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工事契約の問題点

2020年3月24日

ページ番号:190155

大阪市公正職務審査委員会による意見書(平成21年3月30日)

 大阪市公正職務審査委員会から、職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例第24条第1項の規定に基づき、大阪市水道局長に対して次のとおり意見を述べました。

 

 貴局の職員が平成21年3月11日に収賄容疑で逮捕された件について、関連すると思われる通報が水道局ホームページに寄せられ、本委員会に報告されましたが、具体性に欠け、かつ匿名であったため通報者から追加情報が得られなかったことなどから、確たる証拠もないままに調査を行うことについては人権問題となりかねない点にも配慮して本委員会として調査に踏み切れず、水道局長宛に「本件通報を今後の業務執行の参考とされたい」旨通知するに止めました。しかるにその後貴局の職員が逮捕され、「公益通報を生かせなかった」と一部で報道されました。これらの経過と結果については本委員会としては残念に思っております。

 この件について、上記報道後に、水道局から事件の経過やその背景となった給水装置改良工事契約について報告を受けましたが、その内容を検証したところ、水道局における契約システムとその実情について看過できない問題があると考えますので、現時点での本委員会の認識を下記のとおり表明します。

1 本委員会が認識している事実

(1)   給水装置の施工業者の決定は、水道局の事務分掌上、各水道工事センターから給水担当に発注依頼が送付され、給水担当において施工業者を選定し、選定した業者に対して施工指示書が交付され、請書の提出を受けたのち管財調達担当において請負業者決定の決定通知書が発行されていること。

(2)   年2回(2月と8月)翌半年分の工事単価について、水道局が積算した単価の総合計に対して給水装置の施工業者が金額を提示し、その最低金額と設計価格との価格比率にしたがって各工種の単価が決定され、全施工業者と共通の単価で単価契約を締結していること。

(3)   局内業者審査委員会で合格した154者(法人だけでなく個人事業者を含むため“者”とする。以下同じ。)を、主に施工経験年数等を考慮してランク分け(150万円未満から350万円以上までの4ランク)したうえでリストを作成し、発注依頼が来た際は、給水担当の担当者はランクと地域要件を考慮してリストから施工業者を指定していたこと。

(4)   随意契約による低い競争性と、単価契約による単価同調が包括外部監査や大阪市水道局入札契約等審議委員会において問題視されていたため、平成21年2月1日から公募型指名見積比較による発注を行い、ランク別発注を廃止し、価格だけでなく技術審査も加味して得点順に業者を並べ、上位90者と随意契約を行う方式とし、かつ、最低制限価格の事前公表を行うことで、予定価格の85%程度での契約価格を実現するなどの制度改正を行ったこと。

(5)   制度改正を行ったが、単価契約であるという点と随意契約であるという本質的部分についての変更はなく、水道局が関与して施工の単価を決め、予め公表された最低制限価格に90者が横一列に並び、全業者が同一の価格で契約しているという状態に変更はなかったこと。

(6) 水道局からの報告及び新聞報道によれば、水道工事センターの職員は、契約システム上は契約相手方を選定する権限を有していないが、当該職員が工事発注依頼書を送付する際に特定の業者名を記した付箋を貼付し、業者を選定する給水担当の職員に対して指示ないし要望し、これに基づいて業者選定が行われていた可能性があるとのことであり、本委員会の調査でも一部に特定の業者名を記した付箋が貼付されていたことが認められたが、詳しい事実は現在のところ不明であること。

2 本委員会の見解

(1)契約方式について

(ア)単価契約を行っている点について

 単価契約は本来、物品の供給契約のように反復継続性を有し、かつ、需要の総量の予測が困難な場合において限定的に導入すべきものであり、工事請負のように個別の現場状況によって履行内容が左右され、かつ、一定の計画性に基づいて発注されるものは、あくまで総価契約を原則とすべきであって単価契約を適用することについては慎重であるべきである。しかるに水道局の説明によれば、工事施工費も含めて単価を設定し、その単価の積み上げ額でどの業者とも契約を締結しているとのことであり、施工業者の個々の事情(立地条件、施工経歴、技術者の在籍状況など)をほとんど反映せずに決まっている単価表に基づいた契約を行っており、上位90者が全て同一の単価で契約を請負うという競争原理が排除された状態での契約が継続している。

(イ)随意契約を行っている点について

 大阪市水道局契約規程に照らせば本来250万円を超える工事請負は競争入札において業者決定すべきところ、地方公営企業法施行令第21条の14第2項に基づく随意契約理由としていくつかの理由を挙げて随意契約を行っている実態が認められた。

随意契約理由を検証したところ、迅速な対応、高い施工技術、安定的な施工体制の確保の必要性などが列挙されているが、いずれも原則であるべき一般競争入札を排除するほどの理由としては、不十分であると判断せざるを得ず、この不十分な理由で250万円を超える高額な契約を随意契約で処理している実態は、競争原理が働かないという問題にとどまらず、担当者と業者の癒着など不正の温床となる危険性を内包した構造的な問題があると言える。

 

(2)発注先の選定について

 上記(1)の契約方式の問題点に加えて、貴局における契約システムの中で元請業者選定の権限を有しない水道工事センターの職員が、本局の給水担当に「工事発注依頼書」を送付する際に特定の業者名を記した付箋を貼ることなどにより、事実上、特定業者の元請業者への下請け斡旋及び紹介等の口利きをしていた可能性がある。仮にそのような口利き行為が実際に行われたとすれば、契約制度の信頼性に関わる重要な問題であり、徹底した実態解明を行うことが必要である。

 

(3)本委員会への報告について

(ⅰ)上記(1)に指摘した契約方式の問題については、競争性と透明性を確保した契約システムの導入など具体的な改善策を策定し、適宜本委員会へ報告されたい。

(ⅱ)上記(2)の発注先選定に関する問題については、水道局のすべての水道工事センター(分室を含む。)から本局の給水担当へ提出された「工事発注依頼書」のうち、特定の業者名を記した付箋が貼られていた件数、付箋に記された内容、付箋の作成者、付箋の記載どおりに業者(元請だけでなく下請け参入を含む。)が決定された工事の件数、名称、金額、その他口利き及び斡旋に類する行為の有無について厳正な調査を行い、対応策を策定し、その詳細を適宜本委員会へ報告されたい。

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