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再発見!すみよし文化レポート その12

2016年4月30日

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再発見!すみよし文化レポートその12 獅野勇貴(ししのゆうき)さん・田中絵里奈(たなかえりな)さん

住吉区で文化的・歴史的活動をされている個人や団体に活動内容や住吉の魅力についてお話を聞いていきます。

 

新春対談!高校生が語る、これからの夢 獅野勇貴さん・田中絵里奈さん

   2014年度にスポーツや芸術文化活動で活躍された住吉区内の高校生と吉田康人区長(以下、区長)が対談します。一人は高校生日本舞踊家の清明学院高等学校2年生の獅野勇貴(ししのゆうき)さん(以下、獅野さん)もう一人はバトントワリング選手の大阪学芸高等学校1年生の田中絵里奈(たなかえりな)さん(以下、田中さん)です。お二人の日本舞踊やバトントワリングへの思い、将来への夢、高校生としての素顔に吉田康人区長が迫ります。 

獅野勇貴(ししのゆうき)さんに、賞状とトロフィーを見せていただきました。


田中絵里奈(たなかえりな)さんに、賞状を見せていただきました。

獅野勇貴さん 感謝・信頼・尊敬の心で踊る


獅野さんが、2014年11月に在大阪ロシア連邦総領事館で行われた「☆未来フェスタ2015 響命」に出演されたときのお写真です。


獅野さんからいろんなお話を伺いました。

区長  こんにちは。獅野さんは、区役所主催のイベントにも出演していただいています。獅野さん目当てに来場されるファンもいて、本当に大人気ですね(笑い)日本舞踊をされている男子高校生は珍しいと思いますが、日本舞踊を始められたきっかけは何ですか?

獅野さん  祖母が日本舞踊をやっていました。僕が2歳ぐらいの時でしょうか。母のおなかに弟がいるときに、よく祖母の家に遊びに行っていました。祖母が踊っているのを見て、自然に日本舞踊に親しみました。祖母に「扇子貸して!」とねだったりしていたそうです。そこから少しずつ踊りに興味を持ちました。小学校6年生まで祖母に教わり、その後は日本舞踊飛鳥流のお教室に入りました。

区長  稽古はいつもどれくらいされるんですか?

獅野さん 師匠にお稽古をつけていただくのは月3回で、土日中心です。後は自宅で練習します。イベントや舞台があるときは、特別稽古をつけていただきます。(注意)師匠:飛鳥紅梅さん

区長 稽古は土日が中心ですか?平日は?

獅野さん はい。平日は家でゆっくりすることもあります。

区長 そうなんですね。小さいころからですから、約15年間ほど続けておられますね。ご両親はなんておっしゃっていますか?

獅野さん 以前はそんなに関心がなかったようですが、舞台に出演しだしてからは、とても応援してくれています。見に来てくれたりもします。

区長 ご両親が来られると恥ずかしくないですか?私の息子はずっとサッカーをしているんですが、「試合には来ないで」とよく怒られました(笑い)獅野さんは、ご両親が見に来られるのは嬉しいですか?

獅野さん そうですね、ちょっと恥ずかしいですね。でも、嬉しいです。

区長 ところで、日本舞踊では大阪府知事賞を受賞されるなど活躍されていますが、何か結果を出すために大事にしていること、大事だと思っていることは何ですか?

獅野さん やはり、お稽古です。

区長 稽古を続けていくためには何かがないと続かないと思いますが、続けていくためには何が必要ですか?

獅野さん 師匠と弟子との信頼関係です。師匠を慕う心があってこそだと思います。師匠が僕の為に振付を覚えてお稽古をつけてくださいます。師匠からもっと教えていただけるよう、僕もさらにがんばります。

区長 師匠を慕っているんですね。師匠のどんな所に「ついて行こう」と思うんですか。

獅野さん 師匠はやさしくて滅多に怒らない方です。20歳の頃より御宗家の元に内弟子として入門され、同時に御宗家主宰の舞踊団「日本舞踊アカデミーASUKA」の正団員として活躍されています。今は世界に羽ばたく舞踊家を育てたいとおっしゃられています。日本舞踊はとてもお金がかかるのですが、お金があまりかからないような舞台を作りたいと思っておられます。僕は海外で公演したいという夢があります。師匠のホームページを見たときに、師匠の海外公演情報が載っていたんです。「ついて行こう!」と思いました。(注意)御宗家:飛鳥峯王さん

区長 師匠と弟子、監督と選手、先生と生徒。確かに信頼関係が必要ですね。師匠を信頼する弟子みんながいい成績をとれるわけではない。人より優れた結果を出す為には何が必要だと思いますか?獅野さんの個人的な能力も関係しますか?

