大阪市生活困窮者自立相談支援事業【相談支援】実施要領
2025年4月3日
ページ番号:382611
1 目的
本事業は、生活困窮者が抱える多様で複合的な問題につき、生活困窮者からの相談に応じ、必要な情報提供及び助言を行うとともに、生活困窮者に対する支援の種類及び内容等を記載した計画の作成、生活困窮者に対する認定生活困窮者就労訓練事業の利用のあっせん等さまざまな支援を一体的かつ計画的に行うことにより、生活困窮者の自立の促進を図ることを目的とする。
2 実施方法
大阪市(以下、「本市」という。)を実施主体とし、各区生活困窮者自立支援事業主管課において、本市が直接行うこととされている事務を行う。
本市が直接行うこととされている事務を除いては、事業を適切、公正、中立かつ効率的に実施することができる、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人その他の適当と認める民間団体に、事業を委託する。
3 事業内容
「生活困窮者の自立と尊厳の確保」及び「生活困窮者支援を通じた地域づくり」を本事業の目標に置き、以下の取組を実施する。
(1)取組内容
ア 包括的かつ継続的な相談支援
生活困窮者に対して広く相談対応を行うとともに、生活困窮者が抱える多様で複合的な課題を包括的に受け止め、生活困窮者の置かれている状況や意思を十分に確認(以下、「アセスメント」という。)した上で、支援の種類及び内容等を記載した自立支援計画(以下、「プラン」という。)を作成する。
また、プランに基づく支援開始後も、それらの効果を適切に評価・確認しながら、生活困窮者の状況に応じた適切な支援を行い、生活困窮者の自立までを包括的・継続的に支えていく。
イ 生活困窮者支援を通じた地域づくり
生活困窮者の早期把握や見守りを行うため、関係機関等のネットワークを構築し、包括的な支援策を用意するとともに、生活困窮者の社会参加や就労の場を広げていく。さらに、生活困窮者の支援にあたっては、既存の社会資源を積極的に活用するとともに、社会資源が不足している場合は、新たに開発することに努める。
(2)配置職員
本市が委託により自立相談支援事業を実施する機関(以下、「各区自立相談支援機関」という。)には、主任相談支援員、相談支援員を配置する。なお、主任相談支援員及び相談支援員は住まい相談支援員を兼務する。また、必要に応じて、その他職員を配置することができる。
自立相談支援機関に配置する職員の他、総合就職サポート事業において就労支援員を配置する。その他、ホームレス巡回相談を行う相談支援員、居住支援事業の利用者に対する相談支援を行う相談支援員は別途定める。
ア 主任相談支援員
各区自立相談支援機関における相談業務全般のマネジメント、他の支援員の指導・育成、支援困難ケースへの対応等の高度な相談支援を行うとともに、社会資源の開拓・連携等を行う。
イ 相談支援員
生活困窮者へのアセスメント、プランの作成を行い、様々な社会資源を活用しながらプランに基づく包括的な相談支援を実施するとともに、相談記録の管理や訪問支援等のアウトリーチ支援を行う。
ウ 住まい相談支援員
住まいの課題を中心とした相談支援、住宅関係機関や福祉関係機関からの相談対応、物件・支援等の情報収集や住まいに係る地域の支援ニーズの把握等を行う。
4 包括的かつ継続的な相談支援
生活困窮者に対する包括的かつ継続的な相談支援は、以下の手順で実施する。
(1)生活困窮者の把握・相談受付
ア 各区自立相談支援機関で、生活困窮者の複合的な課題に包括的・一元的に対応し、来所または電話等による相談を受け付ける。
イ 相談受付時に、相談の主訴を丁寧に聞き取った上で、他制度や他機関へつなぐことが適当か判断(振り分け)する。
ウ 他制度等の紹介のみで対応が可能な場合や、明らかに他制度や他機関での対応が適当であると判断される場合は、情報提供や他機関へつなぐことにより対応する。
エ 相談内容から、各区自立相談支援機関による支援が必要であると判断される場合は、当該相談者(以下、「支援対象者」という。)から、利用申込を受けて、支援にあたって必要となる関係機関等への個人情報の共有の同意を得るとともに、丁寧なアセスメントを行う。
アセスメントにより、支援対象者に関する様々な情報を把握・分析した後、各区自立相談支援機関において、プランを作成し継続的した支援を行うか、または、他制度や他機関へつなぐことが適当かを改めて判断(スクリーニング)する。
オ 他制度や他機関へのつなぎが適当と判断された場合は、支援対象者の状況に応じて適切に他の相談窓口等へつなぐとともに、必要に応じてつなぎ先の機関へ支援対象者の状況について確認する等、適宜フォローアップに努めること。
