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令和6年度 第5回こども・子育て支援会議 こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会 会議録

2025年4月3日

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令和6年度第5回こども・子育て支援会議こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会 会議録 

1日時 令和7年2月20日(木)15時~16時 

2場所 大阪市役所 地下1階第11共通会議室 

3出席者
(委員)4名
山野部会長、加藤委員、北委員、與口委員 

(大阪市)
山口港区長、武市平野区長、高井こども青少年局理事兼こどもの貧困対策推進室長、瑞慶覧こども青少年局こどもの貧困対策推進担当部長、松村こども青少年局子育て支援部長、久保こども青少年局企画部こどもの貧困対策推進担当課長、中村こども青少年局企画部企画課長、友清こども青少年局企画部青少年課長、小山こども青少年局子育て支援部児童支援対策担当課長、神尾こども青少年局子育て支援部保健副主幹、久山こども青少年局子育て支援部こども家庭課長、片岡教育委員会事務局指導部首席指導主事兼中央こども相談センター教育相談担当課長、東川政策企画室企画部政策企画担当課長※、西田市民局ダイバーシティ推進室雇用女性活躍推進課長、阿部福祉局総務部経理・企画課長代理、近藤福祉局生活福祉部生活困窮者支援担当課長、馬場健康局健康推進部健康施策課長代理※、小原都市整備局企画部住宅政策課長※、本教育委員会事務局教育事業推進担当部長兼第1教育ブロック担当部長、こども青少年局こどもの貧困対策推進担当部長、伊藤教育委員会事務局総務部教育政策課長、関谷教育委員会事務局指導部首席指導主事、松田教育委員会事務局学校運営支援センター事務管理担当課長
※ウェブによる参加3名 

4議題
(1)大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)案について
(2)大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)素案に対するパブリック・コメント手続の実施結果について
(3)その他 

5議事録
〇大迫こどもの貧困対策推進担当課長代理
 皆様お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただ今から、第5回「こども・子育て支援会議 こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては大変お忙しい中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日司会を務めさせていただきます、こども青少年局企画部企画課こどもの貧困対策推進担当課長代理の大迫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本日は、お手元に配付させていただいております委員名簿のとおりご出席いただいております。遠藤委員、藤井委員、横山委員におかれましては、本日ご欠席とご連絡をいただいております。本市出席者につきましても本市出席者名簿のとおりでございます。
 それでは開催にあたりまして、こども青少年局こどもの貧困対策推進室長の高井よりご挨拶申し上げます。 

〇高井こどもの貧困対策推進室長
 こどもの貧困対策推進室長の高井でございます。計画策定部会開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、出席を賜り誠にありがとうございます。また平素より大阪市政の各般にわたり、ご理解、ご協力を賜っておりますことを感謝申し上げます。
 本日は第5回目の策定部会となります。策定部会としてはこれが最後となります。委員の皆様方におかれましては、第1回目の策定部会から活発なご議論をいただき、様々な視点から有意義なご意見を頂戴して参りました。それらを第2期計画案に反映していきながらブラッシュアップを重ね、本日を迎えることとなりました。
 本日は第4回目の策定部会でのご意見等を反映した計画案をご確認いただきますとともに、12月から1月にかけて実施をいたしましたパブリック・コメントの結果についてご報告をさせていただきます。この策定部会の後、こども・子育て支援会議において諮ったうえで、第2期こどもの貧困対策推進計画を公表していく予定となっております。皆様方におかれましてはそれぞれの専門分野から忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げます。それでは以上をもちまして私の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 

〇大迫こどもの貧困対策推進担当課長代理
 それでは議題に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。なお、事前に資料をお送りさせていただいておりますが、修正等がありましたので、本日お配りさせていただいている資料をご覧いただきながらご議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それではまず、「第5回こども・子育て支援会議 こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会 次第」と記載したレジュメでございます。
 次に、資料1といたしまして、「第4回こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会以降の主な変更点」、資料2として、「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)素案に対するパブリック・コメント手続の実施結果について」、資料3として、「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)素案に寄せられた御意見の要旨と本市の考え方(案)」、資料4として、「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)案」、参考資料として、「令和7年度予算(案)について(パワーポイント版)(抜粋)」となっております。
 なお、前回までの資料をフラットファイルに綴って委員のみなさまの机上に置かせていただいておりますので、適宜ご参照いただければと存じます。不足している資料はございませんでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、以後の会議の進行は山野部会長にお願いいたしたいと存じます。山野部会長、よろしくお願いいたします。 

〇山野部会長
 皆さん、こんにちは。先ほどまで少し雑談をしていましたが、急に寒くなりましたね。昨日は京都の西本願寺で講演を行いました。その際、驚いたのが、大きなパネルで、こどもの貧困をこんなふうに応援しています、という取り組みを紹介されていたことです。西本願寺という厳かな場所でお話をするのは初めての経験で、少し驚きましたが、素晴らしいことだと思いました。大阪ではないですが、さまざまな地域で多くの方がこどもの貧困に興味を持ち、期待していることを感じました。行政の皆さんにはぜひ、大阪が先進地であると考えて、非常に期待を持って注目されていることを再確認しました。今回も皆さんからの忌憚のないご意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、議題1「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)案について」及び、議題2「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)素案に対するパブリック・コメント手続の実施結果について」事務局から説明をお願いします。 