獅野さん いえ、師匠とは家族とのような信頼関係が大事だと思います。たとえば、コンテストの1ヶ月前に師匠が御宗家のお稽古場に連れていってくださり、6回御宗家にお稽古をつけていただきました。「御宗家があなたにお稽古をつけてくださるのは、紅梅先生が御宗家のことを信頼しまた尊敬しているからですよ。」と二代目家元飛鳥珠王先生がおっしゃられたことがあります。その通りだと思います。御宗家と師匠、師匠と僕の信頼関係が大事なんだと思います。特に、コンテストや舞台の時に大切にしていることは、師匠や両親や応援していただいている方への感謝の気持ちと師匠への尊敬と信頼です。

区長 感謝と尊敬と信頼ですね。良い師匠や監督にめぐり合うことが大事ですね。

獅野さん はい。周りの人を信頼できる方が良い成績が出ると思います。自分だけではできません。

区長 周りの人を信頼すると良い成績が出るのでしょうか?

獅野さん はい。周りの人を信頼し感謝の気持ちで頑張ることで良い結果が出るのではないかと思います。

区長 師匠のどんなところを信頼していますか?

獅野さん 人間性と芸術面です。何があっても自分の弟子を信じる母のような人間性です。芸術面に関しては、師匠と話しをします。家族とは、なかなか踊りの話はできませんし。僕が話しても家族には「はい?」と言った表情をされることもあります(笑い)

区長 なるほど。師匠と獅野さんの関係は、親が子どもを愛するような関係ですね。

獅野さん はい。師匠には受験の時にも支えてもらいました。

区長 受験の時にもですか?

獅野さん 小学6年生の11月ぐらいからイベントに出始めたのですが、楽しくて夢中になりすぎて踊りのことばかり考えていたら成績が落ちてしまいました。毎回学校の懇談会の帰り道に母から「これ、何点満点のテスト?」と言われていました(笑い)。

区長 踊りに一生懸命で勉強がおろそかになってしまったんですね。

獅野さん 師匠にも叱られました。「努力すべき時に努力できない人、忍耐すべき時に忍耐できない人は何も成就できないよ!」と言われました。それで、学業の為に3ヶ月間ほど踊りのお稽古を休んだんですが、師匠にはメールで勉強の方法などをアドバイスしていただいたり、励ましたりしていただきました。お陰さまで今は成績は安定しています。踊りのない生活は辛かったです。

区長 その3カ月間はどうやって耐えたんでしょうか?

獅野さん 実は、こっそりテレビで歌舞伎を見て踊りの勉強をしていました(笑い)。合格通知が来た時は、両親よりも先に師匠に電話しました。

区長 学業と踊りの両立には苦労されたんですね。踊りをしていて苦しいことはありますか?

獅野さん いえ、楽しいことばかりです。ただ、言葉づかいには気を付けました。教室に入ったころは小学6年生でしたので、敬語がわからず師匠とメールをやりとりしていて、使い方が違う点は注意していただきました。

区長 踊りに敬語は必要なんですか?

獅野さん はい。師匠や周りの方々とのコミュニケーションが大切ですから、敬語や丁寧語がうまく使えればコミュニケーションもうまくとりやすいと思います。踊りが上手でも言葉づかいができないと駄目です。師匠に叱られます。舞踊家同士のコミュニケーションは重要です。僕が御宗家やお家元とお話しするときに言葉づかいが良くないと、師匠が恥をかきます。幼いころ祖母に習っていた時は、師匠と弟子というよりも、どうしても祖母と孫との関係でしたので、言葉づかいは師匠に改めてご指導していただきました。

区長 敬語や丁寧語はどうやって覚えましたか?

獅野さん 師匠の言い回しを真似たり、ネット(インターネット)で調べたりします。

区長 インターネットで調べるところは、いまどきの高校生ですね。ところで、先ほども少しお話が出ましたが、獅野さんの舞踊家としての夢や目標は?

