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「地震津波対策基本プラン(下水道編)(案)」について

2024年11月29日

ページ番号:139955

はじめに

 大阪市建設局では、平成23年9月に「東日本大震災を踏まえた緊急ドラフトVer1.0 大阪市建設局・地震津波対策基本プラン(下水道編)(案)」を取りまとめました。

 平成23年3月11日の東日本大震災は、津波で多数の下水処理場やポンプ場が冠水するという、本来、浸水対策を担うべき下水道事業にとって、およそ過去の想定では考えられなかった甚大な被害をもたらしました。

 大阪市においても、上町台地以外は低地であり、その低地に下水道施設が立地していることから、切迫する東南海・南海地震に備えるため、東日本大震災に伴う被害を念頭に置いた対策の見直しが急務となっています。

 そのため、大阪市建設局では、東南海・南海地震に対する国の中央防災会議による見直し検討を注視しつつ、現地の被災状況やその後の復旧状況、また、震災直後から調査・復旧支援のため現地入りした本市職員が得た経験や知見、国をはじめ各種関係機関による調査報告等、様々な観点から東日本大震災に伴う下水道施設の被害状況を分析・評価し、東日本大震災を教訓とした当面すべき対策の方向性を検討しています。

 今回の地震で我々が得た最大の教訓は、施設耐震化等の事前対策はもとよりですが、自然がもたらす不測の事態に対し、どのように適切に対処するかという事後対策の重要性であり、検討に当たっては、「事業継続計画(BCP)」の視点から、震災後の迅速な応急・復旧対応に寄与するソフト重視の総合対策を基本方針としています。

 また、国が設置した「下水道地震津波対策検討委員会」による提言では、エネルギー自立型の処理施設をめざすことの重要性を謳っており、本市下水道で検討・実施している省エネルギー及び創エネルギー対策についても、スマートエネルギーシステムの構築に向けた基本構想として体系化しました。

 なお、本プランについては、国の中央防災会議と本市全体としての方針をはじめ、様々な機関における調査検討や知見を集積・導入しつつ、必要に応じて内容の見直し補強を行い、市民の皆様の安心・安全を支える本市下水道事業の持続性の確保に努めてまいります。

「大阪市下水道・地震津波対策基本プラン(案)」の主なポイント

基本理念

 大阪市の地勢は南から北にのびる上町台地と、その周囲を巡る低地から成り立っており、市域の約9割がポンプによる強制排水を必要とする地盤高となっています。

 こうした市域に立地する本市下水道としては、津波により多数の下水処理場・ポンプ場が冠水による被害を受けた東日本大震災を教訓とし、津波による新たなリスクへの対策が急務となっています。

 そのため、本プランでは、事業継続計画(BCP)の視点から、円滑な事後対応を可能とする優先事業を厳選し、事業の効率化を図りつつ、増大するリスクに対応することとしています。

 津波、地震動それぞれの対策における基本理念は次のとおりです。

基本理念

災害マネジメントサイクルの確立

 本市下水道事業を取り巻く厳しい経営環境の中で、東日本大震災のような未曾有の地震津波災害に対応するためには、事前対策と事後対策の両輪が必要です。

 そのため、施設の耐震化による「被害抑止」だけでなく、既存施設のストックを最大限に活用する「被害軽減」(減災)、事業継続計画(BCP)による「復旧・復興」の3つの対策をバランスよく行い、最適な「災害マネジメントサイクル」を確立することによって、ハード・ソフトの両面から費用対効果の高い効率的な災害対策の実現を図ります。

災害マネジメントサイクル

下水道事業継続計画(BCP)の骨子作成

 津波により、下水処理場・抽水所が湛水被害を受ける結果事象からスタートし、本復旧に至るロードマップの中で、被害の原因となっているボトルネックを段階的に解消していくための業務の優先順位を見出すことにより、BCPの骨子を作成しました。

 縦軸を下水道施設、横軸を復旧段階とするマトリックスを作成し、被災時以降復旧完了に至るまでの達成目標とこれに必要となる下水道施設の関係から、PhaseⅠ~Ⅲごとに非常時優先業務の体系化を行いました。

マトリックス

BCPの体系
PhaseⅠ(津波による下水道施設の湛水に伴う緊急措置)
PhaseⅡ(集水施設の一部機能停止に伴う緊急措置・応急復旧)
PhaseⅢ(下水処理場の一部機能停止に伴う応急復旧)

非常時優先業務の体系

災害復旧シナリオの設定

 津波や地震動により下水道施設が広範囲にわたり被災するとして2つの危機を設定し、大規模幹線管渠や雨水滞水池の貯留機能、既存ネットワークの活用による下水処理場間の相互補完など、本市の下水道施設が有する強みを最大限に活かした対策を盛り込んだ「災害復旧シナリオ」を取りまとめました。

災害復旧シナリオ

地震津波対策における今後の施策体系

 今回、東日本大震災を教訓とし、本市下水道の今後の地震津波対策について、「復旧・復興」、「被害軽減」、「被害抑止」それぞれの観点に立った施策を取りまとめました。

 本市下水道は、豊かで安心・安全な市民生活と高度な都市活動を根底から支える都市基盤です。

 今後とも、本プランを基に更なる検討作業を進め、東南海・南海地震をはじめ、災害に対する備えを継続的に強化しつつ、市民の皆様方の安心・安全を支える持続的な下水道事業の推進に努めてまいります。
地震津波対策における今後の施策体系

「東日本大震災を踏まえた緊急ドラフトVer1.0 大阪市建設局・地震津波対策基本プラン(下水道編)(案)」

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大阪市 建設局下水道部調整課

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ファックス:06-6615-7690

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