〇久保こどもの貧困対策推進課長
 こども青少年局企画部こどもの貧困対策推進担当課長の久保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 議題1「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)案について」、議題2「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)素案に対するパブリック・コメント手続の実施結果について」一括してご説明いたします。
 まず、はじめに議題1から、資料1及び資料4により説明させていただきますので、合わせてご覧ください。資料1は、前回11月に開催しました第4回策定部会以降の主な変更点をまとめたもの、資料4は、その変更点を反映させた、計画の案となっております。資料1では、表の左から「ページ数」、「修正箇所」、「修正内容」として記載をしておりますが、それぞれ資料4の計画案における内容となります。変更点の上から2つについては、子どもの生活に関する実態調査の調査結果グラフの説明文章に、具体の数値を追記させていただいたものとなりますので後ほどご覧ください。
 3つ目以降の変更点につきましては、資料4の計画案にて詳しく説明させていただきますので、資料4の47ページをご覧ください。こちらは第2章、計画の基本的な考え方の重視する視点の3つ目、「社会全体で取組を推進」の部分でございます。変更点に下線を引かせていただいておりますが、前回策定部会において、「こどもの貧困は家庭の自己責任としてのみではなく」との表現を用いておりました。この部分について、藤井委員より、誤解を与えないように変更すべきとのご意見や、山野部会長より、社会全体で受け止めることが重要なポイントであり、この表現では誤解を与えかねない、といったご意見をいただきました。当日、法律の文言を引用して記載させていただいた旨説明させていただきましたが、改めて確認させていただくと、正しくは、「自己責任」ではなく、ここに記載させていただいているように、「家族の責任にかかる問題」としてのみとらえられるべきものではないというのが正しい表記であり、「その家族の責任に係る問題としてのみ捉えられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、」という文言に修正・追記しております。重視する視点にかかる変更点は以上になります。
 続きまして、51ページをご覧ください。
 施策体系の施策1「学びの支援の充実」のうち、(1)「幼児教育・保育の無償化と質の向上」につきまして、加藤委員や藤井委員より、もう少し具体の施策内容を記載すべきとのご意見をいただいており、こちらに記載のとおり、「就学前教育カリキュラムの一層の普及・活用を促進することや、小学校教育への接続を見据え小学校との組織的な連携を深めるとともに、就学前施設における保育内容等全般に関する研修・研究を実施するなど、就学前教育における取組を充実し、」との文言に修正・追記しております。
 続きまして、53ページをご覧ください。
 施策体系の施策3「生活基盤の確立支援の充実」のうち、(1)「就業を支援します」の項目につきましては、藤井委員や與口委員より、就業支援においては企業との連携が大切であり、企業の協力と理解を幅広く求めることが必要等のご意見をいただいており、「企業の理解と協力も得ながら」という文言を追記しております。
 次に、54ページをご覧ください。
 (2)「施設退所者等の自立を支援します」の項目につきましては、遠藤委員から、具体的な取組があるのか、もう一歩踏み込んで明記した方が良いとのご意見をいただいており、2段落目に「児童養護施設、母子生活支援施設等に退所前の自立支援及び退所後のアフターケアを担う専任の自立支援担当職員を配置し、施設退所前後の一貫した継続的な支援を行います。」という文言を記載するなど、全体的に表現を改めております。
 続きまして、55ページをご覧ください。
 施策体系の施策4「つながり・見守りの仕組みの充実」四角枠内でございます。こちらにつきましては、藤井委員より関係機関との連携について幅広く記載するようご意見をいただいており、横山委員や山野委員からもそうしたご意見をいただきましたので「学校園や地域」のあとに「保健、医療、福祉、就労など関係機関」の連携先を追記しております。さらに、下にいっていただき、(2)の「社会全体でこども・若者や子育て当事者を支援する取組を推進」につきましては、山野部会長より、デジタルを取り入れ、企業と連携しながら進めることなどが必要とのご意見をいただいており、「デジタル技術も活用しながら」社会全体でこども・若者や子育て当事者を支援する取組を推進というように追記しております。施策にかかる変更点は以上でございます。
 続きまして、56ページをご覧ください。こちらは、計画の目標と指標となります。
 (1)目標の設定における表を修正しております。左側の「めざす姿」と「実態調査等のアンケート項目」は、もともとひとつの欄に並べて記載しておりましたが、分かりやすくご覧いただけるよう欄を分けて記載しております。めざす姿自体は変更なく前回説明させていただきましたこの4つとなりますが、それをはかるアンケート項目として、詳しくはこのあと説明させていただきますが、めざす姿を測るためにより適当と考える項目として、この下線を引いている2つめの項目に変更しております。また、目標値の欄の右横に、目標設定の考え方の欄を設けておりましたが、より詳細に考え方を記載するため、こちらの表からは削除しまして、58ページ以降に記載しておりますので、ページをめくっていただき、58.59ページをご覧ください。
 目標の設定にあたっては本市としての趣旨をしっかりと伝えることが重要であるなどのご意見を主に北委員、藤井委員、與口委員から複数いただいたところであり、これを受けまして、目標設定の考え方を新たに記載することといたしました。
 はじめに、1つ目の目標であるアの「こども食堂などへの参加を希望しているこどもが、参加できている状態」につきましては、地域の方々などが自主的・自発的に運営をされている低額もしくは無料で食事提供などを行うこども食堂などのこどもの居場所は、こどもたちが、学校でも家庭でもない居場所を通して地域の大人と関わることで、安心感やつながりが得られ、社会性・自主性を身につけることができる場として、重要な地域資源のひとつとなっています。
 また、こども・若者に限らず、保護者や高齢者などの地域住民が交流する場として広く活用されている居場所もあるなど、趣旨や目的、利用対象者などは様々です。一方、困難を抱えるこどもや保護者が行政サービス等の支援につながるきっかけとなる場にもなっています。
 目標値の設定の考え方につきましては、前回の策定部会で説明させていただいたところですので読み上げは省略させていただきますが、こうした本市の認識を述べたうえで、利用したことがないけれども、あれば利用したいというこどもたちのニーズにこたえられるよう、目標として設定した旨を記載させていただいております。
 次に、イの「経済的な状況にかかわらず、学習塾や習い事に行きたいと思う人が行ける状態」でございます。学習塾や習い事は、現在では多くのこどもが利用し、学校の授業以外の学びや好きなことを見つけるきっかけづくりの場にもなっています。
