平成30年第6回教育委員会会議
2024年9月30日
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平成30年第6回教育委員会会議
日時
場所
議題
議案番号 | 案件名 | 議事内容 | 審議結果 |
---|---|---|---|
議案第21号 | 生野区の就学制度の方針の変更について | 平成31年度入学者より区東側地域の小学校において学校選択制を導入することについて審議した。 | 原案どおり承認 |
議案第22号 | 浪速区の就学制度の方針の変更について | 平成31年度入学者より小学校において学校選択制を導入することについて審議した。 | 原案どおり承認 |
議案第23号 | 大阪市立小学校及び中学校における就学すべき学校の指定に関する規則の一部を改正する規則案 | 平成31年度入学者より日本橋小中一貫校について全市募集を行うことについて審議した。 | 原案どおり承認 |
議案第24号 | 教員採用選考試験における加点制度について【非公開】 | ‐ | 修正のうえ承認 |
議案第25号 | 職員の人事について【非公開】 | ‐ | 原案どおり承認 |
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会議録
1 日時 平成30年3月14日 水曜日 午後3時30分~午後5時00分
2 場所 大阪市役所屋上会議室
3 出席者
山本 晋次 教育長
林 園美 教育長職務代理者
帯野久美子 委員
森末 尚孝 委員
巽 樹理 委員
平井 正朗 委員
内藤 和彦 教育次長
榊 正文 浪速区長兼区担当教育次長
山口 照美 生野区長兼区担当教育次長
大継 章嘉 教育監
金谷 一郎 顧問
多田 勝哉 総務部長
加藤 博之 指導部長
泉 三希彦 生野区役所地域活性化担当課長兼生野区教育担当課長
田中 斉 浪速区役所こども・教育担当課長兼浪速区教育担当課長
川阪 明 学事担当部長
本 教宏 学事課長
笹田 愛子 学事課長代理
井上 省三 教務部長
山野 敏和 教職員人事担当課長
野嶋 敏一 教育政策担当部長
比嘉 直子 大学連携企画担当課長
江原 勝弘 教職員服務・監察担当課長
井平 伸二 教職員服務・監察担当課長代理
中野下豪紀 総務課長代理
川本 祥生 教育政策課長
橋本 洋祐 教育政策課長代理
ほか指導主事、担当係長、担当係員
4 次第
(1)山本教育長より開会を宣告
(2)山本教育長より会議録署名者に帯野委員を指名
(3)議題
議案第21号 生野区の就学制度の方針の変更について
議案第22号 浪速区の就学制度の方針の変更について
議案第23号 大阪市立小学校及び中学校における就学すべき学校の指定に関する規則の一部を改正する規則案
議案第24号 教員採用試験における加点制度について
議案第25号 職員の人事について
なお、議案第24号については、会議規則第6条第1項第5号に該当することにより、議案第25号については会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく非公開として審議することを決定した。
(4)議事要旨
議案第21号「生野区の就学制度の方針の変更について」を上程。
山口生野区担当教育次長からの説明要旨は次のとおりである。
生野区では、就学制度の改善として、平成27年4月より区東側エリアの中学校での学校選択制や、区内全区域での小中学校における区指定校変更基準の制度を導入している。今回、区西側エリアの各学校再編の進捗状況や、現行の区指定校変更の制度の利用状況を考慮した上で、区東側エリアの教育環境の改善として、平成31年4月より、区東側エリアの小学校において、特定地域選択制による学校選択制を導入する。
また、選択における優先事項として、受け入れ可能人数を超えた希望があり抽選となった場合、まず「きょうだい関係」「自宅からの距離」の両方の条件を満たすものの就学を優先し、次に「きょうだい関係」「自宅からの距離」のいずれかの条件を満たすものの就学を優先することとする。なお、現行の小学校における指定校変更基準については、今回の区東側エリアの小学校での学校選択制の導入に伴い、区東側エリアに居住する方が、区東側エリアの小学校を希望する場合は適用の対象外とする。
改正理由について、生野区では、平成26年3月に生野区小・中学校教育環境再編方針「学校配置の見直しについて」を定め、その中で、区西側エリアについては、全小学校が小規模校となっており、喫緊に取り組みが必要として学校再編に取り組むこととした。学校選択制は、特色ある学校づくりを進め、その特色によって学校を選ぶとしていることから、区西側エリアに本制度を導入することは、学校再編により学校の特色が変わってしまう状況の中では時期尚早として、まずは学校再編を優先して進めることとし、区東側エリアの中学校にのみ、学校選択制を導入することとした。
