【第127号】“きょうだい児”って? みんなの図書室 ほんむすび シブリングサポーター 出合 七施
2025年2月7日
ページ番号:643021

きょうだい児とは?

「きょうだい児」という言葉を聞いたことはありますか?
きょうだい児とは、障がいや病気を持つ兄弟姉妹を持つ子どもたちのことを指します。
障がいや病気を持つ子どもたちには特別な支援が必要なことが多く、どうしても保護者の時間やエネルギーがそちらに集中しがち。

きょうだい児たちは、保護者や周囲の目の届きにくいところで悩みや負担を抱えているといわれています。そんなきょうだい児たちがどんな思いを抱えているのか、そして私たちに何ができるのか、一緒に考えてみませんか?

きょうだい児の気持ちって?

きょうだい児は、家族の中で特別な立場に置かれることが多く、その分いろんな思いを抱えています。
たとえば、「自分ばかり我慢しているな」と感じたり、「お父さんもお母さんも、いつも妹ばかり見ているな」と寂しく思ったりすることも。
でも、そんな気持ちを保護者に伝えるのをためらって、一人で抱え込んでしまう子どもも少なくありません。

また、兄弟姉妹を助けたいという気持ちから、必要以上に頑張りすぎてしまう子もいます。
「自分がしっかりしなきゃ」と無理をして、知らず知らずのうちに心や体に負担をかけてしまうケースもあります。

さらに、学校や友達の間では「うちは特別な家族なんだ」と感じてしまい、なかなか話せず孤立感を深めてしまうこともあります。
年齢に応じた情報が届かないことで、不安を感じることも多いです。
進路や結婚といった人生の大きな節目でも、きょうだい児ならではの悩みを抱えることがあります。
みんなが同じすべての気持ちを持つわけではなく、これ以外にもたくさんの気持ちを抱えて生活しています。

保護者にできること

では、保護者としてきょうだい児をどう支えていけばいいのでしょうか。
いくつかのポイントをご紹介します。

1. 話を聞く時間を作る

忙しい毎日の中で、きょうだい児とゆっくり向き合う時間を作るのは難しいかもしれません。でも、「あなたの気持ちをちゃんと聞きたいよ」という姿勢を見せるだけでも、子どもたちは安心します。短時間でも保護者とその子だけの秘密の時間を作り、一緒に好きなことを楽しむのも良いですね。また、きょうだい児が主役になれるイベントに参加することも、自尊心を高めるきっかけになります。

2. その子自身を大切にする
「あなたはお手伝いばかりでなく、自分の好きなこともしていいんだよ」と伝えることも大切です。その子の夢ややりたいことを応援することで、「自分も家族の大事な一員なんだ」と実感できるようになります。

3. 助け合う

家族全体で「一人に負担が集中しないようにしよう」と話し合うことも大事です。家族みんなが協力して支え合える環境を作れば、きょうだい児の負担も軽くなるはず。支え合う経験は、きょうだい児にとってもプラスになります。
最近はきょうだい児を支援する団体や理解の助けになるような絵本も増えてきました。ぜひ頼ってみてください。
きょうだい児向けの活動やイベントに参加することで、子どもたちは自分の気持ちを共有して、少し楽になれることがあります。

周りの人ができること
支えるのは、保護者だけの役割じゃありません。学校の先生や地域の方、医療・福祉に携わる人たちが「きょうだい児がこんなことで困っているかもしれないな」と気づいて、ちょっと声をかけるだけでも、子どもたちは安心感を得られます。

特に大事なのは、「隣に座って同じ景色を見てあげる」こと。
無理に励ましたり、「こうすればいいよ」とアドバイスをしたりするのではなく、「分かるよ、その気持ち」と寄り添う姿勢が、子どもたちにとって大きな支えになります。
また、学校や保育の場で、きょうだい児が楽しんでいることや得意なことを保護者に伝えることも良い方法です。家庭との橋渡しをすることで、きょうだい児の孤立感を軽減できるはずです。

頑張り屋さんの心を支えるために

きょうだい児には、「自分が頑張らなきゃ」と思いやすい子どもが多いです。その頑張りの心が折れてしまわないように、周りの大人たちが気にかけることが大事です。
「ありがとう」「ちゃんと見ているよ」と声をかけ、楽しい時間を一緒に過ごすだけでも、子どもたちの心は軽くなります。
こうしたちょっとした支えが、きょうだい児の心を守ることにつながります。

最後に

きょうだい児であることは、決して悪いことばかりではありません。
家族の状況を理解し、自然と思いやりや忍耐力、精神的な成熟を身につけることができます。命や健康の大切さを学び、進路や職業選択にも良い影響を与えることがあります。
そして、家族を支える大事な存在であると同時に、自分自身の人生を歩んでいく存在でもあります。
だからこそ「あなたも家族にとって本当に大事な存在だよ」と伝えていくことはとても大切です。一人ひとりが安心して自分のペースで成長できるように、きょうだい児への理解が広がることを願っています。
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