少子高齢化の進行や社会経済状況の変化を受けて、市民生活における福祉課題の「複雑化・多様化・深刻化」が進み、支援につながらず地域に埋もれている要援護者に対する支援の必要性が大きくなってきています。

　地域コミュニティの希薄化や社会的孤立の広がりによる孤立死が社会的問題となり、また、認知症の高齢者等が増加する中で、行方不明になった時に、早期に発見するしくみが必要となっています。さらに災害発生時における要援護者の避難支援が課題となっており、災害時の支援を視野に入れた要援護者情報を地域と共有することが重要です。

　こうした状況を踏まえ、地域と行政が一体となって、日頃からの見守り活動や住民間のつながり、地域の社会資源のネットワークの強化を図るため、東成区社会福祉協議会に、「見守り相談室」を設置し、行政と地域が保有する要援護者情報を活用することにより、地域におけるきめ細やかな見守りネットワークの実現を目指して3つの取り組みを進めています。

　区役所が保有する要援護者情報をもとに、対象者に要援護者名簿への記載や地域等へ提供するための同意書を郵送するとともに、返信のない方へは見守り相談室が訪問をしています。

　名簿の提供について同意された方の情報を集約のうえ、要援護者名簿を作成しています。要援護者名簿は各地域団体へ提供し、地域と共有して見守り活動に役立てます。

　対象となる方は次のとおりです。なお、対象とならない方で同意書の送付をご希望される場合は、見守り相談室へご連絡ください。

• 要介護3以上の方
• 要介護2以下で認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の方

• 身体障がい者手帳の1級又は2級の方
• 身体障がい者手帳の視覚障がい、聴覚障がい3級又は4級の方
• 身体障がい者手帳の音声・言語機能障がい3級の方
• 身体障がい者手帳の肢体不自由3級の方
• 療育手帳のA判定の方
• 精神障がい者保健福祉手帳の1級の方

• 人口呼吸器装着等の医療機器への依存度が高い方

　上記の要援護者名簿の対象になる高齢の方、障がいのある方、難病患者の方に加えて、東成区では独自の取組みとして高齢の要介護1・2、要支援1・2の方についても見守り活動の対象としています。

　こうした幅広い方を対象とした取組みは、もとは地域での自発的な見守り活動が始まった当初から進められており、のちに全区で「地域における要援護者の見守りネットワーク強化事業」が開始されてからも、区独自の取組みとして継続しています。現時点では介護度が比較的低く、介護サービスを受けておられない方についても、日頃から地域のなかで気にかけることができるよう、見守りの目を広げていただいています。

　孤独死リスクが高い又は地域社会とのつながりを持たず、社会から孤立した要援護者世帯及びセルフネグレクトの状態にある方等に対して、訪問などの個別支援を行い、ねばり強く関わることで地域の見守り活動や福祉サービス等につなげています。

　また、地域やライフライン業者等からの安否確認に関する通報に際し、地域などからの情報収集や現地確認等をしています。

　「生活のなかで困りごとがあるけど、人とのつながりがなく、頼れる人がいない。利用できる制度や支援はないかな」とお困りの方はいらっしゃいませんか？まずは見守り相談室へご相談ください。専門相談窓口の紹介や地域活動へのつなぎなど、解決に向けて一緒に考えます。

　事前に登録を受け付けた行方不明になる恐れがある認知症高齢者等が行方不明となった場合に、氏名や特徴等の情報をメールで地域の協力者に配信することで行方不明者の早期発見・保護につなげています。

　ご利用を希望の方は、事前登録が必要となりますので、見守り相談室へお問い合わせください。

　また、協力事業者になっていただける場合も見守り相談室へお問い合わせください。

・東成区見守り相談室（東成区社会福祉協議会ホームページに移動します。）

大阪市東成区大阪市東成区大今里南3丁目11番2号
東成区在宅サービスセンター内

電話番号　06-6977-7031

FAX　06-6977-7038

　東成区では、高齢者の皆さんや障がいのある方が住みなれたまちで安心して暮らし続けるため、「地域福祉活動サポーター」が中心となり、地域でのつながりを中心にしたネットワークを強化するためのさまざまな活動が行われています。これらは「おまもりネット事業を活用した高齢者・障がい者等支援ネットワーク事業」として東成区社会福祉協議会に事業委託しています。

おまもりネット事業については、こちらをご覧ください。