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区長対談レポート<株式会社macoto.creative(まことクリエイティブ)>

2024年9月30日

ページ番号:636214

 令和6年9月11日(水曜日)、大阪市生野区役所は株式会社macoto.creative(まことクリエイティブ)と包括連携協定を締結しました。

 当日は、髙橋代表取締役副社長との対談の中で、筋原区長が生野区への熱い想いを語りました。

対談レポート~異和共生の考えで向き合う現在地~

人口減少により発生した空き家をうまく有効活用したい

髙橋代表取締役副社長:

包括連携協定を記念いたしまして、筋原区長との対談の時間をいただき、生野区の取り組みや筋原区長の生野区への想いなどをお伺いしたいと思います。筋原区長、お忙しいところありがとうございます、よろしくお願いします。

筋原区長:

こちらこそ、宜しくお願いします。

髙橋代表取締役副社長:

1つ目の質問ですが、 今回の包括連携協定は、弊社が強みとする終活・遺贈寄付の領域から、生野区が定めた「生野区将来ビジョン2023-2026」の達成に貢献できないかという思いからスタートしました。 この将来ビジョンのもと、昨年度に発表されました「生野区運営方針」には、「安全、安心を身近に感じて暮らせるまち」を掲げておられます。まずは、現在地としてどのような課題があるのでしょうか?

筋原区長:

はい。生野区は、空き家、いわゆる特定空き家の数が大阪市内にある24区のなかで最多という実情があります。 これを放置しておくと、様々な危険が想定されるため、空き家をうまく有効活用し、特定空き家自体の発生を防ぎたいと考えています。現在、生野区では12万人余りの方がおられますが、以前はもっと人口が多く、その時代は、魚屋さんとか、八百屋さんとか、ヘアサロンさん、お風呂屋さんなど、生活関連の商売をされているお店も多かったのです。さらに、モノ作りの工場や事業所も多かったのですが、現在はどんどん減っています。この過程で生まれた空き家を活用したいと考えています。

79か国の外国籍の方が住む全国トップの外国人比率のまち生野区。課題は教育システム。

筋原区長:

それからもうひとつは、もともと5人に1人が外国籍住民のまちという特徴があり、いまでは日本の都市部で最も外国人比率の高いまちということが挙げられます。 もともと韓国・朝鮮にルーツのある方が多かったのですが、国の数もどんどん増え、現在、79か国の方が住んでおられます。特にコロナが明けてから、おひとりで住んでおられた外国籍住民の方が、どんどん家族を呼び寄せているように感じます。

結果、こどもたちも含め家族で誰も日本語が話せないというご家庭がどんどん増えてきて、小学校でも対応に限界がきているように感じます。保育所においては、半分以上が外国ルーツのお子さんという保育所も出てきました。

髙橋代表取締役副社長:

日本語が話せないこどもたちの比率が高いと教育の現場にもかなりの影響を与えそうですね。

筋原区長:

そうですね。教育委員会も、外国ルーツの児童への日本語指導や母語でのサポートをするシステムを構築していますが、十分に行き届いていません。もう明らかに従来の行政手法では対応できないステージに入りつつあると感じており、これをなんとかしないといけないと考えています。


髙橋代表取締役副社長

筋原区長の施策ポリシー「異和共生」とは?

筋原区長:

私は、大正区の区長であったときに、関西沖縄文庫別ウィンドウで開く主宰である金城馨さんいう方が提唱された考え方である「異和共生」を全ての施策の基本理念にしています。

多文化共生というと、他の自治体なら壁を取り払って一緒にやりましょう、ということが多いのですが、取り払っちゃうと、マジョリティがマイノリティを飲み込んでしまう、つまり、強い方が弱い方を飲み込むという状態になるので、実際はうまくいかないと考えています。

一方、「異和共生」は、お互いの違いを形づくる壁をあえて立てたままではあるのですが、その壁をお互い、1歩ずつ半歩でも踏み出して、壁と壁の隙間で、一緒にできることを少しずつ広げていこう、という考え方。

その壁というのは、要するに、アイデンティティのことで、これを支える基礎になっているのが、それぞれの歴史・文化、あるいは個人の大切な思いだったりするので、この基礎部分をお互いにリスペクトして、大事に大切に認め合いましょうという考え方。この考え方に立って、取り組みたいと考えています。

国籍を問わず学歴と就労を得られるまちにするために、先陣を切ってモデル構築したい

筋原区長:

外国籍の住民が増えていくなか、特にこどもたちが、日本語を十分に習得しないままだと、日常会話はできても、教科書の日本語や学習に必要な言葉は全く違うから、結果として学歴、ひいては仕事を得られなくなってしまう。