 また、実態調査の結果から、学習塾や習い事に行く経験の差が、「自分に自信がある」や「将来の夢や目標を持っている」などの自己肯定感や自己有用感等にも影響を与えていることが考えられ、結果として将来の進路の選択肢が広がることが期待できます。
 さらに、実態調査においては、「授業以外の勉強時間」や「読書時間」は、困窮度が高くなるにつれ、「まったくしない」と回答した割合が高くなっており、「学習理解度」についても、困窮度が高くなるにつれ、「よくわかる」と回答した割合が低い傾向がありました。
 また、困窮度が高くなるにつれ、放課後に「塾や趣味などを含む習い事に行っている」と回答した割合が低いといった傾向が見られました。家庭の経済的困窮は、こどもから学習や体験の機会を奪うことにつながり、これらの機会の格差はこどもの学力格差や進学格差を生み、将来的には職業選択にも影響を及ぼすことも考えられることから、経済的な状況にかかわらず、塾や習い事に行きたいと思う人が行ける状態を目指し、目標値として設定した旨を記載しております。ここまでが3段落目までの内容で、めざす姿を設定した考え方となります。
 次の段落から目標値の説明となりますが、実態調査における学習塾や習い事をしていない割合は、全体で18.7%、困窮度別に見ると、困窮度Ⅰ群31.4%、困窮度Ⅱ群25.1%、困窮度Ⅲ群22.0%、中央値以上群は11.8%となっておりました。そのため、困窮度Ⅰ群からⅢ群における学習塾や習い事をしていない割合について、18.7%以下を数値目標として設定した旨を記載しています。
 なお、先ほど目標の表の説明で触れましたように、こちらのめざす姿は変わっておりませんが、前回までは、こちらのめざす姿を測る実態調査のアンケート項目としては、「平日の放課後におけるこどもの過ごし方」における「塾」と回答した割合、「習い事」と回答した割合を、それぞれ目標値としておりました。しかしながら、ただいまご説明させていただいたとおり、幅広い学習や体験の機会が大切であるという考え方も踏まえまして、「学習塾や習い事の利用状況」という実際の利用状況に関するアンケート項目の方がより適切に把握できると思われることから、こちらの項目に変更してまいりたいと考えております。
 次に、ウの「こどもにとって不利益が生じることがないよう、養育費の履行が確保できている状態」でございます。養育費は、こどもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用のことで、食費や教育費、医療費などがこれに当たります。こどもに対する養育費の支払義務(扶養義務)は、父母の生活に余力がなくても自分と同じ水準の生活を保障する必要があります。こどものためのものであり、こどもにとって不利益が生じることのないよう、養育費確保の取組を進めることが重要である旨を記載した上で、目標値として設定した旨を記載しております。目標値の設定の考え方につきましては、前回の策定部会で説明させていただいたところですので省略させていただきます。
 次に、エの「就学援助制度の対象であるにもかかわらず利用できていない状態の改善」でございます。就学援助制度は、経済的な理由により、就学が困難な児童生徒の就学を確保し、教育の機会均等を保障するための社会保障制度として重要です。困窮度別に見た就学援助の受給状況は、困窮度Ⅰ群で23.8%、Ⅱ群で37.6%が、「利用したことがない」という状況でした。利用しなかった理由としては、「制度の対象外だと思うから」の割合が最も多く、また、「制度を知らなかった」の割合が困窮度Ⅰ群では4.1%、Ⅱ群では0.9%と、割合としては低いものの一定数見受けられました。そのため、就学援助制度の対象であるにもかかわらず、利用できていない状態を改善することを目指して目標値を設定した旨を記載しております。こちらにつきましても、目標値の設定の考え方につきましては、前回の策定部会で説明させていただいたところですので省略させていただきます。
 続きまして、第3章の主な取組に追加となった事業についてご説明いたします。
 まず、局事業についてですが、73ページをご覧ください。
 イ「若年で親になった家庭への支援」としまして、こちらは3月末の予算の議決を前提としておりますが、令和7年度から予定している新規事業「若年ひとり親家庭等への支援」を追加しております。こちらは、「若年ひとり親家庭における困窮度がその他の年齢層より高く、支援につなげる必要があることから10代・20代を中心とした若年ひとり親家庭の親子が気軽に参加できる交流事業を実施し、支援制度の案内や情報交換等を行える場を設けることで、必要な支援につなげていきます。また、これまで情報が届きにくかったひとり親家庭がスムーズに制度にたどりつけるようにリーフレット等を作成し、制度周知を強化」するものとなり、新規事業として実施してまいりたいと考えております。
 続きまして、85ページ以降に区の特色に応じて取り組む主な事業を追加しております。各事業については数も多いため、いくつかの事業に絞って御説明させていただきます。
 85ページをご覧ください。「施策1学びの支援の充実」の「(2)一人一人の状況に応じた学力向上の取組」として、各区役所において「民間事業者等を活用した課外学習事業」に取り組んでいます。これは、区内市立小中学校の児童生徒を対象に、学習習慣の定着等の取組として、学校施設等を利用し放課後に塾などの民間事業者や区独自に配置するサポーター等による課外授業を行うものであり、中には「大阪市習い事・塾代助成事業」を活用することで、受講者負担の軽減等を図っている区もあります。
 次に、89ページをご覧ください。
 「施策2家庭生活の支援の充実」の「(1)子育て家庭における養育や教育を支援」する取組として、子育て支援情報の発信や子育てイベント、講座等の開催に各区役所が取り組んでおられます。こちらは、子育てに役立つ情報誌やマップ等を作成し情報発信に取り組むなど、各区の実情に応じて取組を推進しております。
 最後に、92ページをご覧ください。
 「施策4つながり・見守りの仕組みの充実」の「(2)社会全体でこども・若者や子育て当事者を支援する取組」について、複数区役所において、未就学児の課題発見や支援につなぐ取組を行っているほか、区独自の取組を複数行っています。平野区役所では、企業・店舗等と協働して子育て支援活動を行うため、企業に登録していただき、区の子育て関連事業の場で資源・ノウハウを活用した取組を通じて、子育て世代のニーズの把握や子育てに不安を持つ保護者への支援のお手伝いをしていただいております。
 なお、参考資料として、「令和7年度予算(案)について」というパワーポイント資料をつけております。こちらは、重点施策推進経費として特に重点的に取り組むため、財源を確保して取り組む事業のうち、こどもの貧困に対する取組として令和7年度からの新規事業や、事業内容等を拡充して実施する事業を記載したものとなっております。記載している以外にも、こども支援ネットワーク事業や各区の実情に応じた取組など、引き続き実施する事業を合わせて、令和7年度こどもの貧困対策関連事業の重点施策推進経費は総額166,000万円となります。