なお、区東側エリアの小学校についても、教育環境の改善を必要として、平成31年度を1つの目安として、学校再編の取り組みの進捗状況に応じて、学校選択制を拡充していくこととしていた。制度を導入して3年が経過し、学校再編の進捗状況や、区指定校変更の制度の利用状況を考慮した上で、当初予定していた学校選択制の拡充として、区東側エリアの小学校において、特定地域選択制を導入することとする。
今回、特定地域選択制を導入する理由として、区東側エリアでは、同じ中学校区の小学校同士で隣接していない校区がある点、また、「教育活動など学校の特色で入学する学校を希望できる機会を提供し、学校環境を活性化し教育力の向上を図る」という学校選択制の果たすべき目的の観点から、特定地域選択制を導入することとする。
今回導入する小学校の学校選択制については、中川小学校は対象外とする。平成26年3月に取りまとめた生野区小・中学校教育環境再編方針「学校配置の見直しについて」の時点では、中川小学校は、区東側エリアとして方針の整理を図ってきたが、中川小学校においても、今後、小規模化が進行されることが見込まれることから、中学校区全体で考えていく必要が出てきたため、平成27年7月にとりまとめた「生野区西部地域教育特区構想」においては、中学校区単位とした学校再編を推進することとし、中川小学校も再編の対象としてきた。このことにより、中川小学校は、学校選択制の本来の目的に沿わなくなるおそれがあることから、今回、学校選択制の対象としないこととする。
改正に関する経過として、生野区の就学制度の改善にあたって、小学校校長会や、分権型教育行政の仕組みの1つとして、保護者や地域住民が参加する会議としても開催している区政会議こどもの未来部会、学校選択制を導入する区内小学校の学校協議会、さらには保護者等への説明会においても、学校選択制の導入に当たっての説明や意見聴取を行ってきた。主な意見として、こどもの未来部会では、学校選択制の導入により、子どもにとって近い学校に行くことができ、また、子どもの可能性を伸ばすのに選択の機会があるのはいいことであるといった肯定的な意見がある一方で、学校選択制を入れないほうが、地域に対する愛着も出てくるのではないかといった意見もあった。また、制度が導入されても、子どもたちが安心して楽しく学校に通えるようにしてほしいといった意見もいただいた。こういったこどもの未来部会での意見を踏まえた上で、地域住民の方へもご説明し、一定のご理解をいただいてきたところである。
質疑の概要は次のとおりである。
【林委員】 生野区については、以前、大阪市全体でこの学校選択制を始めたときに、なかなか状況がそろわないということで、行われていなかったわけですが、今回、東側エリアについてのみ小学校で選択制をするということで、東側エリアと西側エリアの状況の違いを、少し簡単にご説明いただきたいと思います。
【泉生野区教育担当課長】 生野区内は、西側エリア、東側エリアという定義で分けています。西側エリアは、中川小学校含めて12の小学校があります。この12の小学校のうち11校が、いわゆる学校適正配置の対象、11学級未満の学校になっています。非常に児童の数が減っているといった状況で、この12ある小学校を4つの小学校にまで再編できないかということで、小学校の学校再編を進めている状況です。
一方、東側エリアについても、もちろん小規模校、適正配置の対象校はありますが、比較的に、各学年複数学級以上の小学校となっておりますことから、いわゆる教育環境上大きな支障は出ていないといった状況になっています。
いずれにしましても、子どもたちの数は、人口減社会の中で減っていくという傾向がありますが、やはりそういった中で、東側エリアも教育環境の改善をすることで、教育力を上げていく、子ども・子育て世帯を呼び込んでいくことも大事です。
西側エリアにつきましては、学校再編そのものを行って、教育環境そのものを変えていく取組を、進めているところです。
【林委員】 わかりました。各区によって子どもの増えていく状況が随分と違うと聞いていますが、東側エリアにおいても、子どもの数は減りそうとの推測を立てているのですか。
【山口生野区担当教育次長】 小学校区によりますが、横ばいか、今後の状況を見てみないとわかりませんが、土地が空かないので、大きなマンションが建ったりして急増ということはありません。
【林委員】 わかりました。教育環境を上げていく1つの方法として、学校選択制を導入することは、一定もう実施もされていて、ほかの区で認められているところだと思うので、特に異論はありませんし、区でも中学校では先行してされているということで、丁寧に準備はしていただいていると思いますが、幼稚園へは、保育所の保護者、実際に選択をされる方たちへの周知と説明を、きちんとしていただきたいと思います。
