水道管の更新(耐震化)の取組について
2023年12月28日
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水道管は、浄水場で作った水道水を蛇口までお届けするための大切なライフラインです。水道局では、生活、都市活動に欠かせない水を皆さまにお届けできるよう、順次、水道管の更新(耐震化)に取り組んでいます。ここでは、震災対策の一環として、水道局が進めている水道管の更新について、大阪市の水道管の現状、更新の取り組みの考え方についてご説明します。
水道管の現状と耐震化の取組
大阪市の水道は、1895(明治28)年の創設以来、2015(平成27)年11月13日で満120歳となりました。その間、水道管は、過去の技術革新の中で様々な材質や継手形式(管と管との接合形式)が開発され、現在は、1966(昭和41)年位までに布設された「鋳鉄管」、1955(昭和30)年位から材質がもろい鋳鉄管に替わって徐々に採用されてきた「ダクタイル鋳鉄管」、同じく昭和30年位から布設されてきた「鋼管」などによって管路網を形成しており、導・送・配水管の全体延長は約5,200キロメートルとなっています。
こうした水道管の耐震性については、材質・管種・継手形式や管路が埋設されている地盤の性状も勘案し、「耐震管」、「耐震適合管」、「非耐震管」の3つに大別することができます。
耐震管
- 地震による地盤の揺れに対しても追随できるよう、継ぎ手部分に抜け出し防止機能が装備された高規格管を指しており、「耐震継手のダクタイル鋳鉄管」や「鋼管」で構成されています。
耐震適合管
- 耐震管以外でも、それが埋設された周辺地盤の性状(例えば、軟弱地盤、液状化しやすい埋立地ではないなどの性状)を勘案すれば耐震性があると評価できる管のことであり、良質地盤に埋設された「一般継手のダクタイル鋳鉄管」が対象となります。
非耐震管
- 経年化により管自体の強度が弱く、地震時の被害率も突出して高い傾向を示す管であり、主に「鋳鉄管」が該当します。
耐震管・耐震適合管・非耐震管の分類
水道管の更新・耐震化にあたっては、「非耐震管」を更新対象とし、このうち、鋳鉄管は経年化が最も進行し、南海トラフ巨大地震と同等の揺れと想定される東日本大震災時の管路被害実績でも被害率が突出して高いことから、まずは鋳鉄管の更新を最優先で進めています。
東日本大震災における管種別の被害率
なお、大阪市における、管種別の延長や管路の耐震化の状況を示した表は、次のとおりです。
(参考)法定耐用年数を超過した管路について
本市水道は、日本で4番目の近代水道としてスタートし、度重なる市域の拡大や、戦後から高度経済成長期にかけて人口が急増するなど、他の都市に比べて早くから都市化が進んだため、1970年頃には全管路網の約9割が整備されました。このため、これまで6次にわたる配水管整備事業を通じて着実に水道管の更新を進めてきたものの、現時点では、法定耐用年数(40年)を超過した管が多い状況となっています。
なお、水道管の法定耐用年数の40年とは、法律(地方公営企業法)で定める水道管の固定資産の減価償却にかかる年数であり、水道管自体の寿命を定めたものではなく、また、大阪市の水道管の約8割を占める「ダクタイル鋳鉄管」は、水道局による調査・分析の結果から、埋設されている土壌によって、概ね65年から100年の使用が可能であることを確認しています。
こうしたことから、40年を経過後すぐに水道管が壊れる、また漏水するといったものではありません。(参考)ダクタイル鋳鉄管の使用可能年数について
大阪市の水道管の約8割を占めるダクタイル鋳鉄管の使用可能年数については、水道管の埋設されている土壌の腐食性によって大きく影響を受けるため、ダクタイル鋳鉄管のサンプルを採取し、その管の厚みを測定することで、経年化により腐食がどの程度進むのかを調査・分析しました。
その結果、ダクタイル鋳鉄管の使用可能年数を、やや腐食性の高い土壌に埋設されている管路は65年、一般土壌に埋設されている管路は100年と、それぞれ推定しており、将来の更新整備にあたっては、こうした使用可能年数を踏まえて更新ペースを設定していきます。
ダクタイル鋳鉄管の使用可能年数の特定
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