 最後に、102ページにパブリック・コメント手続の実施結果を追加しており、以上が前回からの主な変更点となっておりますが、パブリック・コメント手続の内容については、議題2の内容となっておりますので、引き続き、議題2「大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期)素案に対するパブリック・コメント手続の実施結果について」ご説明いたします。資料2をご覧ください。意見の受付期間は、令和6年1227日~令和7年127日まで1か月の期間を設けて募集をいたしました。受付件数としましては5件、複数のご意見をお寄せいただいた方もいらっしゃいますので、ご意見の件数としては6件となっております。意見内容の分類として、計画の章立てごとに、いただいたご意見を整理させていただいたものが下段の表となります。
 続いて、資料3をご覧ください。いただいたご意見の内容別にご意見の要旨と本市の考え方をまとめておりますので、ご説明をさせていただきます。
 まず、1ページに記載していますのが、こどもの居場所に関していただいた3つのご意見です。一つ目のご意見としまして、「近年、こどもを取り巻く環境は厳しさを増しており、貧困や虐待、ヤングケアラーといった問題を抱えるこどもたちの問題解決には、多岐にわたる支援が求められる。根本的な解決に向けて、行政、学校、地域住民などが連携し、経済的な支援、教育の支援、相談体制の強化、そして「こども第三の居場所」の拡充など、多角的な視点から対策を進める必要がある。」とのご意見をいただきました。こちらの意見に対しまして本市の考え方としては、本市で実施しているこどもの居場所に関連する施策としては、小学生の放課後の居場所として児童いきいき放課後事業や、不登校状態にあるこどもに対し社会参加を支援する取組としての不登校児童通所事業、在宅での子育て家庭や地域での子育て活動を支援し、また乳幼児期の親子や子育て支援者、就学期の子どもが集い交流する機会の提供として子ども・子育てプラザなどといったように、様々な事業を展開しております。
 これらの事業をはじめとして、地域の実情に応じた適切な居場所の確保に向けて引き続き関係部局と連携し取組を進めてまいります。
 一方、こども食堂等のこどもの居場所につきましては、自主的・自発的に運営されている中で、困難を抱えるこどもや保護者が行政サービス等の支援につながるきっかけとなる場にもなっている居場所もあり、それらの活動が安心・安全に取り組まれるよう側面的支援を実施しております。
 本計画の基本理念の実現に向け、「学びの支援の充実」「家庭生活の支援の充実」「生活基盤の確立支援の充実」「つながり・見守りの仕組みの充実」の4つの施策に沿って多角的な視点でこどもの貧困対策に取り組んでまいります、としております。
 二つ目の意見としまして、「こども達が公園に遊びに行くかのように自由に遊べる場所、大人が見守ってくれる場所、いろんな体験が出来る場所が小学校区に1つは必要である。そういった居場所を作っている団体が続けていけるような事業を「こどもの家事業」のような事業を作ってください。」というご意見です。この意見に対しまして、本市の考え方といたしましては、国の「こどもの居場所づくりに関する指針」において、「全てのこども・若者が、安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することができ、自己肯定感や自己有用感を高め、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態で成長し、こどもが本来持っている主体性や創造力を十分に発揮して社会で活躍していけるよう、「こどもまんなか」の居場所づくりを実現する」と示されています。本市としてもこどもの居場所づくりの取組は必要であると考えており、先ほどの項目でもご紹介しました、児童いきいき放課後事業や子ども・子育てプラザなどの様々な事業を展開しております。
 なお、こどもの家事業については、平成26年度より留守家庭児童対策事業へ移行し、補助制度を一本化したうえで継続しております。 今後も、こども・若者、子育て当事者を取りまく様々な課題に対して、関係部署と連携し取組を進めてまいります、としております。
 裏面にいっていただき、三つ目の意見としまして、「こども食堂などへの参加を希望しているこどもが、参加できている状態」と記載しているが、どこにあるのか知らないこどもが多数の状態であり、こども食堂まかせにせず、行政としてももっと支援すべきである。」というご意見ですが、本市としては、こども食堂など地域の居場所の自主的・自発的な活動が安心・安全に取り組まれるよう側面的支援を実施しております。具体的には、地域でこどもを育む機運の醸成を図ることを目的として、少子化や核家族化の進行、地域社会の変化など、こどもを取り巻く環境の変化により多様化している課題に対応すべく、活動する多くの団体や企業、社会福祉施設等が参加する地域こども支援ネットワーク事業(大阪市社会福祉協議会が実施)と連携し、取組を進めてまいりました。
 本事業では、これまでも活動団体や支援企業の情報発信など広報・周知活動に努めてまいりましたが、さらなる広報・周知活動の充実に向け、関係機関と連携し、取組を進めてまいります、としております。
 次に、制度周知に関するご意見でございます。
 「日々の生活に精一杯な親(大人)は、支援につながる道すらみつけることはできないと思う。ホームページへ自らアクセスして調べるには時間と気力に余力が必要である。支援があることを町内掲示板などの活用をすることで、親やこどもの目にとまればと思う。」というご意見ですが、本市としてもアクセシビリティの充実は大変重要なことと認識しており、次期計画においては重視する視点にアクセシビリティの観点を加えております。こども・若者や子育て当事者に必要な情報や支援が届くよう、情報が分かりやすくまとまって確認できるような一覧性が確保された情報発信、若い世代にとって馴染みやすいSNS等を活用したプッシュ型広報、制度や支援の利用について気軽に問い合わせができるオンラインでの支援など、情報発信や広報を改善・強化するとともに、手続き等の簡素化を通じた利便性の向上に取り組んでまいります、としております。
 次に、目標の設定に関するご意見でございます。
 「こども食堂は、地域で自主的・自発的に運営されているので、できる範囲で続ける活動と考えられている。そのような任意のこども食堂に対して、現状把握の記載がないままに目標設定されていることを懸念する。任意の食堂運営者との連携を深め、パートナーシップの中から、市がめざすこども食堂等支援の目指す姿を示し、具体的な計画として盛り込んでほしい。」という御意見をいただきました。本市の考え方といたしまして、毎年度、本市のこども食堂等のこどもの居場所について活動状況などの現状把握を行っており、令和611月時点で568箇所のこども食堂等のこどもの居場所を確認しております。こども食堂等のこどもの居場所に参加を希望しているこどもが参加できるよう、受け入れ状況など、さらなる現状把握に努めてまいります。
 また、適切な支援につなぐ仕組みであるこどもサポートネットやこどもの居場所の開設にかかる経費を補助するこどもの居場所開設支援事業等を実施するとともに、さらなる広報・周知活動の充実に向け、関係機関と連携し、「こども食堂などへの参加を希望しているこどもが、参加できている状態」を目指し、取り組んでまいります、としております。
 パブリック・コメント手続でいただいたご意見等を踏まえての計画案の修正等はございませんでしたが、只今ご説明させていただいた内容を、後日、市ホームページに掲載させていただく予定としております。長くなりましたが、説明は以上でございます。 

