港区の「万博レガシー」をつなごう!
2025年12月26日
ページ番号:669460
2025年は、区制100周年を迎えた大阪市港区にとって歴史に残る1年でした。大阪・関西万博が隣接する此花区で開催され、港区を通るOsaka Metro中央線で夢洲に行き来した人は約4,000万人、1日平均21.7万人と公表されました。これだけ多くの人達に「弁天町・朝潮橋・大阪港」の駅名が印象づけられ、大阪中心部からのアクセスの良さを実感してもらったことは、有効なシティプロモーションになったと思っています。

区制100周年を迎えた9区で万博会場内に展示もしました。
万博は無事に閉幕しましたが、10月の区民まつりでもお伝えしたとおり「私たちの万博はこれから」です。万博会場は、いわゆる「見本市」であって、そこで得た体験、万博を機に起こったまちや社会の変化を「万博レガシー」として引き継いでいく必要があります。そうでなければ、壮大な打ち上げ花火で終わってしまうのです。
私が港区長として考える「万博レガシー」を示しておきます。
1 おもてなし防災
私の一番の不安は「万博会期中に南海トラフ巨大地震が起きたら」というものでした。会場内にいる人は、夢洲の高さまでは津波は来ないので3日は滞在できる。問題は万博会場に向かう途中の電車や弁天町での乗り換え中の人など、多くの観光客です。
開会前にはOsaka Metro・JR西日本・大阪ベイタワーや警察・消防も合わせて、リニューアルして動線の変わった弁天町駅の避難誘導について情報共有をしました。また、言葉が通じず地震や津波を知らない外国人観光客の防災に、1年前から公民連携で取り組んできました。
大きな自然災害に遭わず万博は無事に終わりましたが、「おもてなし防災」は港区発信の万博レガシーとして広がっていくことを期待しています。まだまだ外国人観光客はこれからも増えますので、区民のみなさんが自分の安全を守れることを大前提として、余裕があれば周りの観光客の方にも声掛けをいただけると嬉しいです。

おもてなし防災啓発ポスター
2 クールジャパン!港区
日本と言えばアニメ・マンガ・ゲームのクールジャパンコンテンツが海外でも人気で、万博会場でもいくつかのイベントがありました。その一角を、港区役所×テーマパークダンサーズスタジオ×ハコスタの連携で作った「Team OSAKA Minato」が担い、大阪・関西万博のメインアリーナ「Matsuri」で港区制100周年とコスプレカルチャーの楽しさをPRしました。
万博機運醸成を目的に、弁天町駅周辺でのコスプレイベント「acosta!@弁天町~大阪港区万博~」も数を重ね、会期中の9月23日にもJR弁天町駅の「べんてんひろば」や大阪ベイタワーアトリウムで開催し、万博の行き帰りのお客さんの目を楽しませました。こちらのイベントは、行政イベントではなかなか集めにくい若者が公民連携により参加者が1,000人を超えるようになり、コスプレでの交流を楽しんでいました。こうした「関係人口」を増やすクールジャパンコンテンツの発信地の1つとして、大阪市港区が認知されるよう努めてきました。
今後は区役所がどんな関わり方になるかわかりませんが、ようやく定着してきたところなので、持続可能になる方法を考えたいと思います。みなさんもぜひ、開催時には覗いてみてください!

9月5日 大阪・関西万博 アリーナ「Matsuri」での出演
3 未来のものづくり
万博会場では、港区のものづくり企業の出展がありました。特に「空飛ぶトラック」の実現をめざす「Zipangプロジェクト」の参加事業者の方が、こどもたちに出展する技術や実現したい絵姿を説明してもらう機会もあり、日本の製造業のチャレンジが伝わったと思います。
また、万博会場でも展示のあったSkyDrive社の「空飛ぶクルマ」の拠点「大阪港バーティポート」が会期中にオープンし、港区民のみなさんがデモフライトを見学する機会も設けられました。

