第5章 避難生活のために
2021年1月1日
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第5章 避難生活のために
避難所生活の心得
災害時避難所では、大勢の人と共同生活を送ることになります。プライバシーの確保が難しいなど、不自由なことがたくさんありますが、互いに協力しあい、譲り合うことが大切です。
- 周りのかたへ心配りをしましょう
みんな、つらい思いをしています。お互いを思いやり、困っている人がいたら助けるなど、協力し合いましょう - 水が出ない
断水が生じた場合は、飲料水が災害時避難所で配られます。また、応急給水の拠点も開設されます。水を運ぶためのポリタンクやバケツを準備しておきましょう。運ぶことが困難な人もいますので協力しましょう。 - 食べ物は
災害用のアルファ米や乾パン、流通事業者からの弁当・パンなどが災害時避難所で配られます。避難所で生活していない場合も食料が必要な場合は、取りに行きましょう。取りに行くのが困難な人たちもいますので助け合いましょう。 - 生活関連物資
毛布などの生活必需品は、住家に被害を受けて日常生活が困難になった人に災害時避難所で支給されます。避難所で生活していない場合も必要に応じて取りに行きましょう。 - 生活のルールや役割を守りましょう
地域防災リーダーや自主防災組織のメンバーなどの皆さんが中心となって避難所運営委員会を開き、生活のルールや役割分担を決めましょう。 - ペットも家族
ペットも大事な家族の一員です。「非常持ち出し品」の中にペット用品も用意しておき、ルールに従い周りの人に迷惑をかけないように心がけましょう。 - 病気やケガをしたときは
避難所などに、救護所が設置されます。病気やケガをしたときは、救護所を利用しましょう。
<救護所の役割>傷病に対する応急手当 近隣の医療施設との連携など - 食中毒や感染症を防ぐ
災害後は衛生環境が悪化し、食中毒や感染症が発生しやすい状況になります。配られた食料はできるだけ早く食べましょう。食事をするときや調理をするときは手洗いを十分に行いましょう。また、断水の場合は、消毒液などを利用して手をきれいにしましょう。 - 生活のルールや役割を守りましょう
避難所運営委員会で決めたルールや役割をみんなで守り、「自分たちのことは自分たちで」を基本に協力して生活しましょう。 - こころのケアが大切
災害の被害や避難所生活などで誰もがこころにダメージを受けストレスを抱えます。規則正しい睡眠や食事などを心がけ、日常生活を取り戻すことが心の傷を和らげます。不安な場合は救護所などで早めに相談しましょう。 - 多様なニーズへの配慮を
高齢者、しょうがいしゃ、男女のニーズの違いなど多様な視点に配慮しましょう。また、女性専用の物干し場や更衣室、授乳室の設置など、女性や子育て家庭のニーズへの配慮が必要です。
避難所で必ず行うこと
1 家族の名前や住所を登録する。
2 介助や医療の必要なかたは申し出る。
3 持病のある方は申し出る。
4 起床、就寝時間を守る。
5 ごみはルールに従い分別する。
6 煙草は定められた場所で吸う。
7 自宅を留守にする場合は鍵をかける。
8 その他避難所運営委員会で定められたルールを守る。
避難所・避難場所
大阪市では次のような避難所・避難場所があります。
避難所
- 災害時避難所
宿泊・給食等の生活機能を提供できる施設。小・中学校など。 - 福祉避難所
災害時において、高齢者やしょうがいしゃなど、一般の避難所生活において特別な配慮を必要とする方々を対象に開設される避難所。
避難場所
- 広域避難場所
同時多発火災が発生し、人命に著しい被害を及ぼすと予測される場合の避難に適する大きな公園など。
避難路 広域避難場所までの安全な道路 - 一時避難場所
一時的に避難できる広場、公園や学校の校庭など。 - 津波避難施設
津波などの水害から一時的または緊急に避難・退避する施設。
帰宅困難者
外出中に災害が起こり、交通機関が動かずに家に帰れなくなることがあります。このような場合に備えて、徒歩での帰宅ルートを事前から確認しておきましょう。
通勤通学路での安全な避難場所を調べておき、普段から家族にも知らせておきましょう。
また、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどでは、水道水・トイレ・道路情報など帰宅支援サービスが受けられます。
