いざという時の応急手当
2024年4月1日
ページ番号:369427
概要
人は呼吸や心臓が止まると、数分で脳細胞は生きることができず、そのまま放置すると命をなくしてしまいます。たとえ、命が救えたとしても脳へのダメージは大きく、もとの社会生活ができるまで回復することは非常に困難となります。救急車が到着するまでの応急手当が命を左右します。
いざという時のために、正しい応急手当を身につけましょう。
AEDを使用した心肺蘇生の手順(JRC蘇生ガイドライン2020準拠)
AEDを使用した心肺蘇生の手順は次のとおりです。
下記リンクからAEDを使用した心肺蘇生法の動画をご覧いただけます。
安全の確認・反応をみる
- 周りの安全を確認しながら傷病者に近づきます。
- 呼びかける。
- 軽く肩をたたいてみる。
呼びかけて、肩を軽くたたいたときに目的のある仕草や返事があれば「反応あり」と判断します。
反応がない場合、反応があるか判断に迷う場合または分からない場合には、「心停止の可能性」を考えて行動します。
119番通報とAEDの手配
傷病者の反応がない(判断に迷う場合や分からない場合を含む)場合は、
- 助けを呼び、人を集める。
- 集まった人に119番通報やAEDを持ってくるように依頼する。
AEDとは、市民の皆さんに簡単に安心、安全に電気ショックを行っていただくことができるようにつくられた医療機器です。
119番通報やAEDの手配を依頼するときに「そこのあなた!119番通報してください」「あなたは、AEDを持ってきてください」などと具体的に指示をしてください。
協力者が誰もいない場合は、応急手当に移る前に119番通報をしてください。また、119番通報をすると、応急手当の方法がわからない場合でも、通信指令員が応急手当の手順を指導してくれます。
このとき、スマートフォン等のスピーカー機能などを活用して、両手を自由な状態にして通話すれば、指導を受けながら応急手当を実施することができます。
呼吸を見る
呼吸を確認します。
- 傷病者をあお向けにする。
- 傷病者の胸や腹部の動きをみる。
呼吸の確認は胸や腹部の動きを見て、10秒以内に行ってください。
普段どおりの呼吸をしていない場合、普段どおりの呼吸か判断に迷う場合または分からない場合は「心停止」と判断します。
しゃくりあげるような不規則な呼吸(死戦期呼吸)は普段どおりの呼吸ではないため、ただちに胸骨圧迫を行ってください。
反応はないが、普段どおりの呼吸をしている場合には、吐物などによる窒息を防ぐため、傷病者を回復体位にし、観察を続けてください。
(回復体位)
下あごを前に出し、上側の肘を曲げ上側のひざを約90度に曲げて、傷病者が後ろに倒れないようにします。
下記リンクから回復体位をとらせ方を動画でご覧いただけます。
胸骨圧迫
普段どおりの呼吸をしていない場合、あるいはその判断に自信が持てない場合には、心停止と判断し、直ちに胸骨圧迫を行います。
心肺蘇生を行っている総時間のうち、実際に胸骨圧迫を行っている時間が占める割合を「胸骨圧迫比率(CCF)」といい、60%以上が望ましいとされています。(JRC蘇生ガイドライン2020より)
成人・小児の場合
- 押さえる位置
押さえる位置は胸骨の下半分です。この場所を探すには、胸の真ん中(胸の左右の真ん中で、かつ上下の真ん中)を目安にします。
2.手の組み方
両腕で圧迫するために両手を重ねて、両肘を伸ばします。下になる方の手の指は、胸から離します。
3.押さえ方
指先を傷病者の胸から離し、掌の付け根で押さえてください。傷病者の胸を約5cm押し下げ圧迫します。
なお、小児の場合は、両手または体格に応じて片手で、胸の厚さの約3分の1が沈むまで、しっかり圧迫します。胸が元の高さに戻るように十分に圧迫を解除します。
4.テンポ
1分間に100~120回のテンポで圧迫します。
胸骨圧迫を30回行ったら、その後気道確保をして、人工呼吸を2回行います。
なお、人工呼吸の技術と意思がある場合とし、人工呼吸のやり方に自信がない場合や、ためらわれる場合は胸骨圧迫だけを続けてください。
胸骨圧迫を中断する基準は、次のとおりです。
- 傷病者が動き出した場合。
- 傷病者が普段どおりの呼吸をしはじめた場合。
- AEDより胸骨圧迫中断の指示があった場合。
- 救急隊などに傷病者を引き継いだ場合。
乳児の場合
心肺蘇生の手順は基本的に成人・小児と同じですが、異なる点は表の中に示すとおりです。押さえる手の形は、下のイラストを参考にしてください。
(小児:1歳~およそ15歳まで、乳児:1歳未満)
小児は片手で実施してもよい
乳児は中指と薬指の2本で行う
気道の確保
人工呼吸ができる場合は、気道確保と人工呼吸を行います。
- 手を額におく。
- 反対の手の指先を、あご先に当てる。
- あご先を持ち引き上げながら、頭を後ろにそらす。
反応がない傷病者は舌が落ち込み、空気の通り道を塞ぐ場合があります。
人工呼吸
気道を確保したら、人工呼吸を開始します。
[成人・小児の場合] 気道を確保したまま
- 鼻を軽くつまむ。
- 息を吹き込む。
鼻をつまむのは、人工呼吸のために吹き込んだ空気が鼻からもれるのを防ぐためです。息を吹き込むときは、空気がもれないように、自分の口を大きく開けて、傷病者の口を覆い(乳児の場合は鼻と口を覆い)、1回あたり約1秒かけて、傷病者の胸が軽く膨らむ程度を吹き込みます。
*これを2回繰り返す*
2回の吹き込みで、いずれも胸が上がるのが理想ですが、もし、胸が上がらない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫を再開します。
人工呼吸をしている間は胸骨圧迫を中断しますが、その中断時間は、10秒以上にならないようにします。
