化学災害救助隊の訓練
2023年2月1日
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見えない危険と戦う化学災害救助隊
東成消防署の東成特別救助隊は化学災害に出場する化学災害救助隊です。化学災害とは、危険な薬品等が散らばってしまったり、何者かによって正体不明の液体(粉等の場合もあります)をばらまかれてしまった災害です。この災害の非常におそろしいところは、薬品等から発生する有毒な気体が目には見えないこと、またその薬品等がどういったものかすぐに分からないことです。

東成特別救助隊はこういった化学災害に対応できるよう日々訓練を実施しています。ここではその訓練の一部をご紹介します。

化学災害発生!
訓練の想定は、店舗が多く集まる商業施設内のある店舗で何者かが正体不明の液体をばらまき、その場に居合わせた人々が意識を失い倒れているという内容です。

1.一次集結、活動について検討
「東成特別救助隊、現場到着!」
化学災害では有毒な気体が発生し周囲にも広まっているおそれがあるため、消防隊は災害現場の風上方向の一定距離をとった位置に集結します。集結位置で通報内容や災害現場状況から、これからの活動について検討します。

・救助隊長と救助隊員が活動について、
話し合います。

・救助隊員が災害現場へと向かって
いきます。

2.救助隊員の命を守る服
「化学防護服着装!」
オレンジ色の大きな服は「陽圧式化学防護服」と言います。空気呼吸器の面体(マスク)から排出される空気によって防護服内をパンパンに膨らませ、防護服外から空気が入ることを防ぎます。
・防護服を着る前に空気呼吸器の
面体(マスク)も着けます。
・他の救助隊員が協力して着せます。
・着装よし!

3.検知
「要救助者複数あり!床面にある液体を検知する!」
災害現場建物内に進入しました。要救助者(※)が倒れており、近くの床に正体不明の液体が飛び散っています。すぐに要救助者を救出したいところですが、飛び散った液体がどんな物かわからないため、検知(機械等で調べること)をします。
※要救助者・・・助けなければいけない人

・これ以上被害が広がらないようにドアや
窓ををきちんと閉め、飛び散った液体を
調べる準備をします。

・スポイトで吸い取った液体を小さなビン
に集め、後にこの液体を調べます。

・飛び散った液体をしっかり拭き取ります。
要救助者の状況も確認しています。

・拭き取ったシート等はバケツに入れ
漏れないよう密封します。

4.除染
「要救助者救出!除染する!」
要救助者を建物の外へ救出しました。要救助者の身体を洗浄し除染します。また汚染を受けた恐れがある人も同じように除染します。除染後は救急隊へと引き継ぎます。
※訓練技術習熟のため、消防隊の服装が実際の災害現場と異なる場合があります。

・除染は進入した救助隊員とは別の
消防隊員が行います。

・シャワーによる流水で要救助者の
身体を除染します。

・要救助者の体位を変えながら身体
全体をしっかりと除染します。

・除染された要救助者を毛布等で被覆・
保温し、救急隊へ引き継ぎます。
化学災害は、見えない危険がたくさんあります。正体不明の液体を断定するには化学の知識も必要です。また、陽圧式化学防護服を着装した状態での液体の採取は非常に難しく高度な技術が必要で、要救助者の救出は体力の消耗も非常に激しいです。化学災害救助隊は来る化学災害に備え、知識の習得、技術の錬磨及び体力の向上のため、日々訓練を重ねています。
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