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国民健康保険事業に係る区役所職員の不適正事務(第24-90-45号)

2020年3月24日

ページ番号:210986

大阪市公正職務審査委員会からの勧告(平成25年2月28日)

 大阪市公正職務審査委員会から、職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例第9条第1項及び第2項の規定に基づき、大阪市長に対して勧告を行いました。

1 通報概要

 城東区役所のある係長(以下「職員A」という。)は、ある国民健康保険被保険者から平成22年11月に国民健康保険料延滞金減免申請書を受け取り、当該被保険者に減免を約束したが、平成24年4月に至ってもその処理をしていないようだ。これ以外にも国民健康保険料に関する手続が長期間放置され、最後まで処理されていないものが多数存在するのではないか。さらに、上司は、これらのことを把握していながら放置しており、公表もしていないのではないか。

2 調査結果

(1)本件通報の指摘について

 平成22年11月に健康福祉局収納対策グループ(当時)が保険料、督促手数料及び延滞金の滞納額全額を保全するため預金債権を差し押さえたあるケースにおいて、被保険者(以下「被保険者X」という。)から保険料及び督促手数料の納付とともに延滞金減免申請書が提出されたが、当時副参事兼担当係長であった職員Aは、被保険者Xが滞納している延滞金の納付を確認しないまま、健康福祉局収納対策グループ(当時)に差押え解除を依頼する連絡を入れ、被保険者Xから提出された延滞金減免申請書の処理を2年後の平成24年11月まで怠っていた。

 平成22年11月に被保険者Xが提出した延滞金減免申請書については、本件通報に係る調査をきっかけに平成24年11月に不承認とする旨を決定し被保険者Xに対し通知したところ、滞納した延滞金は納付された。

(2)平成22年度の保険料減免申請の処理について

 平成22年度当時、城東区役所において保険料及び延滞金の減免を担当していた担当係長(以下「担当係長C」という。)は、保険料の減免申請について、前年度以前の保険料に係る申請や、申請理由を証明する資料がない場合であっても受け付け、減免の基準に該当するか否かの調査を行うことなく、申請を承認する旨の決裁書類を作成していた。

 また、平成22年度当時副参事兼担当係長であった職員Aは、回議された決裁書類について、その内容を十分に確認することなく承認していた。さらに、当時の保険年金担当課長(以下「元課長D」という。)は、再三にわたり部下に対して速やかに決裁書類を回議するよう指示していたが、なかなか回議されないことが多く、まとまった決裁書類が大幅に遅れて回議された時には、既に申請者に決定通知書を交付した後であったため、今更その決定を覆すことは難しいと考え、承認していた。

 このような方法で受け付けられた過年度分の保険料の減免申請は、城東区役所によると909件あり、減免された金額は76,596,583円であることが判明した。なお、平成22年度の保険料減免申請に対し、承認の決定を行ったものは、城東区役所によると合計6,671件、承認された減免額の総額は329,885,448円であった。

 その他、平成23年度及び平成24年度においても、平成22年度と同様に過年度分の保険料を減免しているものが発見された。

(3)保険料減免に係る決裁について

 城東区役所では、従来、窓口で国民健康保険料減免申請書を受け付けた際、保険料減免に関する決裁を完了する前に決定通知書を申請者に交付していたことが判明した。

(4)延滞金減免に係る決裁について

 総務局監察部が平成22年度の城東区役所における延滞金減免申請書について全73件を調査した結果、全ての申請書に申請者からの申請理由を証明する十分な資料が添付されていなかった。また、ほとんどの決裁書類に決裁が完了したことを示す元課長Dの押印がなかった。なお、全73件中53件280,940円については、そもそも承認すべきでなかった申請に対して承認の決定を行っていたことが判明した。

(5)事務処理の適正性の確認について

 福祉局によると、制度改正の都度、適宜担当者向けの説明会を開催したり、制度の周知や情報交換等のために担当係長会を行ったりしているものの、国民健康保険に関する事務処理が適正になされているかどうかの確認までは行われていない。

3 判断

(1)本件通報の指摘について

 本来、滞納額全額の納付が差押え解除の条件であるところ、被保険者Xからの延滞金の納付を確認しないまま差押えの解除を依頼する連絡を行ったことは、平成22年9月30日付け「滞納整理事務の集約化に係る事務処理について(通知)」記載の処理方法に沿ったものではない。

