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大阪市給排水設備の構造と維持管理に関する指導基準

2013年2月22日

ページ番号:207412

この基準は、給水設備、排水設備の維持管理に関して関係法令に定める基準によるほか、飲料水の汚染並びに排水による悪臭の発生を防止するために定めた基準である。

 

1 給水設備の構造

(貯水槽)

 (1)飲料水を貯水する受水槽の有効容量は、1日使用水量の1/2を標準とする。

 (2)飲料水を貯水する高置水槽の有効容量は、1日使用水量の1/10を標準とする。

 (3)飲料水を貯水する受水槽及び高置水槽等(以下「貯水槽」という。)の周囲の保守点検に必要な間隔は、原則として60cm以上とし、貯水槽の点検口を設けた面の間隔は、100cmとすること。

 (4)貯水槽は、清掃時の断水を避ける必要のある場合、又は貯水槽の容量が大きく、清掃に長時間を要する場合には、2槽式にする等の措置を講ずること。

 (5)貯水槽内は清掃作業が容易な構造とし、底部には1/100を標準とする勾配及び集水ピット等を設け、完全な水抜きができる構造とすること。

 (6)貯水槽の上面は適当な勾配をとり、水はけを良くすると共に、マンホール面は周囲より約10cm高くすること。

 (7)貯水槽は完全な水密性を保ち、かつ直射日光を受ける場合は、光により水質に悪影響を受けない材質とすること。

 (8)貯水槽は、滞留水を生じないよう次の点に留意すること。

     ア 貯水槽の流入口と流出口は、対称の位置に設置すること。

     イ 貯水槽の形状によっては、迂回路を設けること。

 (9)貯水槽は、満減水警報装置を設けること。

 (10)貯水槽には、飲料水を供給する設備以外の管を貫通させないこと。

 (11)貯水槽の上面には、原則としてポンプ、排水管等を設置しないこと。

 (12)飲料水を貯水する高置水槽は、飲料水を供給する設備以外の設備と直接させないこと。

    ただし、消防用高置水槽がやむをえず設置できない場合は、有効な逆流防止装置を取付直結することができる。

(マンホール)

 (13)貯水槽のマンホールの蓋は、次の事項に留意すること。

   ア 施錠ができる構造とすること。

   イ 風圧や振動で容易にはずれたり、すきまができない構造とすること。

   ウ ほこり、雨水等有害なものがはいらない構造とすること。

   エ 金属製のものにあっては、衛生上支障のないように有効な錆止めの措置を講ずること。

(オーバーフロー管)

 (14)オーバーフロー管は、単位時間当たりの最大受水槽を排水するに十分な口径とし、かつ間接排水構造とすること。

 (15)オーバーフロー管及び通気管には、耐食性材質のものを使用した防虫網を取り付けること。

(貯水槽の設置場所)

 (16)貯水槽の設置場所は、次の点に留意すること。

   ア 受水槽は、1階又は地階に設置すること。

   イ 点検、清掃及び修理が容易にできること。

   ウ 人の出入りが少なく、関係者以外の者が容易に立入れないこと。

   エ 汚水、湧水等の影響を受けないこと。

   オ 排気ガス、ばい煙等の影響が少ないこと。

(給水管)

 (17)飲料水を供給する給水管(以下「給水管」という。)の材質は、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管「以下「塩ビライニング管」という。」水道用耐衝撃性硬質塩化ビニル管、水道用硬質塩化ビニル管等水質に悪影響を与えないものを使用すること。

 (18)給水立て主管からの主要な分岐管には、補修、改造工事及び維持管理上において、他の給水系統に影響を与えることなく工事等ができるための止水弁を設けること。

 (19)給水管の接合に使用する接合剤は、上水道規格品を適正に使用すること。規格のない塩ビライニング鋼管用接合剤等は溶解試験を行い、水質に悪影響を与えないものを使用すること。

 (20)給水管の切断、ネジ切に使用する切削油は、水溶性のものを用いること。

 (21)塩ビライニング鋼管をネジ接合するときは、管端面に補修剤、シール剤を塗布して防食すること。

 (22)給水管は、井戸水、工業用水道の管、その他の設備と直接連結させないこと。

 (23)給水管は、汚水槽等の中を貫通させないこと。

 (24)給水管は、凍結、結露、破壊、浸食及び電食等の防護措置を講ずること。

(その他)

 (25)給水管は、他の配管と識別できるように表示すること。

 (26)吐水口の空間がとれない場合は、バキュームブレーカー等を設置すること。

 (27)飲料水は、原則として市上水を使用し、井戸水を使用しないこと。

 

2 給水設備の維持管理

(設備の保守管理)

