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再発見!すみよし文化レポート その15

2024年3月19日

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再発見!すみよし文化レポートその15 大阪市立大学新聞 Hijicho (ひじちょう)

住吉区で文化的・歴史的活動をされている個人や団体に活動内容や住吉の魅力についてお話を聞いていきます。

 注 現在、「大阪市立大学」は「大阪府立大学」と統合し、「大阪公立大学」へ名称が変わっていますが、このレポートでは作成当時の「大阪市立大学」と表記しています。

新聞だけじゃない、つながりも創り出す 大学新聞Hijicho

 大阪市住吉区の南部にある大阪市立大学は、2015年に創立135周年を迎えます。現在では日本最大の公立大学であり、大阪市内に位置する唯一の総合大学です。歴史ある大阪市立大学で、学内のみならず学外にも積極的に活動の場を広げる大学サークルがあります。大阪市立大学新聞Hijicho(ひじちょう)別ウィンドウで開くのみなさんです。Hijichoは2011年に3人の学生を中心に発足し、単なる大学新聞サークルの活動に囚われず、様々な活動をとおしてHijichoの理念である「つながりの創出による地域活性化」を体現しようとしてきました。今回は今春から社会人になる第2代代表の石原奈甫美(いしはらなほみ)さん、2月に第6代代表に就任した大塚成美(おおつかなるみ)さんに、Hijichoでの活動、住吉と大学や学生との関わりについてお伺いいたします。

仲はいいが、慣れ合わない


第2代代表の石原さん(左)と第6代代表の大塚さん(右)

―石原さんにお伺いします。Hijichoに入ったきっかけは何ですか?

 石原:入ったきっかけは、Hijichoの「つながりの創出による地域活性化」という理念に強く共感したからです。新歓(新入生歓迎会のこと)で、「『大学』というのは、大学そのものだけではなく、大学とその周りの地域も含めたコミュニティである」という考えを聞き、とても興味深く思いました。

 

―立派な理念ですね。実際の活動はどんな雰囲気なんですか?

 石原:私は創設時に入ったので、特に風通しが良く、会議ではお互いに書いた文章を批判しあっていました。ちゃんと練ってきた文章やイベント企画には、みんなが意見をくれます。それぞれが各々の得意分野を生かせている雰囲気が大好きで、私自身も主体的に動けたと思います。実際に入ってみて、理念どおりの活動だと思いました。

 

―取材しているときに、困ったことはありますか?

 石原:取材の前には、あらかじめ聞きたい事やある出来事があって取材するんですが、初めは、聞きたいことはわかっていても、流れはどうすればいいのか分からなくなって、緊張というか、ぎくしゃくしてしまったり、うまく聞き出せなかったり、掘り下げられなかったり、と悩んだこともありました。だんだん慣れていくと、取材相手に対して、「この人が伝えたいことは何か」と相手の軸を考えて、その軸を中心に質問できるようになりました。聞いたことを文章にするときにも、もどかしさがあります。聞いた事や感じた事を文字にしても、そのままでは読みにくかったりわかりにくかったりもしますし、工夫しました。書きあがった記事は、他の部員が指摘してくれたり、校正したりする過程で、私が記事に込めた思いと、読者が受け取るだろう思いが一致するようになるんだと思います。

 

―そうやって、書く力も、聴く力も、ついていったんですね。その力が他の場面でも生かせたりしたんでしょうか?

 石原:他の活動や就職活動でも活かせたと思います。いろんな意見を持っている人がいるので、その意見を否定するのではなく、いろんな意見の中で、自分の意見をどう提案していったらいいか、と考えるようになりました。

 

―Hijichoの活動の中で、何か特に印象に残っていることはありますか?

 石原:お互いに批判することが重要だということを感じました。何かを提案するときには、事前に十分な準備が要ることも学びました。準備を重ねてきたものには、それだけ思い入れも明確になるとも思いました。常に、「この目的のために、これがしたい!」と意識するようになりました。先輩同士がお互いに慣れ合いじゃなかったことが大きかったと思います。私にも同じように接してもらえました。いい記事にはみんな食いついてくれたり、そうでもないものに対しては、あまり反応してもらえなかったり。みんな仲はいいですが慣れ合いではなかったです。

地域にも関わっていくHijichoらしさ

―Hijichoは、大学新聞の発行だけでなく、地域のイベントにも関わっていますね。

 石原:はい。理念のとおり、学外に積極的に関わっていくのがHijichoらしさだと思っています。例えば、「あさかでまつり」というイベントがあって、その告知や報告記事を掲載しています。市大(大阪市立大学のこと)のクラブ・サークルを巻き込んでいて、市大生も多く関わっているのですが、大学の近所に下宿している学生からは「知らなかった」「こんなんあるなら行ってみたい!」という反応があったりもします。大学の周りの地域のことに興味を持ってもらったり、新鮮に思ってもらえたりしたら、と思います。

 

―市大生はもっと地域に関わるべきですか?

