を上げるために「安全なまちづくり推進月間」を設定し、より広範に安全なまちづくり推進運動を展開します。
  • 広報活動の推進
    防犯に関する知識を普及啓発するために市政だより、ホームページ、ポスター等様々な宣伝媒体を駆使します。
    また、報道機関への情報提供を行うなど広く市民に周知することにより、防犯に関する知識の普及や啓発に努めます。
  • 区民まつりにおける啓発活動
    例年、多くの区民が参加される区民まつりにおいて、啓発冊子や防犯グッズを配付することにより防犯意識の高揚に努めます。
  • 事業者への啓発活動等
    事業者に対し、従業員への防犯知識の普及と啓発並びに防犯対策を施した施設の整備、さらには地域住民と連 携して安全で安心して暮らせるまちづくりの推進を図るよう協力依頼を行うとともに、支援施策についても検討してまいります。
     

(2) 市民活動への支援

地域における犯罪を未然に防止し、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるためには、市民や各種団体が一体となって、地域の安全のために幅広く活動していくなどの地域単位での自主的な活動が重要です。
これら市民の自主的な地域活動を促進するために、次のような支援施策を実施していきます。

  • 地域活動への支援
    地域における犯罪発生状況や発生場所など犯罪に関する情報を提供するとともに、地域の活動で使用する啓発冊子やパンフレット、啓発物品などを提供します。
  • 「子ども110番の家」事業の推進
    地域の家庭や店舗に「子ども110番の家」として協力いただき、子どもが危険を感じた時に駆け込むことにより身の安全を図るための事業を充実していきます。
  • 顕彰制度の創設
    安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に貢献のあった市民や団体等に対して、その功績をたたえることにより、安全で安心して暮らせるまちづくり活動に対する社会的評価を高めるために顕彰制度を創設します。
     

(3) 犯罪防止に配慮した都市環境づくりの推進

犯罪防止の取り組みは、犯罪が発生しにくい都市環境づくりも必要です。
道路、公園、駐車場や建築物などの整備にあたっては、次のような施策を展開していきます。

  • 道路照明灯等の整備
    道路照明灯は、従来、夜間における交通事故防止及び円滑な交通を確保するために整備を行ってきたが、今後、夜間における歩行者等の通行の安全確保や犯罪の抑止を図ることも視野に入れて整備していきます。
    また、まちを明るくし、歩行者や自転車の通行の安全を確保するとともに、夜間に誘発されるひったくりなどの犯罪発生を防止することを目的とした街路防犯灯の整備の助成について今後も効果的に整備が図られるよう検討します。
    さらに、地下道や隧道など犯罪が発生する恐れのある場所については、防犯ベルの設置などの安全対策を検討します。
  • 自動車駐車場及び自転車駐車場における安全対策
    駐車場においては、自動車盗や車上ねらいを防止するための施設整備や管理運営強化に努めます。
    また、地下式や階層式などの立体式自転車駐車場においては、モニターカメラの設置など防犯に配慮した施設整備や管理運営強化に努めます。
  • 公園における安全対策
    公園においては、死角をつくらない樹木の配置や照明灯の整備に努めます。
  • 建築物における安全対策
    本市の公共建物については、死角になりやすい場所の解消など防犯性を高め、市民が安心して利用できる建物として整備します。
    また、共同住宅については、防犯に配慮した計画・設計等の導入を図るとともに、特に周囲の死角となるエレベータ内については、本市の補助制度を活用し、防犯カメラの設置の促進を図ります。
  • 公衆便所における安全対策
    周囲からの見通しや照度の確保、防犯ベルの設置など、個々の立地条件、利用頻度等の状況を把握したうえで、必要に応じ実施していきます。
  • 地下鉄駅構内における安全対策
    地下鉄駅構内における防犯カメラ、防犯ベル、通報装置等の防犯設備の充実を図るとともに、携帯用防犯ブザーの貸し出しを今後も進めていきます。
     

(4) 学校園等における安全(防犯)対策の推進

  • 学校園等の安全(防犯)管理体制の整備
    幼児、児童、生徒等の安全確保を図るため、教職員等による学校園等の安全(防犯)管理体制を整備します。
  • 侵入者の防止対策
    学校園等の出入り口を1カ所に限定するとともに、モニター付のインターホン等の防犯警備機器を活用し、侵入者の防止に努めます。
  • 保護者、地域、関係諸機関等との連携の充実
    幼児、児童、生徒等の安全確保を図るため、積極的に情報発信することにより、保護者、地域、関係諸機関等との連携の充実に努めます。
  • 安全教育の充実
    各種の事件や事故を想定した安全教育を計画的、継続的に実施し、幼児、児童、生徒等が防犯・防災についての知識を身につけ、安全に避難する方法等について理解し、状況に応じて自ら安全な行動ができるように努めます。
  • 通学路の安全対策
    児童、生徒などが日常的に通学、通園等に利用している通学路の安全確保を図ります。
     