 また、被保険者Xが提出した延滞金減免申請書の処理が、減免の承認又は不承認の判定がされないまま2年間に渡って放置されていたことは、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならないと規定する大阪市行政手続条例第7条に明白に違反するものである。さらに、国保等システムにより定期的に滞納者の状況を確認する機会があるにもかかわらず、被保険者Xの申し出があるまで当該申請書が放置されていること自体が発覚しなかったことは、事務処理のあり方として看過しがたい。なお、本件通報で指摘された延滞金のみならず、他の延滞金や保険料についても処理の放置されている減免申請がないとは言い切れず、延滞金に比べ時効期間の短い保険料については、時効が完成しているおそれが強い。

(2)保険料及び延滞金の減免承認決定について

 平成22年度当時、城東区役所において、過年度分の保険料に係る減免申請について、申請者が添付等すべき証明書類を確認しないまま申請を受け付け、減免の基準に該当するか否かの調査をせずに、申請を承認する旨の決裁を起案するという不適正な事務処理が行われていた。また、当時副参事兼担当係長であった職員A及び元課長Dは、決裁書類が回議された際に不備を指摘し改める立場であったにもかかわらず、それを怠り、結果として承認すべきでない申請に対して減免承認決定が行われていたことは、不適正な事務処理を漫然と継続していたものと言わざるを得ない。

 さらに、公印の管理や公印使用時の審査を担当していた職員Aが、公印の使用を必要とする決定通知書と決裁書類を決裁後に審査しなければならないところ、決裁の完了を確認せずに公印を使用することを認めていたことは、極めて不適正な事務処理である。

(3)報道発表について

 城東区役所において、国民健康保険業務に関し市民や市民の財産に損害を与えるような著しく不適正な事務処理が行われていた今回の事案については、「事件・事故等における報道発表基準」により政策企画室市民情報部報道担当が定める説明責任、注意喚起、混乱回避、透明性の確保等の観点から、速やかに公表されるべき事案であった。

(4)保険料減免申請に対する決定通知に係る事務処理について

 城東区役所は、少なくとも平成22年度から総務局監察部の調査時点までの2年以上に渡り、専決権者の決裁を完了する前に決定通知を申請者に交付する事務処理を行っていた。現在は改善された旨報告を受けているが、このことが今般の不適正な事務処理の原因のひとつになっていると考えられることからも、適正な事務処理方法を順守する必要がある。

(5)不適正な事務処理の防止に向けて

 福祉局は、平成25年2月21日付けで保険料減免事務取扱要領を一部改正し、各区役所へ連絡したとのことであり、一定の改善措置がとられている。

 ただ、このような不適正な事務処理が継続して行われた背景のひとつとして、その事務処理が適正であるかどうかを確認する機会が乏しかったことが考えられるため、福祉局においては、適正な事務処理がなされていることを定期的に検証し、是正を図る制度の確立等を行うべきであると考える。

4 勧告

 上記判断に基づき、区長及び福祉局長に対し、国民健康保険に関する事務について次のような措置を平成25年5月末日まで(ただし、(3)については、平成25年8月末日まで)にとらせるよう勧告する。なお、区役所における保険料及び延滞金の減免に関する事務処理の適正化に当たっては、できる限り区役所において調査を行い、対象者である市民の負担を前提とすることのないよう、十分に配慮されたい。

(1) 城東区長は、現存するすべての保険料及び延滞金の減免に関する文書を確認し、事務処理が適正になされていないものについて、その内容や件数、金額を確定の上、本委員会に報告するとともに公表すること。また、それらについて速やかに適正化すること。

(2) 城東区役所以外の23区役所について、保険料及び延滞金の減免に関する規定に照らし、平成24年度の保険料及び延滞金の減免に関する事務処理に不適正なものがないか検証すること。なお、不適正なものが確認された区役所については、速やかに本委員会に報告すること。

(3) 上記(2)において、不適正なものが確認された区役所については、現存するすべての保険料及び延滞金の減免に関する文書を確認し、その内容や件数、金額を確定の上、本委員会に報告するとともに公表すること。また、それらについて速やかに適正化すること。

(4) 福祉局長は、今回の事案を踏まえ、保険料及び延滞金の減免に関する事務処理が適正になされているかを必要に応じて検証し、是正を図る制度の確立等を検討すること。

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終結宣言(平成26年2月20日)

 上記勧告に対して措置がとられたことが確認できたので、本件公益通報についての処理を終了しております。

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