〇山野部会長
 ありがとうございました。ここで、定足数の報告をお願いします。 

〇大迫こどもの貧困対策推進担当課長代理
 本日は7名中4名の委員にご出席をいただいておりますので、定足数を満たしておりますことをご報告させていただきます。 

〇山野部会長
 冒頭で確認ができておりませんでしたが、本日は傍聴希望者の方はいらっしゃいますか。 

〇大迫こどもの貧困対策推進担当課長代理
 本日は、傍聴希望者の方はいらっしゃいませんでした。 

〇山野部会長
 失礼しました。ありがとうございました。今、議題1と2の説明をしてくださいました。委員の皆さん、今のご説明に対してご意見をぜひお願いしたいと思います。いかがでしょうか。私から最初に質問をさせていただいてもよろしいでしょうか。
 最後に説明してくださったパブリック・コメントとその応答についてですが、非常に良い意見がたくさん出ていると思います。ただ表面的に捉えるのではなく、深く考えられた意見をいただいており、それが市の財産になるのではないか、と感じています。
 そこで質問なのですが、このパブリック・コメントに対しては、現状のままで示される形になるのでしょうか。 

〇久保こどもの貧困対策推進担当課長
 その予定でございます。 

〇山野部会長
 そうなんですね。市民の皆さんが意見を求められた際に、素晴らしい意見をたくさん出してくださっています。これに対して、ただ意見の良し悪しを判断するのではなく、意見を述べてくださったこと自体に対する感謝の気持ちを伝えることが大切だと思います。そうすることで、意見が受け止められたという感覚が生まれ、さらに多くの方が積極的に意見を出してくれるのではないでしょうか。もちろん、苦情を言う方もいらっしゃいますが、それだけではなく、きちんと意見を受け止めていますというメッセージが伝わるように、冒頭に何か一言加えるのが良いのではないか、と感じました。ありがとうございました。他に何かご意見やご質問がある方はいらっしゃいますか。
 内容についても少しお聞きしたいことがあるのですが、例えば、こどもたちが直接アクセスできるという点についてです。これは2番目の項目ですかね。ホームページに自らアクセスして調べるには時間と気力が必要であるという意見、これは結構あちこちで聞かれています。今後の観点を加えていると書かれていますが、こどもたちが、当事者がアクセスしていくっていうところに、視点を持っていくっていう意味でしょうか。以上が2点目の質問です。 

〇久保こどもの貧困対策推進担当課長
 パブリック・コメントをいただいた方のご意見は、親が主語になります。親御さんが日々の生活に精一杯であって、ホームページにアクセスするのも時間と気力が必要だと。 

〇山野部会長
 こども自身がアクセスできるというところまで含んだ回答を、考えてあるわけではないということですか。 

〇久保こどもの貧困対策推進担当課長
 アクセシビリティの向上という観点であればその親御さん、子育て当事者もそうですし、こどもにとってもアクセスしやすいというのは大事な観点と思っておりまして、それを踏まえた形で回答しております。 

〇山野部会長
 具体的にアクセシビリティの観点を加えているところの下に長い文章がありますが、こども自身について言及しているのか、その箇所は少し読み取りにくかったです。そうしたことも考慮されているのですね。 

〇久保こどもの貧困対策推進担当課長
 一番下のところでこども・若者や子育て当事者に支援が届くようというのが、主語になっているかと思いますが、そういった観点でアクセシビリティの向上を図って参りたいなというふうに考えております。 

〇山野部会長
 わかりました。これは、今あるということではなく、これから図っていきたいということですね。あと文章、5行で1文になっていて、伝わりにくいかと思いました。ありがとうございます。細かいことでした。いかがでしょうか。加藤委員お願いします。 

〇加藤委員
 計画案についても、細かく修正されており良くなったと思いますし、パブリック・コメントに対する答えも読ませていただいて納得するものだったと思っています。ひとつ、事前にいただいていた資料の中で、教えていただきたい箇所がありました。パワーポイントの中に『養育費確保のトータルサポート事業』という部分がありますよね。そこに、強制執行着手金に対する補助を創設するという内容があります。この補助の範囲について、具体的にどのようなものか教えていただけますか。少しわからないところがありましたので、よろしくお願いします。 

〇久山こども家庭課長
 養育費確保のトータルサポート事業といいまして、これまでに無料の弁護士相談や、公正証書・調停調書の作成費用の補助、保証会社との契約費用の補助、公証役場、家庭裁判所、弁護士事務所への同行支援等の内容で実施してきました。今回、新たに養育費の強制執行に関する弁護士費用を補助する事業を開始します。この補助では、費用を上限15万円まで支援する内容になっております。ここに記載されている3,600万円は、トータルサポート事業全体の予算になります。その中で、新しく強制執行を弁護士に委任する際の着手金に対する補助を始めたいと考えています。 

〇加藤委員
 その部分が少しわかりづらかったです。これだけが単独で表に出ると、理解しにくいかもしれません。私自身の勉強不足もあるかもしれませんが、申し訳ありません。私はこの計画案やパブリック・コメントについて、このまま出していただいても問題ないと思います。ただ、今後、来年以降どのような調査が行われるのか少し不安を感じています。同じような調査を何年も繰り返すことが本当にベターなのか、対象者はどんどん変わっていきますので、できれば個別に経年で追跡調査をして、どのような働きかけがどのような変化をもたらしたのかを示すことができれば1つの成功例として説得力が増すのではないかと思います。今回はこれで良いと思いますし、これまでこうした形で行われてきたと思いますが、網羅的な調査ももちろん大事です。ただ、別の視点から焦点を当てることも一つの方法ではないかと考えました。特に、困窮度Ⅰから困窮度Ⅲのこどもたちが施策によってどのように変わったのか、学力は急に変わるものではありませんが、経年で追うことでサポートや区役所の放課後事業などに参加することで少しずつ変化していく様子がわかれば、実施する側としてもやりがいがあると思います。数値も大事ですが、それだけではなく、そういったことも考慮しても良いのではないかと思いました。 