【山本教育長】 端的に、東側エリアが平成31年度までかかった理由は何ですか。
【泉生野区教育担当課長】 平成31年度までかかった理由を申しますと、これまで西側エリアの学校再編に重点的に取り組むことを先行で進めてきました。平成31年4月にこの制度を導入しようとすれば、平成29年度中に選択制をご提案していくことになりますが、西部地域の学校の再編について、平成28年2月に計画を立ち上げましたので、そこから計画の推進状況を見て開始の方向とし、提案してきたという状況です。
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
議案第22号「浪速区の就学制度の方針の変更について」を上程。
榊浪速区担当教育次長からの説明要旨は次のとおりである。
浪速区では、平成30年の4月の就学者から、中学校で自由選択制による学校選択制を導入することを決定しているが、これに加え、平成31年度4月から、小学校で選択制を導入したいと考えている。これに合わせて、日本橋小中一貫校の全市募集も開始する。
選択制の導入に当たっては、児童生徒や保護者がより選択制を利用しやすい環境づくりに役立てるため、優先事項として、小学校で「きょうだい関係」を、中学校で「きょうだい関係」「進学中学校」を設定する。さらに、区が設定可能な指定校変更の要件として「きょうだい関係」を新たに設定することで、学校選択制により通学区域外の学校を就学校として選択した弟または妹がいる場合に、年上のきょうだいが当該校を希望できるようにして、さらなる利用者の利便性の向上を図り、制度の活性化につなげたい。
変更時期は平成31年4月とする。変更理由としては、浪速区内の学校適正配置の取組を進めたこと、また、都心回帰による人口の増加傾向により、学校選択制の制度目的が果たせる環境が整ったことから、中学校に加えて、小学校においても学校選択制を導入する。
自由選択制とする理由として、安全面について、区域が狭いために通学距離が極端に遠くなる心配がないこと、また、制度の活性化の観点から、選択できる学校の選択肢を確保すること、さらに、日本橋小中一貫校が全市募集を始めることなどを勘案して、自由選択制とした。児童の安全確保に留意しつつ、また、学校の活性化と保護者や子どもの権利拡大に資するという制度の導入目的を達成するようにしていきたい。
浪速区においては幸町というところに在住する児童については、現在、西区の日吉小学校を通学区域校に指定している。区内にお住まいの方に平等に機会を提供するために、幸町に住まわれている児童も、浪速区内の小学校を希望できるようにする。選択制をすでに導入している中学校については既に同様の対応をしている。希望申請できる数については、第1希望のみとしてまいりたい。
変更に関する経過等について、教育行政連絡会をはじめ、校長会や学校協議会の場、また、区PTA協議会の皆さんと意見交換を重ねてきた。特に対象となる保護者、区民の皆様方向けの説明会については、区役所や区内全市立小学校のほか、私立を含む幼稚園、保育所園などにおいて、2カ月間にわたって18会場で計19回実施し、のべ145名の方に参加をいただいた。
主な意見として、1つ目は、学校を選択するために学校の見学や説明の機会を増やすなど、学校の情報をもっと提供してほしいということ、2つ目に、制度の導入により、学力の向上や特色ある学校づくりが進むことを期待するということ、3つ目に、希望する学校に偏りが生じ、児童数が大きく増減することで、授業など学校活動等に影響が出ないか心配であるということ、最後に、登下校のときの子どもの安全確保が不安ということがあった。
こうした声を受け、選択制の導入にあたっては、導入後も引き続き保護者、区民の皆様の不安を払拭して、学校選択制の制度目的を十分に果たしていける環境づくりに努めてまいりたい。
質疑の概要は次のとおりである。
【林委員】 日本橋小中一貫校が開校したのは去年ですか。
【榊浪速区担当教育次長】 はい。平成29年の4月です。
【林委員】 このときに全市募集をもう開始していたと思っていましたが、していなかったのは何か理由があったのですか。
【榊浪速区担当教育次長】 日本橋小中一貫校の開校を決定した際には、区内の学校適正配置について引き続き方策を検討していく必要のある状況であり、全市募集の開始について最適な時期を見極めることとしていました。しかし、今般の児童数の増加傾向を受け、学校の適正配置について喫緊の課題ではなくなったとの認識に至ったため、全市募集についても開始することとしました。