 石原:うーん、そうですね。関わってみたらいいと思います。関わってみたら楽しいのになあと思います。

 

―他に地域に人たちと関わったことはありますか?

 石原:はい。大空小学校の4年生(当時)と一緒に壁新聞を作るためにいろんなところに取材に行きました。想像していたよりも、住吉区には歴史がある、守るベきものがいっぱいある、と私自身が取材を通して感じました。そう感じたことを、私も子どもたちも、今よりもうちょっととうまく伝えられたらいいなあと思います。いい経験でした。壁新聞をご覧になった方からは、「感心した」と言っていただけましたし、出来あがりは想像を超えていたと思います。私も出来あがった新聞を見て、子どもたちに対して、「すごいなー!」と思いました。

 

―子どもたちだけでなく、大空小学校の先生がたとのやりとりもありましたね。

 石原:先生には本当にお世話になりました。先生たちは子どもたちのことをしっかり見ていて、私たちHijichoがやりたいことも常に考えて下さっていました。嬉しいし、すごく尊敬します。その人を信じるというか、その人の可能性を考えてくれていました。

 

―大空小学校のみなさんには本当にお世話になりましたね。学内イベントもいろいろされているようですが、どんなイベントがありますか?

 石原:学内では、留学生交流会を企画しました。私たちが「学内にも『海外』がある」というコンセプトで企画しました。海外に興味を持つ学生が増えているし、学内には留学生が増えている。でも両者は交流できていないので、両者をつなげたいと思いました。このイベントはおもしろかったです。みんなの言葉や文化が違うことを考えて、言葉を使わない一体感を味わえる「人間知恵の輪」など、ゲームなどのコンテンツを工夫しました。当日は70人が集まり、とても楽しかったです。

 

―本当に、新聞だけにとどまらず、いろんな活動をされていますね。では、新代表の大塚さんにも聞いてみたいと思います。大塚さんは新代表としての抱負というか、意気ごみはあるんでしょうか?

 大塚:はい。理念である「つながりの創出による地域活性化」のとおり、地域とのつながりも大切にしていきたいです。学内新聞なので、意識が中に偏りがちなんですが、いろんな所に顏を出したり、小さいことからコツコツと積み重ねていって、それを広げていきたいです。

 

―新代表というと、ちょっとプレッシャーも感じますか?

 大塚:はい、そうですね(笑い)。学内でも学外でも活動的になればなるほど、それだけ責任も大きくなります。活動を広げるなかで、大切なことも重要なことも行っていくことになると思うので、その点では気を引き締めなければいけないなと思いますし、自覚を持たないと、と思います。

 

―大塚さんから見て、石原さんはどんな先輩ですか?

 大塚:石原さんは、尊敬するところがいっぱいあるし、引き継げるところは引き継ぎたいです。

 石原:Hijicho安泰!(笑い)でも、大塚さんには、自分らしくがんばってほしいです。Hijichoを利用するぐらいの気持ちでいいと思います。

 

―石原さんから、大塚さんはじめ、今後のHijichoに向けて何かメッセージはありますか?

 石原:そうですね。新聞発行にこだわりすぎず、潜在的な需要をくみ取って、どんどんおもしろいことにチャレンジしていってほしいです。

 大塚:がんばります。

 

―では、最後に、石原さんから見た「住吉」ってどんなまちですか?また、住吉というまちと大学や学生がどんなふうに関わっていけばいいと思いますか?

 石原:正直に言うと、市大に入る前は、「住吉」というまちにイメージがなかったです。あまり知らなかったですね。でも、入学して、Hijichoに入ってからは、人があったかくて、歴史や文化を伝えていこうっていう動きがすごくあるまちだなと思うようになりました。大学生と地域がうまく関わって、win-winの関係になってほしいです。地域の人が大学や学生に頼ったり、大学や学生が地域の人に頼ったりといった一方通行だけではなく、お互いに対等な立場で、いいものをどんどん生み出してほしいと思います。

 

石原さん、大塚さん、ありがとうございました。

大阪市立大学地域連携発表会でポスターセッションに大塚さんが参加しました!地域イベント「レンゲdeすみ博」での取組みを紹介しました。


すみ博実行委員で画家の青江鞠さんも応援に来られました。左から大塚さん、青江さん、石原さん。


昨年(2014年)のレンゲdeすみ博は雨の中の開催となりましたが、たくさんの子どもたちが、Hijichoが企画・実施した、住吉大社内をまわるスタンプラリーを楽しみました。

  • すみ博別ウィンドウで開く

    レンゲdeすみ博について詳しくはこちら


子ども壁新聞の授業風景。記事の書き方を大空小学校4年生(当時)に説明している様子です。


子ども壁新聞の取材風景です。我孫子南中学校のあびなんミュージアムを取材しました。


左:石原 奈甫美(いしはら なほみ)
大阪市立大学経済学部卒、春からは新社会人
第2代大阪市立大学新聞Hijicho代表 

右:大塚 成美(おおつか なるみ)
大阪市立大学法学部3回生
第6代大阪市立大学新聞Hijicho代表

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