(5) 高齢者、障害のある人を対象とした施策の検討

高齢者や障害のある人たちを犯罪被害から守っていくためには実効ある取り組みが必要です。
高齢者や障害のある人が自らの生活の安全を確保していくうえで必要とされる知識の普及や啓発を実施するとともに、具体的な方策について、今後、関係機関等と協議、検討を行い、安全で安心して暮らせるまちづくりに努めていきます。
 
(6) 市職員による犯罪被害者の保護及び連絡体制の整備

地域で事業に従事する市職員が犯罪等の現場に遭遇した場合、被害者を保護したり、警察に連絡・通報するなどの体制を整備するとともに、街頭犯罪の抑止に努めていきます。

2.市民の取り組み

安全で安心して暮らせるまちづくりの原点は、「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守る」ということです。
地域住民や各種市民団体が、お互いに連携を深め、一体となって、地域の実情にあった啓発活動を実施し、地域住民一人ひとりから地域全体にいたるまで、幅広く防犯に関する知識を持ち、安全意識を高揚するとともに、一体となって防犯活動に取り組んでいくことが必要です。

  • 身の回りの安全点検
    自分のことは自分で守ることを基本に身の回りの安全点検に努めるとともに、防犯の視点を取り入れた住まいづくりに留意することが大切です。
  • 地域における安全点検
    自分たちの地域は自分たちで守っていけるよう住民相互が連携、協力し、地域の実情にあった防犯活動や安全に関する知識の普及に努めることが必要です。
  • 知識習得のための防犯講演会、研修会等への参加
    防犯のためには地域住民一人ひとりが安全に関する知識を持つことが必要です。そのためにも防犯に関する講習会や研修会等に積極的に参加するなど知識の習得に努めることが重要です。
  • 地域ぐるみの防犯活動への参加
    地域において安全で安心して暮らせるまちづくりを進めていくためには、市民や各種市民団体が一体となって防犯活動に取り組まなければなりません。そのためにも、犯罪の発生箇所の点検パトロールなど地域ぐるみの防犯活動に積極的に参加することが求められます。

3.事業者の取り組み

事業者は、その事業を行うにあたり、安全で安心して暮らせるまちづくりのために必要な措置を講ずるとともに、地域住民と一体となって地域の防犯活動に取り組んでいくことが必要です。

  • 従業員への啓発
     従業員への防犯知識の普及、意識の啓発に取り組むことが必要です。
  • 施設等の防犯対策
     防犯に考慮した施設や設備等を整備することが求められており、特に、共同住宅や駐車場については、ピッキングに強い鍵の設置や防犯カメラ・防犯灯の整備等、犯罪防止に配慮した積極的な対応が必要です。
  • 地域の一員としての取り組み
     地域の一員として地域住民と一体となって犯罪防止運動に取り組んでいくことが望まれます。

第5章 計画を推進するにあたって

1.「大阪市安全なまちづくり推進協議会(仮称)」の設置

安全で安心して暮らせるまちづくりは、すべての市民が一体となって協働して取り組むことが重要であり、本市、市民、事業者及び警察や府等各関係機関・団体がそれぞれ相互に連携、協力しながら、一体となって安全で安心して暮らせるまちづくりを進めていくことが必要です。

その推進体制として、「大阪市安全なまちづくり推進協議会(仮称)」を設置します。

本推進協議会では、毎年度、この基本計画に基づき「実施計画」を策定し、円滑かつ総合的な推進を図っていきます。

また、本推進協議会は、府条例で設置されます「大阪府安全なまちづくり推進会議」や行政区単位の「安全なまちづくり推進協議会」と連携し、地域における安全なまちづくりの具体的な取り組みについて検討していきます。

2.庁内推進体制の整備

本市においても、安全で安心して暮らせるまちづくりに関する施策を行う関係局が連携し、安全で安心して暮らせるまちづくりの推進のために庁内推進体制の整備を図っていきます。

3.計画の変更について 

基本計画は、犯罪発生件数が減少し刑法犯発生件数全国ワースト1の汚名返上など一定の目標を達成した時点で、適宜、見直すこととし、施策についても今後の犯罪の態様や発生状況の変化等社会環境、市民の意識及び行動パターンの変化等により点検・見直しを行い、より効果的かつ効率的な展開に努めることとします。

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大阪市 市民局区政支援室市民活動支援担当地域安全グループ

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