【林委員】 学校選択制の導入を浪速区でしていなかった理由は、学校適正配置の問題があったからと私は理解しました。今回、小学校で学校選択制を導入することにあわせて、日本橋小中一貫校の全市募集をすることによって区外からも児童生徒が入ってくるという可能性があると思いますが、それを考えても、そうしたほうがいいというご判断ですか。
【榊浪速区担当教育次長】 はい。学校適正配置が喫緊の課題ではなくなった現状においては、本来の小中一貫校設置の原則に立ち戻って、一貫校の全市募集を開始するという結論に至りました。
【林委員】 わかりました。都心にある地域ということで、いろいろ心配な部分もあると思いますが、通学に関しての話し合いなどは、地域の方と十分にされているのですか。
【榊浪速区担当教育次長】 必要だと考えることは2点ありまして、1点目は、説明会でも、保護者の方から通学についての不安の声がありましたので、そこはやはり、情報提供をしていかなければならないと思っています。例えば、学校案内に記載する項目に、各学校の地域の方々の見守り活動がどのように行われているかや、全校で集団登校が行われているといったことに関する情報をきちんと提供することによって、通学に関する不安感を軽減し、より選択しやすい環境をつくっていくということが1つと、その前の段階として、各見守り活動とか集団登校のグループまでどうやって接続するのかということを、地域の方と打ち合わせをしていくことが必要であると思っています。
2点目は、今、浪速区においては、ICT戦略室と浪速区の協働で、ICチップを搭載した見守りタグを希望する児童が持ち、区内を中心に常に位置情報を収集して、保護者が把握できるという実証実験に取り組んでいます。区内の小学校全児童1,200名のうち300名の児童が参加していまして、この平成30年4月以降も、区で予算を確保して継続していきたいと思っています。これは、保護者に一定の費用負担が必要な有料のサービスですので、全員とはいかない部分もありますが、そのような形のものも区の事業として推進していくことによって、地域の方々からも協力いただいて、保護者の方々の不安の払拭を図ってまいりたいと思っています。
【林委員】 今のお話聞いて少し安心をしました。いろいろ課題もあると思いますので、それに対して、きめ細かなフォローを区のほうでしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
議案第23号「大阪市立小学校及び中学校における就学すべき学校の指定に関する規則の一部を改正する規則案」を上程。
川阪学事担当部長からの説明要旨は次のとおりである。
浪速区の小学校において学校選択制を導入することに合わせ、平成31年4月より、日本橋小中一貫校において児童生徒を全市募集するため、所要の規則改正を行う。改正の内容について、施設一体型小中一貫校を学校選択できる者について、市内に住所を有する就学予定者と規定しているところ、今回の改正により、小中一貫校を規定している第2条第7号に、大阪市立浪速小学校及び大阪市立日本橋中学校を追加するものである。
施行期日については、平成30年度に募集手続を開始し、平成31年4月1日としている。
質疑の概要は次のとおりである。
【林委員】 来年度4月1日から全市募集になるということですが、本市の施設一体型小中一貫校はこれで何校目になりますか。
【川阪学事担当部長】 これが4校目で、南港の咲洲小中一貫校が5校目になります。
【林委員】 施設型の小中一貫校5校目で、最初にできた学校からすると、もう5年ぐらいになると思います。それぞれの学校で特色のある教育が行われていると思いますが、それぞれの学校が、今どういう状況にあって、どのような生徒が集まってきているのか、振り返って見ておくのもいいのかと思います。教育内容に関しても、条件も違う形の学校ができようとしていますし、この5校に対して我々ができることがあるのであれば、少し変えていくということも考えていく必要があると思いますので、これを機会に、状況の把握をさせていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
【川阪学事担当部長】 はい。わかりました。
【森末委員】 全市募集ということですが、仮に定員を上回る募集者が来た場合、優先順位は、決まっているのですか。
【本学事課長】 抽選になります。
【森末委員】 完全に抽選ですか。
【本学事課長】 その校区に住んでいる子は、抽選なしで優先します。
【森末委員】 わかりました。ただ、その余った枠については、全市的に抽選ということですね。
【本学事課長】 はい。
【森末委員】 わかりました。
【山本教育長】 林委員からもそういうご指摘もございましたので、一度現場のほうへも出向いていただいて、現場の実際の教育内容もごらんいただいて、また意見交換なりしていただきたいと思います。
