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出張時における検査職員の行動について(第24-01-230号)

2020年3月24日

ページ番号:213379

大阪市公正職務審査委員会からの意見(平成25年3月28日)

 大阪市公正職務審査委員会から、職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例第24条第1項の規定に基づき、大阪市交通局長に対して意見が出されました。

 

通報概要

 平成21年度発注の検車場に据え付ける装置に関して、福岡県で行われた現地工場での検査の際に、当該工事の受注者が、交通局職員(設計担当2名、現場担当1名)を飲食店で接待していた。

 

本委員会が認定した事実

 本件通報について、交通局及び総務局監察部が平成24年10月から平成25年3月にかけて関係書類の確認及び事情聴取等による調査を実施した結果、次のような事実が判明した。

(1) 通報で指摘されていると思われる工事に関して、平成22年3月に福岡県に所在する工場に、大阪市交通局電気部の職員2名(以下「職員A」及び「職員B」という。)が出張していたこと。

(2) 当該出張は、日帰りで実施する旨の計画書が提出され、平成22年2月付けで承認されていること。

(3) 職員A及び職員Bは、上司への報告や出張命令の変更手続などをとることなく、自らの判断のみで宿泊を伴う出張に変更し、出張命令を受けた前日に現地で宿泊したこと。また、出張から帰庁した後にも変更を行った旨の届出などを行っていないこと。

(4) 現地工場での検査の前日に、職員A及び職員Bが、工事の請負業者の現場代理人(以下「業者C」という。)及び工事に使用する機器の製造業者の営業担当者(以下「業者D」という。)と、飲食を共にしたこと。

(5) 職員Aは、職員Bとともに居酒屋とスナックで業者C・業者Dと飲食を共にし、1軒目に行った居酒屋の代金については業者Dに支払ったものの、2軒目に行ったスナックの代金については、業者C・業者Dのいずれに対しても、支払っていないと供述していること。

(6) 職員Bは、職員Aとともに居酒屋で業者C・業者Dと飲食を共にしたことは認めたものの、2軒目にスナックに行ったかどうかといったことすら覚えていなかったが、居酒屋などの支払いについて、自分は支払っていないであろうことを認識していたと供述していること。

(7) 職員A及び職員Bは、「業者C・業者Dとはホテルで偶然出会い、話をしているうちに一緒に飲食をする雰囲気になった」旨の供述をしていること。

(8) 職員Bは、平成22年3月の出張に関して、検査日の前夜に「記憶に残らないほどの深酒をしてしまった。」と供述していること。

(9) 職員Bは、平成22年3月の出張に関して、事前の業者との打合せの場において、「宿泊するホテルの名称、新幹線の乗車時間などを話したかもしれない。」と供述していること。

(10) 通報で指摘されていると思われる工事について、平成25年2月に再度検証を行ったが、交通局の調査では、契約から竣工するまでの間、適切に処理されており、請負業者の履行状況についても問題が見られなかったこと。

(11) 平成19年4月以降平成24年12月中旬までの間の遠隔地での工場検査時における業者との接触状況について、交通局が調査を行ったところ、対象となった全526件の出張のうち、本件で問題となったもの以外にも業者に社用車等で送迎させていたものが46件あったことが判明したこと。

 なお、うち2件についてはバス料金の旅費が支給されており、1件についてはタクシー代金を業者に負担させていたこと。

(12) 交通局は、(11)の調査で判明したもののうち、バス料金の旅費が支給されていたものについては、戻入の手続を行い、タクシー代の便宜を受けていたものについては、平成25年1月28日付けで業者に返金させる措置をとったこと。

(13) (11)の調査において、懇親や情報交換などを目的に、業者と飲食(飲酒)を共にしたものは、本件以外には確認されなかったこと。

 

