聖徳太子の時代から受け継がれる伝統技術 “世界最古の企業”が作る日本の未来
2024年3月22日
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本ページは天王寺区広報紙「天王寺」令和5年4月号から抜粋(一部編集)したもので、掲載している情報は当時のものです。
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世界でいちばん最初に創業されたと言われる企業が天王寺区にあることをご存じですか?金剛組(四天王寺一丁目)は、1400年以上にわたって社寺建築の技術を継承してきました。その歴史や技術ついて、株式会社金剛組の刀根 健一さんと金剛組専属宮大工 棟梁の木内 繁男さんにお話をうかがいました。
株式会社金剛組 会長 刀根 健一さん
金剛組専属宮大工 棟梁 木内 繁男さん
“世界最古の企業”金剛組
金剛組は、聖徳太子が日本最初の官寺・四天王寺を建立するにあたり、百済(くだら)から招いた造寺工(ぞうじこう)(お寺を建てる技術者)の一人、金剛重光が578年に創業したといわれています。いにしえの時代より四天王寺の正大工職(しょうだいくしょく)を務めていますが、創業当時の資料は度重なる四天王寺の焼失等で残念ながら残っていません。しかしながら、金剛家当主の家系図には用明天皇の皇太子(=聖徳太子)が寺を建てるために呼び寄せたとあり、また日本書紀にも同様の記述があることから、そのように伝えられています。
株式会社金剛組本社(四天王寺一丁目)
宮大工の伝統技術
金剛組の宮大工の強みはなんといっても高レベルの伝統建築技術。飛鳥時代から社寺の新築・改修の技を引き継いできました。「お寺の屋根は上に向かって反っていることが多いのですが、この曲線を設計から木材の加工までほぼ手作業で行います。出来上がりまでの作業風景は圧巻ですよ。」と刀根さん。
「人が暮らす家を造る一般建築に対し、宮大工が造るのは神様や仏様が入られる信仰の場。使用する木材はもちろん、道具まで職人が手掛けます。多くの人が手を合わせる信仰の場所なので、心を込めて造ることが重要ですよね。」と棟梁の木内さんは人の手で造ることの意義を語ります。
宮大工の手作業による曲線が美しい四天王寺 五智光院の屋根
成田山大阪別院明王院 新山門(10分の1模型)
心のよりどころになるような建築を
「新型コロナウイルス感染症の流行をはじめとして、近年、世界では人々が不安に思うような出来事が相次いでいます。古くから寺社はそういった人々の心のよりどころでした。皆さんにも、ぜひ身近な神社やお寺を訪れて欲しいですね。そして私たちは積み重ねた社寺建築の技術で、人々の信仰の場所を末永く護っていきたいと思っています。」と刀根会長は結びました。皆さんも神社やお寺を訪れた際には、その建築に携わる宮大工さんたちのことに思いをはせてみてはいかがでしょうか。
作業風景
金剛組が手掛けた建築物(一例)
和宗 総本山 四天王寺 金堂再建工事(天王寺区)
愛染堂勝鬘院 多宝塔再建工事(天王寺区)
他にも神社やお寺をはじめとして多数の新築・改修等を手掛けています。
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