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
議案第24号「教員採用選考試験における加点制度について」を上程。
井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。
ボランティア活動に関する加点制度の導入について、再来年度に実施する平成32年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テストにおいて、ボランティア活動に関する加点制度を新たに導入することにより、こども食堂や居場所における学習支援等のボランティアの参加を促進するとともに、ボランティアとして実践的な経験を積んだ学生たちを、教員として積極的に採用することを図りたいと考えている。
加点の対象は、全ての職種、校種、教科等の、受験者とする。加点の要件について、大阪市内で実施された加点対象事業に参加し、幼児、児童生徒の学習支援を含む活動に従事した活動実績が、応募する前々年度または前年度のいずれか1年間において30回以上、もしくは応募する前々年度から前年度の2年間において50回以上あることを実施団体から証明されていることとする。この回数は、先行事例を参考に、おおむね1週間に1回程度で、半年を超える期間に参加している水準ということになる。ただし、初年度の平成32年度テストにおいては、平成30年度に30回以上あることのみを要件とする。
加点対象事業について、大阪市が運営する市民活動総合ポータルサイトに登録する団体が実施する事業であること、市民活動総合ポータルサイトでボランティアを募集しており、活動内容に幼児、児童生徒の学習支援が含まれ、大阪市内において、通年で恒常的に実施される事業であること、ボランティアが原則無償で参加する事業であること、実施団体が活動への参加者からの依頼に対して、教育委員会所定の様式において活動実績の証明ができる事業であること、以上の要件を全て満たす事業で、大阪市が認める者とする。
加点内容としては、第1次試験において、面接テスト受験者の総合得点に20点の加点としている。これは、ボランティア経験が教職に就く者としての基礎的な資質にかかわるものであることから、主として、その観点で選考を行う第1次選考において加点することとしている。また、点数につきましては、免許や資格を有する者に対する加点制度との均衡や、先行事例を考慮して設定している。
今後、3月22日の市長定例記者会見にて、市長自らPRするとともに、局ホームページの教員採用のページに、制度の概要や加点対象事業の一覧を掲載する。4月以降は、市民活動総合ポータルサイトと連携し、ボランティアの希望者に加点対象事業の内容を広く発信したい。各大学での採用説明会で加点制度を紹介することにより、本市の教員を目指そうとする学生たちに対して、広く周知をしてまいる。
質疑の概要は次のとおりである。
【巽委員】 いくつか質問したいと思います。まず加点の要件について、1回につき何分以上とか何時間以上というのは具体的には決まっているのでしょうか。具体的に決まっていたほうがいいのではないかと思ったのが1つです。また、市民活動総合ポータルサイト、一体どれくらいの登録数があるのか教えてほしいと思います。また、加点内容について、総合得点に20点の加点ということですが、ボランティアであっても、例えば態度が余りにもよくないとか、子どもの、児童生徒への対応が余りにもよくないという方に対してまで、一律に20点の得点を加点するというのは、少し考えたほうがいいのではないかと思いました。また、今後の日程について、ホームページへの掲載ということで周知されるということですが、せっかくの新しい制度ですので、対象となる大学なり高校なりに積極的にこういう情報を働きかける必要があると思いました。
【山野教職員人事担当課長】 1つ目のご質問につきまして、1回当あたり何分、何時間かということは、特に定めを設けていません。他の先行事例等を見ましても、回数までは決めていますが、時間までは決めていません。もちろん、何分が適正なのかという問題は確かにあるかと思います。さまざまな活動がございますし、その中でも、特に学習支援をどれだけの割合でやっているのかという問題があります。
例えば、1つの活動の中で連続して取り組んでいる中で、学習支援を何分やったのかということを、それぞれの団体が測定することもなかなか難しいと思いますので、学習支援が含まれている活動に何回参加したのかということを、その団体に証明いただくことになろうかと思います。余りそこを厳しくし過ぎますと、参加いただく団体というのが当然絞られてくるということにもなる可能性があります。もちろん、それをきちんと定めていくということであれば、例えば何時間何分の活動か、活動全体を指すのか、それとも学習支援だけを取り出して対象とするのかというところも、議論になるのではと思います。
