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トイレットペーパーの買入入札における仕様書の記載の不備(第21-01-184号)

2020年3月24日

ページ番号:188384

大阪市公正職務審査委員会からの勧告(平成21年12月21日)

 大阪市公正職務審査委員会から、職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例第9条第1項の規定に基づき、次のとおり大阪市長に対して勧告を行いました。 勧告の概要は次のとおりです。

1 通報概要

  1.  仕様書には、「JIS規格合格品であること」と明記されているにも関わらず、実際には、JIS規格合格品ではない(JISマークの入っていない)品物が納入されている。
  2.  「JIS規格合格品を納入させるように」と環境局の担当者に伝えていたのに、必要な措置を講じていない。

2 調査結果

 (1) 入札の経過

  環境局は、毎年、地域団体等が行っている資源集団回収の支援品(配給品)として、再生紙トイレットペーパーの買い入れをしている。

事実の経過

日時

確認できた事実

平成21年8月14日

「再生紙トイレットペーパー買入」について、事後審査型制限付一般競争入札を執行する旨の公告を契約管財局長が行う。

・仕様書には、次の事項が記載されていた。

規格 「JIS規格合格品であること」

数量 330,560巻  納入期限 平成21年11月16日

事業担当 環境局環境施策部家庭系ごみ減量担当

平成21年9月11日

開札(電子入札)

・予定価格は9,538,000円(税抜き)

・入札参加者A6,773,174円、B5,778,188円、C8,098,720円(税抜き)

・Bを落札候補者とした(落札率60.5%)

平成21年9月15日

・Bの資格審査後、契約管財局長は、Bとの間で、税込みで契約金額6,067,097円、納入期限平成21年11月16日とする再生紙トイレットペーパーの物品買入契約書(以下「契約書」という。)を締結

平成21年9月29日

・環境局は、Bから見本品の提示をうけたところ、見本品は、D製紙株式会社の製品であり、日本工業規格(JIS)適合品であることを示すJISマークの表示がなかった。

平成21年10月初旬

B以外の入札参加業者から、仕様書において「JIS規格合格品であること」を入札条件にしておきながら、JISマークの表示されていない商品を納入させるのはおかしいとの疑義が、環境局に提示された。

平成21年10月15日

環境局は、「JIS規格合格品であること」という仕様書の規格を満たしているかどうかについて、Bに問い合わせたところ、次の2種の証明書の提出を受けた。

①      平成21年10月15日付けでD製紙株式会社がBに対して発行した自社製品がJIS規格の基準を満たしている旨の証明書

②      平成21年10月14日付けで岐阜県産業技術センター所長がD製紙株式会社に対して発行した試験報告書

平成21年11月12日

環境局が弁護士に法律相談に赴いたところ、弁護士から、仕様書の「JIS規格合格品」の記載は、JISマークの表示まで求めるものではなく、JIS規格の基準を満たしている製品と理解するのが一般的であるとの助言を得る。

平成21年11月16日

環境局は、Bの提出した見本品は、公的な第三者機関による試験結果により、JIS規格の基準に合致していることが確認できたとして、納入確認検査を行い、当該再生紙トイレットペーパー330,560巻の完納を認め、物品買入検査調書を作成した。

3 判 断

 (1) 「JIS規格合格品」には、JISマークのない同等品を含むか否か

  • JISマーク表示制度は、当該製品がJIS(日本工業規格)に適合していることを認証し、これを国民に表示する国家制度であり、この認証を受けるためには、①製品のサンプリング試験と②品質管理体制の審査を受け、これに合格する必要がある。
  • 単発の製品が、JIS規格で定める基準に基づく製品試験に合格しただけの同等品とは、市場における信頼度のみならず、製品供給に係るコストが異なってくる。
  • 国や他都市の物件買入契約の仕様書を見れば、同等品を許容する場合には、通常「JIS規格品又はこれと同等の品質を有する製品」などの記載が行われていることや、平成20年度以降の環境局の仕様書には同等品を認める記載が削除され「JIS規格合格品であること」に限定されていたこと等からすれば、「JIS規格合格品」とはJISマークが表示されたJIS規格品を指し、同等品は含まない趣旨であるとするのが社会通念に照らし、相当である。

 (2) 仕様書の記載の不備により、入札の公正が害されたか否か

  • JISマークが表示された規格品と同等品では、製品供給に係るコストが異なってくることから、入札参加者が札入れする価格に差が生じるのは明らか。
  • 現に、本件入札に参加した別の業者が仕様書によりJISマークが表示された規格品が納入製品であると考えて、落札者Bよりも相当高い金額を札入れしており、仕様書に「JIS規格品又は同等品」のように明確な記載があった場合と比較して、入札の公正さが害されたおそれがないとはいえない。

 (3) 環境局がBによる同等品の納入を認めたことが契約書に照らして適切であったか否か

  • 環境局が検査の上、物品買入検査調書を作成して完納を認め、製品を納品させている以上、Bに債務不履行は認められず、今になって大阪市側から契約解除等を行うことはできない。
  • 本来であれば、仕様書に定められた規格に適合しない製品については、環境局はこれを不合格とし、JISマークが表示された規格品との取替えなど必要な措置を取らねばならず、Bがこれに応じない場合には、債務不履行として契約解除をする必要があった。
  • 少なくとも、僅少の不備があるが、使用上重大な支障がないと認められ、かつ、期限等から取替えが困難と認める場合には、相当の価格を減価のうえ、これを採用する減価採用の手続を取るべきであったといえる。

4 勧告

  1. 入札の仕様書の記載は、入札参加者の見積もりや入札価格に大きく影響し、入札の公正さを担保する重要な要素であることから、同等品を許容する場合には、「JISマークの表示のある規格品又はこれと同等の品質を有する製品」など、一義的かつ明確に記載し、入札参加業者によって理解に違いが生じないよう配慮されたい。
  2. 契約締結後の納品検査を厳格に行い、仕様書と異なる製品が確認された場合には、補修、取替え等必要な措置又は減価採用の手続を取るなど、厳正に行われたい。
  3. 上記1.、2.の点について、契約担当部局への周知徹底を行うとともに、再発防止策を策定されたい。

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終結宣言(平成22年8月24日)

 上記勧告に対して措置がとられたことが確認できたので、本件公益通報についての処理を終了しております。

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