人工呼吸が困難な場合、又は、感染防止用具がない場合や準備に時間がかかる場合は、人工呼吸を省略して胸骨圧迫を行ってください。
口対口の人工呼吸による感染の可能性は非常に低いと考えられていますが、一方弁付呼気吹込み用具などの感染防止用具があれば、使用してください。
胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返す
胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返します。
AEDが到着
AEDの使用方法
1.AEDの電源を入れます。機種によりふたを開けると自動的に電源の入るものもあります。その後はAEDの音声メッセージに従い行動してください。
「反応」や「普段どおりの呼吸」のある傷病者にAEDを使用することはできません。
2.電極パッドに描かれているイラストのように胸の肌に直接しっかりと密着するように貼り付けます。
貼る位置は右胸の上部(鎖骨の下)と左胸の下部(脇の下5~8センチ)
救助者が2人以上いる場合は、電極パッドを貼る間も胸骨圧迫を続けてください。
3.AEDから「離れて」というような音声メッセージが流れた場合、心肺蘇生を実施している人を含めて、傷病者には次の音声メッセージがあるまで、誰も触れないようにしてください。
4.心電図解析の結果、電気ショックが必要な場合は
(1)「電気ショックが必要です」と音声メッセージがあった場合、自動的に充電が始まります。
(2)数秒後に充電が完了し、「ショックボタンを押してください」などの音声メッセージや充電完了の連続音が流れ、ショックボタンが点滅します。
(3)「離れて」と注意を促し、あなた自身と周りの誰もが傷病者に触れていないことを確認し、ショックボタンを押してください。
電気ショックを行ったあとや「ショックは不要です」の音声メッセージがあった場合は、直ちに胸骨圧迫と人工呼吸を開始してください。傷病者が動き出すか救急隊に引き継ぐまで、AEDを使用した心肺蘇生を続けてください。
新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた心肺蘇生時の注意点
・すべての心停止傷病者は新型コロナウイルス感染症の疑いがあるものとして対応する。
・成人の心停止傷病者には人工呼吸は行わない。
・呼吸や反応の確認時は、顔を近づけすぎない。
・胸骨圧迫を実施する際には、傷病者の鼻と口をハンカチやマスクで覆う。
・傷病者を救急隊員に引き継いだあとは、すぐに石鹸と流水で手と顔を洗う。
・子どもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。
気道異物除去
のどに物がつかえたとき
傷病者が咳をすることが可能であれば、咳をできるだけ続けさせる。(咳は、異物の除去に最も効果的である)
傷病者が咳をすることができなければ、手のひらで背中を強く数回たたく(背部叩打法)。
片方の手で握りこぶしを作り、その親指側を傷病者の臍(へそ)の上方でみぞおちのやや下方の当てます。もう一方の手で握りこぶしを握り、すばやく手前上方に引き上げる(腹部突き上げ法)。
※ 腹部突き上げ法は、妊婦や1歳未満の乳児には行わないで下さい。
乳児の場合は、背部叩打法を行うか、腕の上に乳児を仰向けにのせ頭を少し下げて、もう一方の手の指2本で胸の真ん中を力強く数回連続して圧迫します。(胸部突き上げ法)
気道異物除去法を実施中に傷病者の反応がなくなった場合は、心肺蘇生を行ってください。
下記リンクから気道異物除去法の方法を動画でご覧いただけます。
大阪市消防局公式YOTUBE 「応急手当 気道異物除去(成人)」
その他の応急手当(ファーストエイド)
止血の方法
●傷口を直接圧迫する
きれいなガーゼやハンカチを当て、強くおさえる。
圧迫にもかかわらず、ガーゼ等が血液で濡れてくる理由としては、圧迫位置が出血部位から外れている、または圧迫する力が弱いなどが考えられます。
感染防止のため、血液に直接触れないように注意してください。ビニール・ゴム手袋の利用。それらがなければビニールの買い物袋などを利用する方法もあります。
やけど(熱傷)
すぐにきれいな流水で冷やします。衣服の上からやけどしたときは、衣服ごと冷やしてください。
水ぶくれは、雑菌が入るため、つぶさないように気をつけてください。
熱中症
立ちくらみ、こむらがえり、大量の発汗といった症状だけなら、傷病者を涼しい場所で安静にし、水分・塩分(スポーツドリンクなど)を補給しながら体を冷却してください。
頭痛や吐き気、倦怠感などの症状がある場合は、医療機関で受診してください。
意識がもうろうとしている、体温が極端に高いなどの症状がある場合は、直ちに119番通報し、救急隊が来るまで体の冷却を続けでください。
冷却するには衣服を脱がせ、体を濡らし、うちわや扇風機などで風を当てるのが効果的です。保冷剤などで、首や脇の下、太ももの付け根を冷やすのも有効です。
意識がもうろうとしている時には、無理に水分を飲ませると、誤嚥する危険性があるので注意してください。
子どものひきつけ(熱性けいれん)
衣服をゆるめ、楽に呼吸ができるようにする。
横向きに寝かせ、口の中にたまっただ液などが外に出やすくする。
熱が高いときは、頭や首・脇の下を氷などで冷やし、体は毛布で保温する。
割りばしや手ぬぐいなどは、無理に口の中に押し込まないようにしてください。大声で呼んだり、押さえつけたりして刺激しないでください。
搬送法
下図のほかに、 背負って運ぶ・椅子を使って運ぶ・抱きかかえて運ぶ等の方法があります。
傷病者の症状や負傷箇所により、移動方法を選ぶことが大切です。