【比嘉大学連携企画担当課長】 ポータルサイトの登録数がどれぐらいかは、また調べてお答えしますが、昨年の秋に、大学生ボランティア募集というカテゴリーを改修してつくり、大学生ボランティア募集で検索すると、一覧が出てくるような仕組みになっています。今は10団体ぐらいの登録があります。まだ少ないと思いますので、この制度を導入することをきっかけに、この大学生ボランティア募集の団体数、登録数が非常にふえるようなことにつながれば、ポータルサイトも充実しますし、お互いによくなると考えています。登録した団体数については、また後日報告します。
【巽委員】 これは、いきいき活動などは含まれるのですか。
【比嘉大学連携企画担当課長】 いきいき活動は、ポータルサイトに登録してもらうことで調整をしていますので、対象として含まれる予定です。また、教育委員会事務局で、さまざまなボランティアの募集をしていますが、それも登録の予定になっています。
対応がよくない場合の加点についてですが、結局それも、やはり実施団体が見る形になってこようかと思いますが、それにより認定するしないといったことについては、少し主観的なところが入ってきますので、客観的な基準として、単に回数や形で考えているところです。
【巽委員】 これは、総合得点何点のうちの20点ですか。
【山野教職員人事担当課長】 900点満点のうちの20点です。ほかの加点制度、1次試験の加点制度もありますが、例えば、英語の資格とか免許持っている場合は最大90点で、最低でも20点という形になっています。第2次選考の専門性のほうには加点しないことで考えています。
周知につきましては、大学等につきましては、4月に入りましたら、我々大学を訪問しまして、直接学生に向けて説明会を開くことになっています。そこで、それぞれの学生に、大阪市がアピールをさせていただきますが、その際には、こちらのほうもアピールしたいと考えています。
【巽委員】 直接学生に対して説明するのですか。
【比嘉大学連携企画担当課長】 はい。学生を大学側に集めて、そこへ担当者が説明する機会を設けています。
【帯野委員】 一口にこれがいいとか悪いとかというのは難しいですが、例えば900点のうち20点というのは、微々たるものだからこれでよいとするのかどうか。目的は、優秀な教員を採用するということですね。
【山野教職員人事担当課長】 目的として1つは、大阪市内で行われているボランティア活動に、もっと学生に参加していただこうという貧困対策の要素があります。あと一つは、そういう活動で、子どもの実態をわかっている経験を持っている方を採用していこうということがあります。
【帯野委員】 そういうボランティアに参加してもらう学生を増やそうというのは、採用の加点とは違う話になると思います。900点のうち20点ぐらいと聞いたので、それならいいとも思いますが、30分、5分だけ来て、子どもと少し一緒に遊んだということと、きちんと学習支援をして、子どもとコミュニケーションをとって、そういう体験をすることを、どう見ていくのかという問題があると思います。
ただこの話は、もともと、こどもの貧困対策推進本部会議のときに、大阪教育大学の学長が学生をボランティアに出すので、採用試験のときに優遇する制度をつくってほしいというところから始まったものと理解しています。
【山本教育長】 市長も賛同されていますが、自分のところの学生に実践力を植えつけたいという発想で、一定ボランティア経験を積ましてもらえるような機会を創出してもらえたらうれしいという大阪教育大学の学長のご意見は、そのとおりだと思います。
恐らく大阪教育大学のほうでも単位化もされていくというようなことで、そのあたりはきちんと協定を大阪教育大学と結んでやっていきますし、また大阪教育大学以外とも連携協定を結んでいって、どんどんほかの大学の学生さんも、できればインターンシップなどに配慮してもらえるようにしていきたいと思います。時間については、確かにご指摘のとおりと思いますので、一応活動といえる最低の時間数を定めるというのがおかしくないのであれば、それでいいかと思います。
【井上教務部長】 現実には学びサポーターである理科補助員などの制度が、もう既にありますが、1時間以下というのはありませんので、全て1時間以上になるとは思います。
【山本教育長】 普通の市民の目から見ると、そういう制度受けるのに、5分、10分でいいのかというと、経験則より、例えば1時間以上と制限を置くのもいいと思います。
