「中條家住宅主屋」が国登録有形文化財に登録されました
2025年10月1日
ページ番号:659978
赤川四丁目に所在する「中條家住宅主屋」が、令和7年8月6日付で、国有形文化財として文化財登録原簿に登録されました。
この登録は文化財保護法に基づき行われたもので、旭区内の建造物が国登録有形文化財に登録される初めての例となります。

中條家住宅主屋について
名称 中條家住宅主屋
読み方 ちゅうじょうけじゅうたくおもや
建築年代 明治中期/昭和前期改修
所在地 大阪市旭区赤川4丁目

「中條家住宅主屋」外観

歴史背景について
中條家住宅は大阪市旭区赤川四丁目の旧赤川村の集落内にあります。
「赤川」という地名は室町時代に、この地にあった天台宗赤川寺にちなむものです。赤川寺は大坂の陣の戦火により廃寺となりましたが、現在も残る日吉神社は、その鎮守として創建されたものです。日吉神社には、本殿、拝殿、絵馬堂があり氏神様として崇敬されていましたが、空襲で殆どが消失されました。しかし、その後復興され、現在に至ります。
中條家住宅は同神社の西方に位置する、もと農家の主屋であった建物です。中條家は江戸時代から赤川村を代表する地主であり、現在の建物は明治時代中期に建築されました。
戦災などによる破壊や焼失の危機を乗り越え、地域の歴史を現代に伝える貴重な建造物です。

建造物の特徴について
主屋は敷地北寄りに南面して建つ、つし二階(※1)建て、入母屋造の建物で、出桁造(でけたづくり)(※2)の大屋根と幅の広い下屋(げや)によって重厚な外観をつくっています。
正面出入口廻りには、土間の大戸(※3)や格子窓があるなど古風なつくりを残しています。
内部は西側に土間、東側に六室を整然と並べ、南東隅に床の間と平書院を備えた仏間座敷を配置しています。
二階へ上がるための階段はなく、北西部の四畳半の間から梯子を架け、天井にある板戸を引き開けて上がるという、建築当初の形状が保存されています。また、高級建築材の栂(つが)を使った、30 センチ角の立派な大黒柱も注目されます。
※1 つし二階:軒高を低く抑えた民家の屋根裏部屋のこと。
※2 出桁造:軒を深く前面に張り出すために、梁や腕木を側柱より外側に突出させて、その先端に桁を出したつくり。
※3 大戸:農家では作業空間である室内土間への物の出し入れのために、一時的に大きく開口できるように設けた建具。

国の登録有形文化財への登録について
令和7年8月6日付の文部科学省告示第63号により、文化財保護法第57条第1項に基づき、当該文化財が文化財登録原簿に登録されることが告示されました。
これは、赤川の農村集落の歴史を伝える民家であることから、基準(1)「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と評価されたためです。

参考リンク
大阪府報道発表資料
国登録有形文化財(建造物)の登録について
https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/fumin/o180150/prs_50701.html
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015489
文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/545394
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