獅野さん まず、名取をいただき自分のお稽古場を開きたいです。日本舞踊という伝統芸能や文化を未来へ残したいし、海外公演もしてみたいです。

区長 日本の伝統文化を未来へ伝えたいと思ったのはなぜですか?

獅野さん 日本舞踊を習う若い人が減ってきています。若い人にはダンスやヒップホップやバレエが人気があります。

区長 そういった欧米から入ってきたダンスと比べて日本舞踊はどんな所が良いでしょうか?

獅野さん 扇子一本でいろんな表現ができるところです。作品によって煙管や山や川、住吉大社の橋なども表現します。

 他のダンスにはあまりないと思います。

区長 なるほど。そういった日本の伝統を伝えようとする気持ちは他の高校生にはなかなかないと思いますが、師匠の影響が大きいんでしょうか?

獅野さん はい。師匠の思いがあるからだと思います。

区長 師匠から受けついだものなんですね。

獅野さん はい。師匠は、踊りは心の表現だとおっしゃいます。一つの物語をどう表現するかということを考えるんです。

区長 素晴らしいですね。では、なぜ海外公演をしたいのですか?

獅野さん 海外の方のほうが日本の伝統芸能や文化を高く評価してくださっています。世界の舞台で踊りたい!と考えたほうが、夢があり頑張れます。オペラハウスなどでも公演してみたいです。

区長 具体的な計画やそのためにしていることはありますか?

獅野さん 20代で海外公演をしたいです。その為には日々の稽古やイベントなど目の前のことをしっかりとしていきたいです。

区長 ありがとうございました。がんばってくださいね。


舞台での華やかなお写真も見せていただきました。


獅野さんから日本舞踊での手の動きについて説明を受ける吉田区長。区長のぎこちない動きに笑いが起きました。


普段着姿は普通の高校生です。


獅野勇貴(ししのゆうき)
1997年生まれ 
住吉区在住、小中高校と住吉区内の学校に通う。清明学院高等学校2年生。
2歳の時より祖母に踊りの手ほどきを受け、12歳で日本舞踊飛鳥流師範飛鳥紅梅師に師事、14歳で日本舞踊飛鳥流宗家飛鳥峯王師が主催する舞踊団「日本舞踊アカデミーASUKA」の舞台に出演。2015年日本舞踊「若菜会」ジュニアコンテストにて大阪府知事賞受賞。地域や関西の総領事館でのイベントなど地域交流や国際交流の場で活躍し、プロの日本舞踊家、指導者をめざす。

田中絵里奈さん 夢はバトンの延長線上に


演技中の田中さんです。


学校の帰りに来ていただきました。


吉田区長の質問にはにかみながら一生懸命答えていただきました。

区長 こんにちは。田中さんは、バトンをされているそうですが、何歳からどんなきっかけで始めましたか?

田中さん 4歳のときに幼稚園にバトンの先生が教えに来てくれたのがきっかけです。

区長 やってみて楽しかったんですか?

田中さん はい。おもちゃのバトンがあって、「これ欲しい!」って言ったりして。楽しかったです。

区長 バトンを手にとってまわしてみて、習おうと思ったということは、よほど楽しかったんですね。普段はどこで練習しているんですか?

田中さん レッスンは富田林市のバトンスタジオWIZです。自主練習はいろんな体育館でやります。

区長 週何回くらい練習しているんですか?

田中さん レッスンは週3回、あとは自主練習です。平日は学校が終わってから帰宅してすぐに練習に向かいます。

区長 学校が終わってすぐなら、友達とおしゃべりもできないですね。

田中さん はい。特技コースというクラスにいるので、周りの友達も部活などで忙しいですし。でも、大会前でなければ遊びに行くこともあります。

区長 そうですか。特技コースというのはどんなクラスですか?

田中さん いろんな競技をやっている生徒がいるクラスです。みんなの競技の話を聞くのはとてもおもしろいです。いろんなスポーツをやっている人がいるから刺激になると思って入学しました。

区長 例えば、どんな話を友達とするんですか?

田中さん バレエをしている人に発表会のDVDを借りて見せてもらったりします。勉強になります。

区長 なるほど。刺激になるいい環境ですね。ところで、田中さんは毎日バトンを一生懸命練習されて、素晴らしい成績を収めておられますが、そのために最も大切にしたことは何でしょうか。

田中さん 大会までに何度も練習してちゃんと準備しておくことです。

区長 どんな練習をしているんですか?