また、生活保護制度へつなぐことが適切と判断された場合は、確実に各区生活保護業務主管課につなげるものとし、いわゆる相談のたらい回しとならないよう関係機関と連携した支援を行う。
なお、支援対象者の個人情報を関係機関と共有するためには、支援対象者の同意が必要であり、また、個人情報の保護に関する関係法令を遵守した取扱いが必要であることに留意すること。
カ 生活困窮者の中には自ら相談に訪れることが困難な者もいることから、各区生活困窮者自立支援事業所管課及び自立相談支援機関は、待ちの姿勢ではなく、支援会議を活用した関係機関間の情報共有や、民間団体等が地域づくりの取組として開設する「居場所」等の地域住民相互の交流を行う拠点との連携、また、生活困窮者の家庭や学校等への訪問等の地域の実情に応じた方法により、生活困窮者の状況を把握するように努めるものとする。
(2)アセスメント・プラン作成
ア スクリーニングの結果、各区自立相談支援機関による継続的な支援が妥当と判断された場合には、アセスメント結果を踏まえ、支援対象者の自立を促進するための支援方針、支援内容、達成目標等を盛り込んだプランを作成する。
なお、プランは、支援対象者の意思を十分に尊重した上で、支援対象者と各区自立相談支援機関との協働により作成すること。
イ プラン作成前においても、必要に応じて、住居確保給付金の支給等の緊急的支援や、各区自立相談支援機関による就労支援その他の地域における様々な社会資源を活用した各種支援が受けられるよう、必要な調整を行う。
なお、緊急的支援を実施した場合は、事後速やかにプランを作成し、支援調整会議へ報告を行うこと。
ウ プランには、各区自立相談支援機関が自ら実施する支援に加えて、次の(ア)から(キ)までに掲げる法に基づく支援や、(ク)から(コ)までに掲げる他の公的事業またはインフォーマルな支援等、支援対象者の自立を促進するために必要と考えられる支援を盛り込むものとする。
(ア)住居確保給付金の支給
(イ)自立相談支援事業による就労支援(総合就職サポート事業による支援)
(ウ)就労チャレンジ事業
(エ)認定就労訓練事業
(オ)家計相談支援事業
(カ)子ども自立アシスト事業
(キ)法律相談事業
(ク)公共職業安定所が実施する生活保護受給者等就労自立促進事業
(ケ)生活福祉資金貸付事業
(コ)上記のほか、様々な公的事業による支援及び民生委員等による見守り活動等のインフォーマルによる支援
エ 各区自立相談支援機関は、支援調整会議を開催し、プラン内容の適切性を諮るとともに、プランに基づく支援にあたって、関係機関等との役割分担について調整を行う。
オ 各区生活困窮者自立支援事業所管課は、自立相談支援機関が開催する支援調整会議に出席し、作成されたプランに就労チャレンジ事業(就労準備支援)、認定就労訓練事業、家計相談支援事業(以下、「支援決定を要する事業」という)が盛り込まれていた場合は、支援の決定を行う。それ以外のプランについては、支援の確認を行う。
カ (2)のウの(ク)の事業につなぐ場合については、各区自立相談支援機関は、支援調整会議において支援の確認等がされたプランの写しとともに、必要書類を公共職業安定所に送付することにより、支援要請を行う。
(3)支援の提供・評価等
ア 各区自立相談支援機関は、実施主体の支援決定または確認を受けたプランに基づき、各区自立相談支援機関自ら支援を実施するほか、各支援機関から適切な支援を受けられるよう支援対象者との関係形成や動機づけの支援を行う。
イ 各支援機関による支援開始後も、各支援機関との連携・調整はもとより、必要に応じて支援対象者の状況等を把握(モニタリング)する。
ウ プランの評価は、以下の状況を整理し、概ね3か月、6か月、1年毎等、支援対象者の状況に応じた時期及び支援終結時に、支援調整会議において行う。
(ア)目標の達成状況
(イ)現在の状況と残された課題
(ウ)プランの終結・継続に関する、支援対象者の希望・支援員の意見等
エ 評価の結果、支援の終結と判断された場合は、他機関へのつなぎや地域の見守り等の必要性を検討し、必要に応じてフォローアップを行う。
特に、就職後の一定期間については、支援対象者の状況を適宜把握し、必要に応じて相談対応を行う等、職場への定着支援に努める。
オ 評価の結果、プランを見直して、支援を継続する必要があると判断された場合は、改めてアセスメントの上、再度プランを作成する。
5 支援調整会議
(1)目的
支援調整会議は、プランの作成等にあたり、以下の4点を主な目的として開催する。