だから、どのこどもたちも国籍に関係なく、学歴や働くチャンスを得られる環境を作る必要があります。もしそうしなければ、仕事が見つからず貧困に陥り、最終的には犯罪に走り、治安が悪化する可能性があると考えています。世界の移民問題も、だいたいこれが原因です。収入が増えれば、治安も良くなることは世界でも証明されています。

こうした環境作りは、行政や学校、支援機関や地域住民だけでは無理なので、みんなで協力して街全体で取り組むべきだと思っています。この問題は、人口が減少している日本全体の課題でもあり、日本全体のモデルとなるシステムを作る必要があると考えています。特に外国人比率が高い都市として、先頭に立ってモデルを作っていくべきだと思っています。


筋原区長

生野区活性化のためにも、現在空き家となっている不動産の活用や売却が有効な策

筋原区長:

高齢の方は、空き家を所有していても賃貸として活用することをあまり選択肢に入れないように感じます。ですが、リノベーションすれば収益化する可能性も広がります。また、築年数や耐震基準などの理由から、処分に手間やコストがかかると考え、対応を諦めている方もいると思うのですが、物件によっては売却により利益を生む場合もありますので、オーナーさんには今一度、活用や処分の検討をしていただければと考えています。

外国籍高齢者特有の課題が顕在化しつつあるなか、状況を調査・分析し、提言をまとめる施策を実行

髙橋代表取締役副社長:

たくさんお話いただきありがとうございます。次の質問にも少し関係してくるのかなと思いますが、 弊社は、主におひとり様の方を対象にした終活支援のほか、ご本人がお亡くなりになった後、残されたご家族の方が財産をどのようにするかなどの相談や支援を行っておりますので、この分野の質問させていただきます。高齢者の方が所有する空き家や、先ほどからお話されている支援が必要な外国人の方、区民の方に対して、現在、生野区では、どういった課題認識と取り組みをされているのでしょうか。

筋原区長:

生野区では少子高齢化が進んでいて、こどもの数が減っているため、小学校の統廃合を進めています。その結果、閉校になる小学校が出てきて、これを活用するために事業者を公募しています。例えば、その1つとして、小学校の跡地に「いくのパーク」という施設ができました。ここは、多文化共生と商業の賑わいの拠点を目指しており、飲食店を活用してまちを活性化する会社「RETOWN」と、外国ルーツのこどもたちの居場所や学習・生活支援を行うNPO「IKUNO・多文化ふらっと」が共同で運営しています。区役所もこのNPOと連携し、学校とも協力して外国ルーツの方々を支援しています。

また、生野区には高齢者も多く、特に韓国・朝鮮にルーツを持つ在日の方々が高齢化し、認知症などで在留手続きができなくなる問題も出てきています。在留手続きができないと、支援団体や介護施設への支払いがストップするという問題も発生しています。そこで、区役所は今年、ニューカマーの外国人が急増している現状や、昔から住んでいる外国ルーツの高齢化した方々の状況を詳しく調査・分析し、対応策を検討する事業に取組んでいます。

各課題の対策には、まちぐるみでサポートする体制が必要。遺贈寄付の活用は基金化による運用も視野に取り組みたい

髙橋代表取締役副社長:

今回の包括連携協定3分野のひとつである「遺贈寄付」についてお伺いします。弊社は、遺贈寄付の気持ちはあるけれども、どこに寄付していいのかわからない、といったような方に支援を行っていますが、今、生野区に対して遺贈寄付の申し出があったような場合、どのように活用したいとお考えでしょうか?お聞かせください。

筋原区長:

先ほどの質問とも重なる部分がありますが、外国ルーツのこどもたちを支援していくには、やはり財源が必要です。今後、具体的な調査や提言が出てくると思いますが、現時点でも見えているのは、やはり行政や支援機関、地域住民が連携してまちぐるみでサポートする体制が必要だということです。そのためには、基金のようなものが必要になるのではないかと思っています。

髙橋代表取締役副社長:

基金というと、具体的にどのような財源を想定されているのでしょうか?

筋原区長:

現在も、NPOなどが例えば「休眠預金」を活用して助成金を受けて活動しているケースがあります。そういった形で、もし寄付などをいただければ、それを基金として活用し、今お話しした様々な課題への対応に使っていけたらと思っています。

髙橋代表取締役副社長:

特にこどもたちに対する支援は、重要だと感じますね。

筋原区長:

本当にその通りです。こうした動きが、まずは私たちの地域で始まり、他の都市にも広がっていけば、いずれはしっかりした制度として確立されるのではないかと思います。どこかが先陣を切って行動することが大切だと思っています。

髙橋代表取締役副社長:

素晴らしいですね。筋原区長、お忙しいところありがとうございました。


左から
筋原区長
髙橋代表取締役副社長

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