【第131号】「子どもの読書感想文への親のサポート~作文が苦手な子でも書く力UP!~」NPO法人マナビエル 代表理事 志田千帆
2025年4月25日
ページ番号:659508

大人のかかわり方で変わる、子どもの表現力

「早く書きなさいってば!」
「何か感じたこと、ないの!?」
つい、こんな言葉が出てしまう――
そんな経験はありませんか?
実は私自身、かつてわが子と読書感想文をめぐってよくぶつかっていました。
でもあるときから、子どもが感想文を書く時間が楽しいものに変わりました。
きっかけは、「問いかけ」の仕方を変えたことでした。

「何も考えていない」わけじゃない!
「うちの子は、何も感じてないみたいで……」
「表現力がないんです」
そんなふうに感じている方も多いかもしれません。
でも、子どもは「感じていない」のではなく、
感じたことをどう表せばいいかわからないだけのことが多いのです。

つまり、表現のための
「型」や「道すじ」を知らないだけ。
それを、私たち大人がそっと照らしてあげればいいのです。

読書感想文は「問いかけ」で変わる!
読書感想文を書くとき、「全体の感想は?」と聞いても、答えるのはむずかしいものです。
そんなときは、一場面に絞って問いかけてみましょう。

「どこでいちばん心が動いた?」
「なんで、その場面が気になったの?」
「その場面では、どんな気持ちになった?」
「同じような気持ちになったできごとはある?」
こんなふうに具体的に問いかけると、
「うーんとね、○○が□□したところで…」と、口が動き始めます。
最初はたどたどしくても大丈夫。
問いかけが、表現のスイッチを押すカギになります。

子どもが「安心して表現できる場所」を

子どもは、自分の表現が受け入れられるかどうか、とても敏感です。
「そんな感想じゃダメ」
「そうじゃない」
「もっと深く考えて」
――こうした言葉は、一瞬で子どもを表現から遠ざけてしまいます。
大人の役目は、「正しさ」ではなく「その子らしさ」に耳を傾けること。
「なるほど、そう感じたんだね」
「うんうん、いい視点だね!」
ちょっとオーバーなくらいの大人の反応が、子どもの伝えたい気持ちを育てます。

「本を読まない子」でも大丈夫!
「うちの子、本を最後まで読まないんです」
そんなときは、読んだページの中で気になった挿絵やセリフをきっかけに、
そこから感じたことを引き出すのも一つの方法です。

「どこまで読めたかな?」
「イヤな場面があったの?」
ネガティブな感想だって立派な感想です。
それも感じたことをことばにする練習になります。

読書感想文の目的は、「表現力を育てること」
ところで、読書感想文を書く目的は何でしょうか?
「賞をとること」や「立派な作文を書くこと」ではありません。
本の世界に触れる中で「自分の感じたことを、自分の言葉で伝える力」を育てること。
それが、読書感想文に取り組む本当の意味です。
本を通じて、「あれ?これってなんだろう?」「ちょっと気になる」
――そんなふうに思えたら、それで十分。

そこから、「知りたい」「伝えたい」という原動力が生まれることがすばらしいことです。

まずは、おしゃべりから始めよう

いきなり原稿用紙に向かうのではなく、
まずは大人から「教えて」という立場でおしゃべりしてみてください。
「どんな話だった?」
「好きなキャラは?」
こんな会話のキャッチボールをする中に、その子ならではの視点や発想がたくさん隠れています。
話すことは、書くことにつながっています。
話せたことは、きっと書けるようになります。

「書けた!」より、「言葉にできた!」を喜ぼう

「読書感想文が完成したかどうか」よりも、
「ことばにできたね」
「自分の気持ちを表現できたね」
――そんなプロセスを一緒に喜んでください。
読書感想文は、「書くことの練習」であると同時に、自分と向き合う時間でもあります。
その時間を、苦しいものではなく、「ちょっと楽しい」「ちょっと自信がついた」ものにできること。
それが、いちばんのサポートです。

読書感想文が、人生を豊かにする第一歩に
子どもが感じたことを、
子ども自身のことばで伝えられるようになること。

それは、これからの人生で、
きっと大きな力になります。
大人の問いかけと、あたたかな見守りがあれば、
子どもは「表現することは楽しい!」と気づいていきます。
読書感想文は、その入り口にすぎません。
でも、その入り口を一緒に開くことが、
子どもの可能性を高めてくれるはずです。
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