9月13日 空飛ぶクルマデモフライトイベント
4 世界にひらく港区 ー多文化共生のまちー
港区には多国籍の万博スタッフが在住し、地域の飲食店やコンビニでも区民のみなさんとの交流があったと聞いています。もともと外国船が寄港する港町として栄えていた歴史もあり、クルーズ船が泊まる港区はグローバルなまちです。近年の外国人の住民比率も大阪市で4番目の伸びであり、万博を機に一層の国際化が進みました。大屋根リングの中に多彩な海外パビリオンが並び、いろんな国と交流を楽しんだ人もいると思います。万博の最終日に語られた「多様でありながら1つ」の精神を受け継ぎ、港区が互いの違いを尊重し合いながら、防災や地域活動に共に関わる多文化共生のまちになることを願っています。
大阪市では「やさしい日本語」の普及啓発に取り組んでいます。これは、私が生野区長の時に、万博までに普及しようとマークを作って始めたものです。港区でも区民まつりの際にも「多文化カフェ」を開催し、多くの区民の方が外国から来た住民や留学生と交流しました。
2025年は戦後80年の節目の年でもありました。世界ではまだ戦争や紛争が絶えません。だからこそ、平和な空間であった万博会場の空気を、港区で引継いでいけると嬉しいです。

5 羽ばたけ!万博キッズ!
大阪・関西万博の一番のレガシーは、万博を経験した人、それも若者や子どもたちだと思っています。諸事情で行けなかった子どももいたかもしれませんが、港区をはじめ大阪で展開される万博機運醸成やまちの変化に触れた半年でした。
1970年万博で未来と世界に触れて視野が広がり、将来の夢を抱いた子どもたちがいたように、2025年の万博を経験した「万博キッズ」たちが活躍することを期待しています。港区では子どもたちが関われるように「わたしの未来・港区の未来イラストコンテスト」を開いて、優秀作品を市岡商業高校跡地の仮囲いに港区の名所イラストと共に掲載しています。
区内の小中学校では万博への遠足や事前・事後の学習が行われ、空飛ぶクルマのポート見学や出展するものづくり企業の出前授業を受けるなど、わくわくする学びを実践しました。私たち行政や大人は、万博を体験して目と心が開かれた子どもたちを応援し続ける役目があります。
インドネシア館の最後に、伝えられる格言がスクリーンに映っていました。その中で最も素晴らしいと思ったのが「国家の未来は若者の手の中にある」というものです。
万博キッズや万博を体験した若者たちが、自分の可能性を伸ばせることができる港区にしたい。区役所では産官学+地域連携の「OSAKAみなと未来教育ネットワーク」などにより、小中学校を通じて子どもたちを支えていきます。
最後に
「防災」「クールジャパン」「未来のものづくり」「多文化共生」「万博キッズ」と、港区の万博レガシーを挙げてきました。私の港区長の任期は残り3ヶ月ほどですが、来年も再来年も引き継がれるようにしっかりバトンを渡すつもりです。
もう1つ、万博で重視されたテーマに「ヘルスケア」があります。
今回の万博で多くの方が年齢を問わず、万博会場でギネス盆踊りにチャレンジしたり、出演したり、ボランティアをしたり、また何度も行って楽しんだりと万博に関わりました。港区では住民や企業、行政が幅広く連携し、区制100周年記念を兼ねた「Let’sみ(ん)なとく!デジタルスタンプラリー」を実施し、DXとまち歩きを掛け合わせた健康づくりへの参加も働きかけました。
若者や子どもを応援するにしても、応援する側の大人が健康でいなければできません。健康診断を受け、自分の身体をメンテナンスし、人生100年時代を楽しく過ごしてもらうことも「万博レガシー」だと思っています。
私たち一人ひとりの万博は、始まったばかり。
楽しかった思い出を語りながらも、未来に向けて進んでいきましょう!

大阪・関西万博の会場にて
探している情報が見つからない
このページの作成者・問合せ先
大阪市港区役所 総務課総合政策グループ
〒552-8510 大阪市港区市岡1丁目15番25号(港区役所6階)
電話:06-6576-9683
ファックス:06-6572-9511