〇山野部会長
 ありがとうございました。おっしゃる通りだと思います。今日チラシを持ってくるのを忘れたのですが、今度の8月にうちで学会をします。そこでコーホート分析に関して東京大学の先生方が発表してくださる予定です。コーホート分析の調査のように、毎年同じ人を追跡するような調査が難しいため、役所にお願いしないと実施できないのが現状です。しかし、そうした調査も一つの方法かと思います。全国的にはまだ実施されていないことが多いのが現状ですが、非常に多岐にわたる取組をされているので、そのような評価は大事だと思いました。ありがとうございます。 

〇加藤委員
 こんなにきめ細かいいろいろ施策を打っておられるのは、トータルだけで見るのはもったいないかなと思います。やはりここに視点を置くと、この結果が、多くの人が理解していくのではないかなという思いです。 

〇山野部会長
 モデル地区、モデル事業みたいな形で、焦点化するみたいなことも方法かもしれないですね、ありがとうございました。他、いかがでしょうか。 

〇北委員
 すごく綺麗に、わかりやすくまとめていただいて、感謝しております。パブリック・コメントの方で少し気になったのは、若年ひとり親支援を掲げている中で、10代や20代の若い方々がパブリック・コメントを理解しているのか疑問に感じています。そのため、アンケート調査を行う際に、パブリック・コメントについての情報を提供することも必要かもしれません。私たち委員も適切に周知する必要があるのかもしれません。ここは今後の課題として考えていくべきだと感じました。
 また、こども食堂についてですが、せっかく良い意見をいただいているのに、参加者が少ないことがもったいないと感じています。こども食堂の数が、568ヶ所と書かれていました。こども食堂についての意見は、会議のたびによく出ていると思いますが、月に1回の開催でこどもの居場所となるのかどうか考えさせられます。コロナ禍なら話は別ですが、その点についても考慮が必要です。
 また、お米の値段も高騰していることから、こども食堂は本当に必要だと思います。ですので、開催回数を月に2回に増やすなど、大阪市からも具体的な提案をしていただけると良いのではないでしょうか。例えば、大阪市が回答欄にそのようなコメントを入れられないものかと感じました。もっと多くの方がこども食堂を利用できるように、開催回数や参加人数を増やすことを考えるべきではないかと思いました。 

〇山野部会長
 ありがとうございます。大変貴重なご意見だと思います。最初にこども食堂を作り始めた頃、居場所としての機能が不十分なのではないかという意見がたくさんありました。そこで、加藤委員の意見と合わせて、こども食堂の数が増えるだけでなく、同じ地域での開催回数が増えることを評価ポイントにするなど、今後は質とともに回数やきめ細やかさにも着目すべきだと私も思います。 

〇與口委員
 まずパブリック・コメントの方ですね、2ページ目の最後のご意見にある、こども食堂の議論についてです。同友会での議論と照らし合わせてみると、こども食堂にそこまで力を入れる必要はないのではないかというのが、経済界の問題意識であると思います。ボランティアベースで皆さんが活動してくださることで十分だと考えています。月1回を2回に、2回を3回、さらには毎日開催にするとなると、どれだけコストがかかるのかという問題が出てきます。そして、本当に対象としたいこどもたちが来るのかどうかも疑問です。そのため、言葉を選ばずに言えば、非効率であると思います。いくらこども食堂を増やしても、こどもの貧困は解決しないと思います。これはあくまでも対処法であり、ベストエフォートとして今のままで良いのではないかと考えています。重要なのは、やりたい人がすぐに活動を始められる仕組みがあることだと思います。そのため、こどもの貧困対策の柱の一つとしてこども食堂を位置付けることには違和感があります。これが私の現時点での意見です。
 ここでのご指摘は非常に重要で、回答も的確だと思います。この議論をどう進めるべきかを考えなければなりません。今回の計画が固まってから次の改定まで運用しながら、調査を進めて見直していくことになると思います。今日は傍聴者が0名ですが、努力の方向性としては、傍聴者を増やすことではなく、むしろプロの皆さんがもっと外に出てプレゼンをしてほしいと考えています。課題調査や問題についての情報を共有し、解決のアイデアを持つ方々、特に若い世代とつながることが重要です。これまでの計画は作るだけではなく、それを活用していくことがソーシャルイノベーションではないでしょうか、と考えています。
 もう一つ強調したいのは、何度も申し上げているかもしれませんが、テクノロジー、特にデジタルトランスフォーメーション(DX)とAIの重要性です。これからの時代、AIをどう活用するかはあらゆる分野で考えるべき課題だと思います。現在のAIは予測に重点が置かれていますが、次の波としては因果関係の分析が重要になってくると考えています。AIを使って因果関係の分析を行うことができると分かったときに、福祉の分野でも同様に活用できるか、予測通りに使えるかを考えることが非常に重要だと思います。これは大事な取り組みの一つではないかと考えています。AIの専門家ではない現場の若手プロの方や行政の皆さんが、専門家に意見を投げかけることが非常に重要だと思います。そういった提案を待っているということを企業側として伝えるのも大事な役割だと感じました。今回の計画づくりに参加させていただいて、特にこの2点を強く思いました。以上です。 

〇山野部会長
 ありがとうございました。こども食堂に対する違和感についてのご指摘をいただきました。今日の報告でも何度かありましたが、必要なこどもに支援が届いているのかという点で、調査結果からそうではないということが明らかになりました。これからは與口委員のおっしゃったことも踏まえ、DXの活用やさらなる努力が必要です。私たちの意見を組み込んでいただいていますが、それがどのように実現されていくかが問われるというご意見でもあると感じました。
 例えば大阪府で、来年度、ピンポイントで、この必要な人に届いていないという問いに対して改善していくと、事業計画で考えておられたりするように、この計画に基づいて具体的な施策のところに、ぜひ、期待していきたいなあと思います。ありがとうございます。AIの分析ももちろん私もずっとそういう意味で使っている人間なので、そういう形で、ターゲットにしっかり届くような、それがAIを使っていくことや、いろんなところを持ってモデル的にやっていくこともそうだろうなと思いながら今のお話もお聞きしました。 それをオープンに求めていきたいと思います。  
 昨日、西本願寺でお話する機会をいただきましたが、一般の方々や勉強している方でも、貧困が何なのか、実態がどうなっているのかを理解していない人が多いことに気付きました。そこで、このような対話を市民と広く行っていくことを行政として考えていただけないかという提案でもあったかと思います。関係機関には十分に取り組んでいただいていると思いますが、より広く市民に向けた対話を期待しています。ありがとうございます。
 それでは議題の3に、「その他」とありますが、事務局から何かございますか。 