田中さん 振りに入っている技を何回も繰り返して練習します。次に曲をかけて通して練習します。

区長 繰り返し練習するんですね。みんな一生懸命練習すると思うのですが、良い成績を収めるのは限られた人だと思います。良い成績を収める人は何が違うのでしょうか。

田中さん 大会の時のメンタル、気持ちだと思います。緊張をしても、「練習をしたから大丈夫」と思うと落ち着きます。

区長 大会前は緊張しますか?

田中さん はい。会場では本番までに練習ができるので、それほどでもないのですが、会場の体育館に入る前の待ち時間が一番緊張します。

区長 緊張にひたすら耐えるんですか?

田中さん はい。小さい時はあまり緊張しなかったですが、いろいろ分かってきてからは、だんだん緊張するようになりました。緊張してバトンを落とすこともあります。

区長 そうなんですね。大会にはご両親は来られるんですか?

田中さん はい、母がついてきます。父もたまに見に来てくれます。

区長 応援されると嬉しいですか?緊張しますか?

田中さん 嬉しいです。でも、集中すると観客席の声は聞こえなくなるので、同じスタジオの人たちの声援も聞こえません。

区長 そうですか。集中力があるんですね。バトンをしていて辛かったことはありますか?

田中さん 中学3年生の時、中学部門では一番年上なので「全国大会に行かないといけない」と思って緊張してボロボロになって良い成績を出せませんでした。その時は辛かったです。

区長 そこからどう立ち直ったんですか?

田中さん 来年がんばろう、と気持ちを切り替えました。

区長 練習がいやになる時はありますか?

田中さん ありません。大会前は毎日練習があるので、たまには遊びたいと思いますが、小さい時からそうなので辛くありません。

区長 ところで、バトンは表現も大切だと思いますが、振りや曲や衣装のデザインは自分で考えているんですか?

田中さん いえ、大きい大会では先生が振りや衣装デザインもしてくださいます。その他の大会であれば、お母さんと私で一緒に考えたり、先生から「この曲はどう表現するか」という課題をもらって自分なりに考えて表現したりもします。

区長 曲を聞いて表現するというのは難しいですよね。

田中さん はい。バトン用の曲を使うんですが、普通の曲のPVを見てイメージを固めて表情や強弱を付けようと考えることもあります。

区長 さきほどバレエのDVDを見ることがあると話されていましたが、練習方法も他の競技を参考にすることはあるんですか?

田中さん はい、レッスンではバレエやマット運動も練習に取り入れています。筋トレもします。寝る前に腹筋運動もします。

区長 いろんな練習をしているんですね。今、とても一生懸命練習されていますが、田中さんはバトンの世界でどのようになりたいですか?

田中さん 大会に出て「この人すごい!」と思ってもらえる選手になりたいです。誰が見てもすごいなと思ってもらいたいです。もう一度世界大会にも行きたいです。

区長 次の世界大会はいつですか?

田中さん 次はカナダで開催されます。関西大会が2月、全国大会が3月にあります。その中で選ばれたらカナダに行けます。

区長 他にはありますか?

田中さん バトンがオリンピック競技になればいいなと思います。もっとテレビに出たりしてほしいです。

区長 では、一人の高校生として、将来はどんな夢がありますか?

田中さん まだはっきりとは考えていませんが、トレーナーなどのスポーツ関係やテーマパークで踊る仕事がしたいです。

区長 やはり、夢はバトンの延長線上にあるんですね。

田中さん はい、想像すると楽しいです。

区長 ありがとうございました。夢に向かってがんばってくださいね。

 

 新年に向けて田中さんからのメッセージ

もっと頑張って良い成績が出せるよう頑張ります。応援、よろしくお願いいたします!


見事なバトンさばきです!


ポーズをとっていただきました。ばっちり決まっています。


田中絵里奈(たなかえりな)
1999年生まれ 河内長野市在住。大阪学芸高等学校1年生
4才からバトンを始め、バトンスタジオWIZにて練習に励む。好きな食べ物はみかん。平成26年度大阪府・大阪府教育委員会大阪スポーツ賞(バトントワリング)優秀選手賞受賞

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