 (1)貯水槽の周辺は、常に清潔に保つこと。

 (2)定期的に、貯水槽の水漏れ及び外壁の損傷、さび及び腐食等の有無を点検すること。

 (3)年1回以上、貯水槽を定期的に清掃すること。

    なお、貯水槽の清掃を行うときには、次の事項に留意すること。

   ア 作業者は、作業前3ヶ月以内に消化器系伝染病等についての健康診断を受け、健康状態の不良な者は作業に従事しないこと。

   イ 作業衣及び器具は、貯水槽清掃専用のものを消毒して使用し、作業が衛生的に行われるようにすること。

   ウ 作業に際しては、事前に十分槽内の換気を行っておくと共に作業中、照明、換気等に注意して事故防止を図ること。

   エ 貯水槽の内の沈殿物、浮遊物質、壁面等の付着物質の除去及び点検等を行うと共に、貯水槽周辺の清掃、貯水槽への異物混入防止措置の点検等を行うこと。

   オ 清浄汚水の排水が完全に行われていることを確認した後、塩素剤(有効塩素50~100ppmの濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液又はこれと同等以上の消毒能力を有する塩素剤)を用いて槽内の消毒を行うこと。

     なお、消毒は2回以上繰り返すと共に、消毒液の排水は完全に行うこと。

    また、消毒完了後は、槽内に立ち入らないこと。

   カ 貯水槽内の水張り終了後、給水栓末端及び貯水槽内の残留塩素の測定を行い、遊離残留塩素が、0.2ppm(結合残留塩素の場合は1.5ppm)以上であり、また、色、濁り、におい、味等に異常のないことを確認すること。

 (4)貯水槽のマンホールの蓋は、施錠すること。

 (5)定期的に、水抜管、オーバーフロー管及び通気管の詰まり及び防虫網の損傷の有無を点検すること。

 (6)ボールタップ、満減水警報装置、給水ポンプ等の附属用具は、正常な機能を発揮できるよう定期的に点検すること。

 (7)地震、浸水等が発生した後、給水設備の損傷、水漏れ等の有無を点検し、各設備の機能が支障をきたしていないかを確認すること。

 (8)市水道局より配水管工事等の連絡があった場合は、原則として工事期間中受水槽への流入弁を閉弁すること。

(水質管理)

 (9)定期的に残留塩素の測定を実施し、遊離残留塩素を0.1ppm(結合残留塩素の場合は0.4ppm)以上に保持すること。

 (10)定期的に飲料水の色、濁り、におい、味等の異常の有無について、目視等により検査すること。

 (11)供給する水に異常を認めた時は、速やかにその原因を除去し、確認のため、水道法第4条に規定する項目について必要な水質試験を行うこと。

 (12)給水設備の使用開始時及び貯水槽の清掃及び内面の補修後、残留塩素、色、濁り、におい、味の異常の有無について水質検査を行い、必要に応じ水道法第4条に規定する項目について水質試験を行うこと。

 (13)残留塩素の測定及び水質検査は、原則として高置水槽の系統ごとに給水栓末端1箇所を任意に選定して行うこと。

 (14)日常の使用量に応じ貯水槽の水位を調整し、水が滞留しないよう管理すること。

 (15)長時間使用しなかった貯水槽の水は、全換水した後使用すること。

 (16)防錆剤の使用について

   ア 防錆剤の使用は、赤水等の対策として給水管等の布設替え等を行うまでの応急対策とする。

   イ 防錆剤は、「給水用防錆剤品質規格適合品」の表示のあるものを使用する。

   ウ 防錆剤の使用量は赤水等を防止しうる最低濃度とし、定常時において、リン酸塩を主成分とするものは五酸化リン、又はケイ酸塩を主成分とするものは二酸化ケイ素質として5mg/L以下、両者の混合物を主成分とするものにあっては、五酸化リン及び二酸化ケイ素の合計として5mg/L以下とする。

   エ 防錆剤の濃度を定期的に検査すること。

   オ 防錆剤の使用について十分な知識及び技能を有する防錆剤の管理に関する責任者を専任すること。

(帳簿書類の整備)

 (17)次の書類は、いつでも利用可能な状態に整理保存すること。

   ア 給水設備の配置及び系統を明らかにした図面

   イ 貯水槽の清掃の記録(清掃年月日、実施者名、使用薬剤名等)

   ウ 残留塩素等の水質検査結果

   エ 設備の機能検査及び補修等の管理に関する記録

 

3 排水設備の構造

(排水槽等)

 (1)排水槽の容量は、原則として自然流下により排水することができず、排水槽へ流入することとなる1日当たりの汚水量(1日平均給水量)以下とすること。

 (2)排水槽は、内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置にマンホール(直径60cm以上の防臭式)を設けること。