ア プランの適切性の協議
各区自立相談支援機関が作成したプランの内容が、課題解決及び目標の実現に向けて適切であるかを、本市及び関係機関等が参画し、合議のもとで判断する。
イ 各支援機関によるプランの共有
支援方針、支援内容、役割分担等について、各支援機関の共通認識を醸成し、各支援機関の役割を明確化する。
ウ プラン終結時等の評価
プラン終結時等においては、支援の経過と成果を評価し、各区自立相談支援機関による支援を終結するかどうかを検討する。
エ 社会資源の充足状況の把握と開発に向けた検討
個々のニーズに対応する社会資源が不足していることを把握した場合には、それらを地域の課題として位置付け、社会資源の開発に向けた取組を検討する。
(2)開催方法
具体的な開催方法については、各区自立相談支援機関において、各区生活困窮者自立支援事業主管課と調整の上、区の実情や相談者数等に応じ、会議開催のルールを定める。
(3)留意点
支援調整会議を効率的に開催するため、各区自立相談支援機関は支援調整会議を開催する前に、プランに盛り込む支援サービスの利用について、必要に応じて各区生活困窮者自立支援事業主管課やその他関係機関等との間で調整を行う。
6 支援決定
(1)各区生活困窮者自立支援事業主管課は、プランに盛り込まれた支援決定を要する事業の利用について、当該プランの内容が適切であるか否かを確認し、その可否に係る支援決定を行う。
(2)各区生活困窮者自立支援事業主管課における支援決定は、以下の手順により行うものとする。
ア 各区自立相談支援機関は支援調整会議で了承されたプランを各区生活困窮者自立支援事業主管課に提出する。
イ 各区生活困窮者自立支援事業主管課は、プランに盛り込まれた支援決定を要する事業の支援方針、支援内容等について確認するとともに、事業の利用要件に該当しているかを確認する。
ウ プランに盛り込まれた支援決定を要する事業について、利用要件に該当していることが確認できた場合は、各区生活困窮者自立支援事業主管課において決裁し、決裁後、速やかに利用者へ支援決定通知書を交付する。
(3)上記(2)のイにおいて、支援決定できない場合は、各区生活困窮者自立支援事業主管課は、各区自立相談支援機関にその理由を伝える。
各区自立相談支援機関は、支援対象者や関係機関等と再度プラン内容について確認・調整を行い、プラン内容の見直し等を図った上、改めて各区生活困窮者自立支援事業主管課へ提出する。
7 生活困窮者支援を通じた地域づくり
生活困窮者の自立に向け、包括的かつ継続的な支援が提供されるよう、自立相談支援機関が中心となって、支援調整会議その他の既存の合議体も活用して検討の場を設ける。効果的かつ効率的に生活困窮者を早期把握し、チーム支援を行うためには、関係機関等との連携が重要であり、このためのネットワークづくりを一層進め、その活用を図る必要がある。
また、各区自立相談支援機関が当該検討の場、関係機関等とのネットワークを通じて、または、自ら把握した社会資源の不足については、支援調整会議その他の協議の場において地域の課題として認識した上で検討を行うとともに、生活困窮者の支援に関する新たな社会資源の開発に努める。
8 住居確保給付金の手続き
住居確保給付金の相談・受付業務は、各区自立相談支援機関において行う。
住居確保給付金における家賃補助を受ける間の面接業務は、基本的に総合就職サポート事業者において行うが、各区自立相談支援機関が面接を行うことを妨げるものではない。
また、住居確保給付金における転居費用補助の支給要件のうち、家計改善のために転居することが必要であること及び転居費用の捻出が困難であることについては、家計改善支援事業において確認を行う。
9 留意事項
(1)事業の実施にあたっては、「自立支援制度に関する手引きの策定について」平成27年3月6日社援地発第1号厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知の別添1「自立相談支援事業の手引き」及び「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアルの策定について(通知)」(平成27年3月27日社援発第2号厚生労働省社会・援護局長通知)等の関連通知を参照すること。
(2)相談支援にあたっては、「自立相談支援事業の手引き」に定める「自立相談支援機関使用標準様式(帳票類)」を使用すること。また、利用者ごとに支援台帳を作成し、管理すること。
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