〇久保こどもの貧困対策推進担当課長
 今後のスケジュールについて、ご説明させていただきます。本日、ご確認いただきました計画案につきましては、3月26日に予定されている「こども・子育て支援会議」において諮ったうえで、内部の決裁手続きにより計画を確定させることとなります。内容が確定いたしましたら、委員の皆様にお送りさせていただきたいと考えております。説明は以上でございます。 

〇山野部会長
 ありがとうございました。この策定部会は冒頭ありましたように今回が最後になります。皆様、今までこの部会にいろいろ御意見をいただき本当にありがとうございました。せっかくですので、この1年間を振り返っていただきながら、感想や後に向けてなど、一言ずついただけたらありがたいなと思っています。欠席の委員にも、事務局が意見を聞いてくださっていますので、まず、加藤委員からお願いします。 

〇加藤委員
 こちらの部会に参加させていただき、いろいろと勉強させていただいたと思います。先ほど西本願寺へ行かれたお話がありましたけど、こどもの貧困を解消することは大事だと思いつつも、具体的に何を指すのか、また貧困とそうでない状態の線引きがどこにあるのかについては、私自身も抽象的にしか考えていませんでした。しかし、こういった課題が目の前にあることで、その重要性を強く実感しました。これらの問題に取り組む必要があると感じています。私自身、教育に長く携わってきた中で、こどもの貧困には家庭環境が非常に大きな影響を与えていると感じています。学校だけでは手が届かない部分もあるため、行政の力を借りて、こどもをトータルで支える基盤が整うことを望んでいます。特に、経済的な問題が大きなネックになっているのではないかと思います。経済格差が学力格差や情報格差につながることは忘れてはならないと思います。今後も大阪市の皆様が、真摯に取り組んでいただけることを期待していきたいと思っています。お疲れ様でした。 

〇北委員
 参加させていただき、本当にありがとうございました。ひとり親の当事者団体のボランティアで、会長をしておりますが、やはり地域の中で、本当に切羽詰まっているひとり親家庭の方に、大阪市や各区でもいろんな支援があることを周知し、私たちも、寄付のお米や食料を持ち寄りでご飯を炊くことなど、自分たちでできる範囲ですが居場所になればと支援をしているところです。今の時期、高校生のお子さんは受験がありますが、就職するお子さんもいらっしゃると思います。ひとり親家庭の支援では奨学金制度の申請のサポート時期にしているところです。そして家庭により小さなこどもがいる方もいて、そのこどもが小学校に入るまでの間も順調に育ってくれるかな、親御さんも子育て、就労などといったいろいろな心配や相談があったりします。
 また、障がいをもつこどもさんがいるひとり親家庭も多く、お子さんが障がいをもっていても入学できる支援学校、就職のための訓練校についても関わり、いろいろなところで勉強しながら相談支援をしているところでございます。貧困対策については、わからないことがたくさんありながらも、先生方の知識の深さで大事な事を教えて頂きました。教育の違いがすごく身にしみて感じているところでございます。それらを持ち帰り、うまく今後につなげて、よりよい私たちができる居場所づくりにしていけたらいいのかなって思います。大変勉強になりました。ありがとうございました。 

〇與口委員
 実は、この場に参加することに罪悪感がありました。こどもの貧困問題を作り出したのは経済界であると明確に感じているからです。コスト削減のために人件費を安くしてしまった結果、大人の貧困、特に日本のひとり親である女性は、OECD先進国の中で就業率は高いが所得が一番低いという状況です。この問題を何とかしなければならないと考えつつ、毎回大きな宿題をもらって帰る気持ちで参加していました。今後の計画についてですが、経済界でもスタートアップ企業は社会課題を起点に解決を目指しています。次の計画を検討する際には、経済界の声を聞くときに、新しい企業の経営者やスタートアップの人々の声に注目していただきたいです。新公益連盟などのスタートアップの集まりやソーシャルインパクトプレーヤーの意見を取り入れることで、企業とは異なる議論と成果が生まれるのではないかと期待しています。課題はすでに明らかになっているので、それをどうやって民間ベースにつなげるかが今後の大きな仕事だと思います。
 先日、神戸で開催された関西財界セミナーでの総括コメントで、「締め切りのある未来をきちんと作ろう」という話がありました。何をいつまでに実現するのかを明確にすることで、具体的な取組が可能になります。こどもの貧困についても、締め切りを設定することが非常に重要です。貧困の連鎖が最も大きなダメージを与えるため、現世代でその連鎖を断ち切るために何をするべきかを考えると、優先順位が明確になるのではないでしょうか。優先順位が明確になれば、投入すべき予算も見えてきますし、すべて逆算できるはずです。そうすれば具体的な成果につながると考えています。これらを考え、意見を出すことも経済界の役割の一つだと思います。これは私にとって宿題のようなもので、いつか機会があればお話しできればと思っています。以上です。どうもありがとうございました。 

〇山野部会長
 素晴らしいご意見でした。私だけかもしれませんが、これまで企業の方の話を聞く機会は本当に少なかったので、この会に與口委員が参加してくださり、積極的に力強い意見を述べてくださったことはとても良かったです。私たちの大学でも、企業と自治体、研究者が協力する取組を始めましたが、そうした連携が非常に大切だと改めて感じました。今の與口さんの意見は非常に謙虚で、素晴らしいものでした。本当に良いメンバーと一緒に会議を行うことができて、私はとても良かったとお話を聞きながら感じました。
 私から一言だけ感想を述べます。先ほども申し上げたように、今の課題は明確です。学校も自治体も地域のボランティアの方々も、みんな一生懸命取り組んでいます。しかし、それぞれの努力がなかなかつながっていないと感じています。ここに企業という、ある種の第3セクターが関わることで、福祉や教育の専門的な領域を超えていくためのもう一歩が必要なのではないかと考えています。どこに行っても課題は同じで、これをどう超えていくかを考え続けています。
 昨日の西本願寺での取組でもそうでしたが、ボランティア活動をしたい人はたくさんいますし、学校や自治体もそれぞれ困っていることがあります。しかし、これらがうまくマッチングできていないのが、全国共通の課題だと思います。文科省やこども家庭庁とも話していますが、その問題は明確です。私が、YOSSというスクーリングを開発したのも、YOSSありきではなく、そうしたつながりを作るために何かが必要だと感じたからです。ですので、これは私の個人的な思いですが、全国各地でお話しする中で、課題が共通していると感じています。大阪市さんは非常に先進的で、多くの取組を進めておられるので、逆にあとはマッチングの問題だけではないかと思うこともあります。素晴らしい取組がたくさんあるので、今回の会議でその思いをさらに強くしました。委員の皆さんに救われ、多くの良い意見をいただきました。ありがとうございました。では、欠席された委員の感想をご紹介願います。 