エコノミークラス症候群
長時間、同じ姿勢で座ったままでいることで、膝の裏あたりの静脈の血が流れにくくなり、血の固まりができてしまう病気です。重症になると足にできた血の固まりが肺に詰まり、息が苦しくなり胸の痛みを訴えて、最悪の場合は死に至ります。
新潟中越地震で自宅が倒壊した被害者で、三日間以上自動車で寝起きした中高年者のかたに肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が起こりました。
<予防するには>
- 水分を適度に取る。ただし、アルコールやカフェインの入った飲物は利尿作用があるので控える。
- 体を締めつける服は避け、ゆったりとした衣類を身につける
- 歩いたり軽く屈伸運動するなど、適度に身体を動かす。
- 避難所で朝の体操をするのも良いでしょう。
胸の痛みや、片側の足の痛み・赤くなる・むくみがあるかたは早めに医師に相談してください。
各区の避難所など(あなたのまちの防災マップ)については、危機管理室ホームページをご覧ください。
被災後に
- 二次災害を防ぐために
被災した建物の応急危険度判定が行われ、3段階のステッカーが貼られます。
家財道具を取りに戻ったりする際には、判定に従い注意しましょう。
ただし、この判定は住宅の被害認定とは一致しません。
・調査済(緑) 被災程度が小さく、使用可能。
・要注意(黄) 十分に注意すれば立ち入ることは可能。
・危険(赤) 専門家に相談して応急措置をしない限り、立ち入ることは危険。
- 各種支援策を受けるために
被災による被害があったことが認定された家屋に対しては、申請により区役所が「被災証明書」を発行します。ただし、火災による被害については消防署が「り災証明書」を発行します。
・被災証明書 (区役所発行)
風水害の場合 (1 流失、2 床上浸水、3 床下浸水)
地震の場合(1 全壊、2 半壊、3 一部損壊)
・り災証明書 (消防署発行)
地震による火災の場合 (1 全焼、2 半焼、3 その他)
- がれきの処理
全壊・半壊の家屋については市が解体の決定をする場合があります。自分で解体する場合などは、がれき処理に関する市からのお知らせに注意してください。
- 市税等の減免
災害により納税が困難な場合には、申請に基づき市税が減免される場合があります。
- お金をおろしたいとき
自動現金払出機が使用できなくなったり、家屋が損壊し通帳や印鑑が取り出せなくなることもあります。非常持ち出し袋に通帳のコピーや、身分を証明できるものを入れておきましょう。
- 悪質犯罪に会わないために
大規模な災害が起きると、いろいろな犯罪も起こる可能性があります。特に、避難所に避難している間に家が荒らされるなどの被害が過去の災害でも報告されています。戸締りをしっかりし見回りをするなど、自分たちの家を地域で守りましょう。
悪質犯罪例(兵庫県警察本部)
・避難による不在家屋、店舗を狙った空き巣や出展荒らし
・交通機関が途絶した際の足代わりとしてのオートバイ盗
・食料品、灯油などの生活必需品の暴利行為
・家屋修理での高額な契約
ボランティアを装った犯罪も過去の災害で見られました。ボランティアにお手伝いを依頼する場合は、災害ボランティアセンターを通じて行いましょう。
- 全国から駆け付ける災害ボランティア
大規模な災害が発生した場合、被災者を支援するために全国から多くのボランティアが駆けつけます。
ボランティアを受け付ける災害ボランティアセンターは、区ごとに区民センターなどに開設され、支援を必要とする被災者との調整などを行います。支援内容や相談方法は開設後すぐに広報されますので、支援が必要な場合もしくはボランティア活動に参加したい場合は災害ボランティアセンターに相談しましょう。
<災害ボランティアの活動例>
・被災者への炊き出し
・救援物資の仕分け・配布・運搬
・家屋の片付けや清掃
・避難所や仮設住宅での生活者への支援
・高齢者や子どもの話し相手 など
被災した直後は混乱し、これからの生活に不安を抱えることでしょう。そこにボランティアが駆け付け、精神的にも大きな支えになります。自立心を忘れず、少しでも早く元の生活にもどれるようボランティアと力を合わせてがんばりましょう。
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