 (3)排水の底部には、排水ポンプ用吸い込みピットを設け、かつ当該吸い込みピットに向かって1/15以上1/10以下の勾配をつけて、清掃がしやすく、かつ汚泥等の堆積し難い構造とすること。

 (4)吸い込みピットにおける側壁及び底部とポンプケーシング、フードバルブ等の外側及び底部からの間隔は、原則として20cmを標準とすること。

 (5)排水ポンプの平均稼働時間間隔は、原則として1時間以内に設定し、排水の槽内滞留による腐敗を防止すること。

 (6)排水ポンプは、故障時にそなえて2台以上設置し、適宜、切り替え運転すること。

 (7)排水槽には、満水警報装置を設けること。

 (8)排水ポンプの制御に電極棒を用いる場合は、感知部分を除き絶縁被覆する等、誤動作の起こらないよう措置すること。

 (9)排水槽は、排水及び臭気が漏れない構造とし、かつ通気管を設けなければならない。また、他の排水設備の通気系統に接続することなく単独に、かつ衛生上有効に大気中に開口しなくてはならない。

(排水管)

 (10)排水管の内径、勾配は大阪市下水道条例第5条第2号並びに同施行規則第4条第1号及び第2号によること。

 (11)排水管には適切な通気管を設け、管内に空気を流通させ排水管系統内の換気を図ると共に、管内の排水を円滑にし、同時にトラップの封水がサイホン作用等によって破壊されることを防ぐこと。

    なお、排水トラップは封水深5cm以上10cm以下(ドラムトラップ及び阻集器を兼ねる排水トラップについては5cm以上)とし、いかなる場合にも二重トラップを設けてはならない。

    また、その通気管は、汚水の流入により通気が妨げられないように設置し、衛生上有効に大気中に開口しなければならない。

 (12)排水管には、次に掲げる管に直接連結しないこと。

   ア 冷蔵庫、食器洗器、水飲器、洗たく機その他これらに類する機器の排水管

   イ 減菌器、消毒器その他これらに類する機器の排水管

   ウ 給水ポンプ、空気調和機その他これらに類する機器の排水管

   エ 給水タンク等の水抜管及びオーバーフロー管

 (13)排水管には、次の箇所に掃除口(ます又はマンホールを含む)を設けること。

   ア 排水横枝管及び排水横主管の起点

   イ 長い横走排水管の途中

   ウ 排水管が、45度を超える角度で方向を変える箇所

   エ 排水たて管の最下部又はその付近

   オ 排水横主管と敷地排水管の接続箇所に近いところ

   カ 長い敷地排水管にあっては、管径の120倍以内の箇所

   キ 前号以外でも特に必要と思われる箇所

(その他)

 (14)汚水が、油脂、ガソリン、土砂その他排水のための配管設備の機能をさまたげるおそれがある物を含む場合においては、有効な位置に阻集器を設置すること。

    なお、阻集器については、汚水から油脂、ガソリン、土砂を有効に分離でき、また容易に清掃ができる構造とすること。

 (15)排水系統には、ディスポーザ等の装置を設けないこと。

 

4 排水設備の維持管理

 (1)排水槽、排水ポンプ、排水管、阻集器及び通気管については、定期的に損傷、さび、腐食、詰まり及び漏水等の有無を点検し、常に正常な機能を保つよう補修及び清掃を行うこと。

 (2)蚊、ハエ等の発生の防止に努め、排水に関する設備の清潔を保持すること。

 (3)トラップの維持管理については、封水深が適当に保たれていること及びトラップ内の沈殿物等による悪臭の発生、スケールの有無等を点検し、機能が阻害されていないことを確認すること。

 (4)槽内汚水の腐敗をできるだけ防止する等、常に悪臭の発生防止に留意して維持管理すること。

    なお、休日でやむを得ず汚水が長時間滞留する場合には、汚水をできるだけ減量しておくこと。

 (5)排水槽の清掃を行うに当たっては、次の点に留意すること。

   ア 清掃に用いる照明器具は防爆型で、作業に十分な照度が確保できるものであること。

   イ 排水槽には、メタンガス等が充満していることがあるので、火気に注意すると共に換気を十分に行い、安全を確保してから槽内に立ち入ること。また、換気は作業が完全に終了するまで継続して行うこと。

   ウ 清掃終了後、水張りを行い、水位の低下の有無を調べ、漏水がないか確認すること。

 (6)阻集器にあっては、油脂分、汚泥等を除去すると共に、清掃後は内部の仕切板等を正しく装着し、機能の維持を図ること。

 (7)次の書類は、いつでも利用可能な状態に整理保存すること。

   ア 排水設備に関する図面

   イ 排水設備についての保守点検及び清掃等の記録

 

附則

  この指導基準は、昭和53年5月1日から施行する。

  (昭和60年12月31日制定)

  この指導基準は、昭和60年12月31日から施行する。

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