〇久保こどもの貧困対策推進担当課長
 本日残念ながら欠席されている委員の皆様から、書面で感想をいただいておりますので、代わりに読み上げさせていただきます。
 まず遠藤委員より、「大阪市のこどもの貧困対策に関する計画策定部会メンバーに入れていただき、ありがとうございました。現在勤めております大学の学生の中にも大阪市から通学している学生は非常に多く、しかも貧困家庭やひとり親家庭、社会的養護の学生もおり、幼少期からのつらい体験を聞くこともあります。
 大阪市のこどもやひとり親家庭が日々の生活の中でしんどいと感じている部分を、少しでも行政の支援によって楽になれたらとの思いで、会議で意見をお伝えしておりました。それが計画に反映されて形になっていくのは嬉しかったです。これらが無事に予算化され、支援が必要な人に届けられたらと思います。実はまだ支援が必要なのにそこから外れてしまっていたり、行政の情報が本当に必要な人に届いていないなど、せっかく行政の方々が努力を重ねられていてもうまく回らない部分もあるかと思いますが、そのような声に真摯に向き合いながら、サービスを提供できたらと願います。この一年間、この計画策定にあたり関係部署、担当の方々には本当にお世話になりました。いつも丁寧にご連絡いただき、感謝申し上げます。」
 続きまして藤井委員より、「大阪市はこどもの貧困対策を丁寧に検討されていると思いました。全世代型・全分野型の社会福祉・地域福祉の視点からは、まさに人生初期の段階での対応は予防的社会福祉・社会保障として最も重要ですので全庁的かつ総合的に取り組む必要性の認識を強調したいと思います。とくに、教育・福祉の連携は重要で、大阪市は良い取り組みをされていますがまだまだ、この両分野の溝が深いと感じたことも率直な感想です。それに加えて地域との連携が今後の課題です。
 また、学童期からの対策だけでなく、幼児期の保育所、幼稚園時の対策にももっと着目すべきだと思いました。
 さらにこどもの育ちからは、こどもの貧困対策ですが、この根本要因は親、とくに女性のひとり親の貧困ですので、女性の貧困対策に関する労働、企業、社会保障の対策の充実が望まれます。」
 最後に横山委員より、「この度は、出席がかなわず申し訳ございません。紙面で意見を述べさせていただければ幸いでございます。大阪市こどもの貧困対策推進計画(第2期) 案につきましては、ご担当者の皆様のご尽力により、素晴らしい計画が策定されたと感じております。これまでの会議におきましても、委員の意見を真摯に受け止めていただき、よりよい計画の作成に向けて、ご尽力を賜りましたこと、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。こどもの貧困状態は、こども時代のみならず、そのこどもが成人した後も、心身両面で大きな負荷を抱えることが、国内外の多くの研究結果からも報告されています。今回策定されたこどもの貧困対策推進計画が着実に実行されることより、大阪市の住民の皆様の健康指標が5年後、10年後に、少し時間がかかるかもしれませんが、必ずや成果がでると確信しております。
 素晴らしいこどもの貧困対策推進計画(第2期) 案を策定いただきまして、ありがとうございました。また、計画実行に向けまして、お力添えいただければ幸いでございます。これからもよろしくお願い申し上げます。」以上でございます。 

〇山野部会長
 ありがとうございました。それではこれにて本日の議事は終了いたします。皆さん本当にご協力ありがとうございました。では司会にお戻しします。 

〇大迫こどもの貧困対策推進担当課長代理
 山野部会長ありがとうございました。それでは、第5回こども・子育て支援会議こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会の閉会にあたりまして、こどもの貧困対策推進室長の高井からご挨拶申し上げます。 

〇高井こどもの貧困対策推進室長
 皆様どうもご議論ありがとうございました。それでは閉会にあたりましてご挨拶を申し上げます。委員の皆様方におかれましては大変お忙しい中、5回にわたって策定部会にご参画賜りましたこと、誠にありがとうございます。こうして第2期計画案を取りまとめることができましたのも、皆様のご尽力、そして活発なご議論の賜物であると考えております。心より感謝申し上げます。
 今後、予算市会の審議を経て、令和7年度から、この計画に基づきこどもの貧困対策に取り組んでいくことになります。先ほど與口委員の発言にもございましたが、こどもの貧困は親の貧困ということで、貧富の格差につきましては、それ自体がなかなか解消できるものではございません。拡大しているという意見もある社会の中ではございます。しかしながらそのしわ寄せがこどもに行くことがないように、我々行政が取り組むことが、この計画の骨子だと思っております。そのためには、各委員から意見があったように、届かなければ意味がないし、つながなければ意味がないので、その点を徹底できるように、我々取り組んでいこうと思っております。
 この第2期計画が実効あるものとするためには、適切な評価と、その結果を改善や新たな展開につなげることが重要だと考えております。加藤委員がおっしゃったように、うまく経年的に追えるかどうかわかりませんけれども、実現できる限り、適切な進捗管理方法についても、今後検討して参りたいと考えております。また、来年になりますけれども、この第2期計画の冊子と、概要版ができ上がりましたら、皆様方へ報告させていただきます。以上、私からの閉会の挨拶をさせていただきますが、改めまして委員の皆様方への感謝申し上げますとともに、今後とも、こどもの貧困対策へのお力添えをお願い申し上げます。どうもありがとうございました。 

〇大迫こどもの貧困対策推進担当課長代理
 それではこれをもちまして、第5回こども・子育て支援会議こどもの貧困対策に関する推進計画策定部会を閉会いたします。ご出席の皆様、誠にありがとうございました。お忘れ物がございませんようお気をつけてお帰り下さい。

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電話:06-6208-8153

ファックス:06-6202-7020

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