【帯野委員】 市長の思いも、大学側としての思いもよくわかりますが、これは管理者がいないということですね。5分がいいのか、1時間がいいのかというところは、送り出し側の管理者がいれば、余り深く考えなくていいと思います。きちんと学習支援をしている、ボランティアの学生の学習活動になっているのかというのも、受け入れ側と送り出し側の評価がきちんとできる制度であればいいのですが、どこにもその主体がないのですね。だから、なかなかいいとも悪いとも言えない。900点のうち20点であればやってもいいのかとも思います。
【山本教育長】 基本的には、継続的事業に限っていますので、事業主とはコンタクトをとって、子どもに対して乱暴振るったとかがあるときには、きちんと報告をさせるような形で、事業者にこの事業の内容として押さえていくというのも必要かもしれません。
【平井委員】 加点制度自体は問題ないし、すればいいと思います。ただ、事業主からは、一言でも構わないので、真面目に取り組んだ、誠実に取り組んだというものを、形式上残すべきであると思います。評価というのは、基本的にエビデンスを持ったものを全部評価しますので、やはり事業主が責任者であれば、せめて1行、2行でも文章を書かせて提出させるべきであると思います。
【山野教職員人事担当課長】 回数や、いつ来たかということを事業者に証明させようと思っていましたが、それに加えて、参加態度がどうであったかというコメントを書かせることなど考えられると思います。
【平井委員】 いずれにせよ、制度をスタートさせて何年かたったときに形骸化しないように、1年2年たったら議論するべきであって、今回は始まりの部分ですから、この形ですればいいと思います。ただ、これが2年、3年と続いていった場合にこのままいくというのは、普通はあり得ないと思いますし、そこはまた引き継ぎで、次の担当の方にきっちり文言で残されて、議論するようにしていただきたいと思います。
つくったけれども、それがきちんと引き継がれないから、形骸化してずっと伝わっていくということがよくあります。だからとにかく引き継ぎ事項として残した上で、1年後、2年後にさらに検討できるような体制にしておいてください。それが、子どもや学生にとってのプラスになるわけですから。単にその場限りでやっていますという発想は間違っていて、やはり、基本的にボランティアした子にとってプラスになっていて、かつ教育的なものもあることが必要です。それをないがしろにするような制度はだめだと思います。やる以上はきちんと、引き継ぎ事項をやっていただきたいと思います。
【山野教職員人事担当課長】 はい、わかりました。
【林委員】 このボランティア活動に参加する大学生というのは、大阪教育大学など決まった方ではなくて、広く一般に募集されるのですね。
【山野教職員人事担当課長】 そうです。
【林委員】 ということは、どんな学生が来るか分からないということですね。教員を志す、子どもが好きな学生ということで信じたいところはありますが、制度をつくっていくときには、余り性善説になって制度をつくらないほうがいいと思いますので、態度や時間についての最低ラインは、ある程度こちらから団体やボランティアさんに提示して、それを超える方を対象にするべきではないかと思います。加点も20点といっても、いいかげんなことをしても20点加点もらえるという制度にしてはいけないと思うので、きちんと制度づくりをしていただきたいと思います。
【帯野委員】 周知をするときに、事業所の評価が悪かった場合等には加点されないこともありますということを、一言入れておいたほうがよいのではないでしょうか。その一言を入れるだけで、参加する学生にも一定の緊張感が得られると思います。
【山本教育長】 わかりました。加点制度そのものについては一定ご了承いただいたと思いますが、今いただいたお話を踏まえて、もう一度、詳細な制度設計をさせていただきたいと思います。
【森末委員】 私も同じで、いい加減に回数だけこなしましたで20点加点というのはやはりよくないと思いますが、そこの実質をどう担保するのかというとこは、実はかなり難しいのではないかと思います。
1回実施するけど、1年で検証して、本当に実績を見て修正をするという、試行に近い形で実施するしかないのではないでしょうか。それを教員試験でやっていいのかという問題はありますが、実施するのであればそれしかないと思います。
【山本教育長】 今出てきたご意見も、ごもっともなところがありますので、まず試行的に実施して、事業者側からの個々の学生の見方を実際に確立して、確立できれば、平成31年度以降も本格実施という形でいかがでしょうか。
【森末委員】 ボランティアですから、事業者も評価することが難しいことはよく分かります。しかし、加点する以上は何らかの担保がないといけないのも間違いないので、そこの妥協点が見つけられないかということですね。実施するとしたら、試行的にやって、今言った妥協点見つけるような検証を行って、それが本当にできなくて弊害が生じるならやめるとか、そういったことしかないだろうと思います。