判断

 以上の確認できた事実に対して検討を行ったところ、次のとおり判断するに至った。

(1) 通報で指摘されていると思われる工事に関して、交通局は、請負業者の履行状況についても問題が見られなかったとしているものの、工場検査に際して、検査を担当する交通局の職員が、契約の相手方と検査日前日に飲酒を伴う席で食事を共にし、またその代金を契約の相手方に負担させたことは、重大な問題である。また、本件においては職員A・職員Bは、業者C・業者Dとホテルで偶然に出会ったと供述している一方で、職員Bは契約の相手方に対して、新幹線の到着時間や宿泊場所などを事前に伝えた可能性を示唆している。

 外形的な事情からは偶然に出会ったという供述には信憑性がなく、実際には宿泊場所を事前に知らせていたものと思われる。検査を受ける側の民間業者に対して、検査側の公務員が前泊することや宿泊ホテルなどを、その必要がないにもかかわらず事前に通知しているのであれば、外形的には接待を暗に求めていたものと見られても仕方のない行為である。これは、公務の公正性に対する市民の疑惑や不信を招く行為であり、その信用を著しく失墜させるものであって、容認できるものではない。

(2)  今回明らかになった事案は、平成22年3月に発生したものであるため、平成24年5月28日に制定された大阪市職員基本条例の適用は受けないものの、同条例第7条で定められた「職務上利害関係のある者との関係において、市民の疑惑や不信を招くような行為を厳に慎む」といった内容などは、先にも述べたように、公務員として当然の倫理規範であり、それに反した行動は許されるものではない。

(3) 調査結果(8)で述べているように、結果的には問題が確認されなかったものの、今回の事案について職員Bは、「記憶に残らないほどの深酒をしてしまった。」と供述している。検査日前夜において、記憶に残らないほどの酩酊状態にあったのであれば、翌日の朝から行われた検査についても、適正性の観点からは大いに問題がある。

(4) 調査結果(11)で述べているように、平成19年4月以降に行われた遠方への出張526件のうち、社用車で送迎させたものや、タクシー代の便宜を受けたものが、本件で問題となったもの以外にも46件存在したことが明らかになっている。確かに、社用車による送迎を受けたとしても、それだけで社会通念上相当と認められる程度を超える利益の供与を受けたとまでは言えないとしても、その回数や態様、状況などによっては市民の疑惑や不信を招くおそれがあることは言うまでもない。また、このような行為が高じていけば、徐々に関係者の規範意識が薄れ、不正に繋がり得るものであるため、その必要性や妥当性などについては厳格に判断すべきである。

(5) 調査結果(12)で述べているように、交通局は、バス料金の旅費が支給されていたものについては、この調査をきっかけとして戻入の手続を行い、タクシー代の便宜を受けていたものについては、平成25年1月28日付けで業者に返金させる措置をとらせている。

 しかし、本来であれば、交通費が不要であるということが確定した時点で、速やかに返金等の手続をとるべきところ、何ら是正のための措置をとらず漫然と交通費を受領していたこと自体、公務員としての倫理に欠ける行為であると言わざるを得ない。

 

意見

 上記判断に基づき、次のとおり意見を述べる。

(1) 本件事案の発生した原因の解明に努めるとともに、同様の事案が発生していないか、遠隔地での工場検査以外にも対象を広げ、調査を実施すること。

 その際、調査の客観性を担保するため、本件に関して既に聞き取り調査を実施した526件も含め、数十件程度を抽出して業者に対しても確認を行うこと。

 なお、不適正な事案が確認された際には、適宜必要な措置をとること。

(2)  今後、今回のような事案が再発しないよう、職員倫理の向上に努めること。

 

 

(参考)

大阪市公正職務審査委員会(コンプライアンス委員会)

委員長      播磨 政明(はりま まさあき・弁護士)

委員長代理   大西 寛文(おおにし ひろふみ・公認会計士)

委員        大砂 裕幸(おおすな ひろゆき・弁護士)

委員      小寺 史郎(こてら しろう・弁護士)

委員      重松 孝司(しげまつ たかし・公認会計士)

委員      赤津 加奈美(あかつ かなみ・弁護士)

 ※太文字の委員は、今回の案件に関する調査及び審議に関与した委員

 

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