【井上教務部長】 規定の回数をクリアすると同時に、推薦に見合う人材であるかどうかを、事業者からの報告に入れておく方法もあると思います。
【平井委員】 こういった前向きな取り組みをするわけですから、あまりネガティブな表現を書くのはよくないと思います。さきほども言いましたように、やはりトライアルな時期は必要だと思います。そこから検証をしてもらわないといけません。まず試行として、1年間で検証して、次年度に形にする必要があると思います。
【山野教職員人事担当課長】 区役所がNPO団体については認証するという仕組みを入れていますので、ポータルサイトに登録されるときに、まず市民局の審査があって、NPOや地域の団体に関しては、区役所が必ず書類をチェックするという段階も含まれていますので、そこで二重のチェックはかかる形になっています。
ただ、ご意見をいただきましたように、ボランティア個人の態度がどうかということについては、確かに測るものがなかったと思いますので、そこは講評欄を設けることと、ほかにもう少し何かできないかということを踏まえて、考えたいと思います。
また、試行ということでしたら、単年度で見る必要がありますので、活動実績について、前々年度または前年度としていますが、あくまでも前年度において30回とさせていただきたいと思います。
【帯野委員】 並行して、やはり大学協定を早く進める必要があると思います。ボランティアに行くことが最終目的ではなくて、ボランティアで成果を上げるために、大学でどう教育するかというところが問題なので、なかなか大学がボランティアに対して単位認定をすることは簡単にはできませんが、やはりそこを押し進めるために、できるだけ多くの大学ときちんと協定を結んで、本来求める学生にボランティア活動をしてもらえば、少し目的には近づくと思いますので、よろしくお願いします。
【山本教育長】 それでは、この1年間の措置としてまず導入させていただいて、そこで十分検証していくという形でよろしいでしょうか。
採決の結果、委員全員異議なく、修正のうえ可決。
議案第25号「職員の人事について」を上程。井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。
本件は、保護者との不貞行為による懲戒処分に関する案件である。被処分者は、中学校教諭、60歳である。処分内容は、地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号による懲戒処分として戒告といたしたい。
本件の概要について、当該教諭は、当時勤めていた中学校に在席する生徒の保護者と、関係保護者の夫に発覚するまでの間に、継続的に不貞関係に及んでいた。
関係保護者の夫は、妻と当該教諭の関係を知り、当該教諭を被告として損害賠償請求の訴えを起こし、大阪地方裁判所は当該教諭に対して慰謝料250万円、弁護士費用25万円及び遅延損害金、訴訟費用の一部を関係保護者の夫に支払うように言い渡し、当該教諭はその支払いを既に果たしている。
当該教諭の処分量定について、本事案は、大阪市職員基本条例第28条の別表36項に規定する「教職員が児童等又は保護者に対して性的言動を行うこと」に該当し、懲戒処分の種類といたしましては、「停職、減給又は戒告」とされている。
本事案は、関係保護者からの好意を寄せるメールをきっかけに関係が始まっており、当該教諭は、関係保護者の夫に対して賠償の責任を果たしたことにより、当事者間においては一定の解決が図られている。当該教諭の過去に処分歴がないことや、勤務態度も良好であったことを総合的に勘案し、処分量定は戒告が相当と考えている。
質疑の概要は次のとおりである。
【山本教育長】 人事監察委員会の意見がここに書いてありますね。
【井上教務部長】 はい。人事監察委員会では戒告処分は相当であるとの意見をいただいています。
【林委員】 今回、経緯の発覚が市民の声からということですが、裁判所の判決が出ており、教員がそのような状況になっているということは、教育委員会として把握はされていないのですか。逮捕などされる場合は、警察から連絡は来るのですか。
【井上教務部長】 逮捕されれば警察からの身分照会などでわかりますが、こういった民事の場合には、本人の申告がない限りわかりません。
【林委員】 学校長は知っていたのであれば、教育委員会への報告は欲しかったと思います。
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
(5)山本教育長より閉会を宣告
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