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平成23年職員の給与に関する報告及び勧告

2023年9月29日

ページ番号:152379

平成23年の勧告のポイント

月例給は引下げ、ボーナスは改定なし

1  月例給について、公民較差(▲0.44%)を解消するため引下げ

  給料表の昇給カーブのフラット化(年功的な給与上昇の抑制)を考慮した改定

2  特別給(ボーナス)については、民間の支給割合とおおむね均衡しており、改定なし(現行3.95月分)

  (参考)勧告が実施された場合の平均年間給与は▲29,840円(▲0.44%)

給与勧告について

(基本的な考え方)

 人事委員会による地方公務員の給与勧告は、公務員が労働基本権を制約されていることに対する代償措置の機能を有するものであり、公務員の給与水準について、各方面の理解を得る基礎である。

 本委員会は、情勢適応の原則に基づき、職員給与水準を市内民間給与水準に均衡させることを基本に、地方公務員法の規定に基づき、報告及び勧告を行っている。

(職種別民間給与実態調査)

 本年6月から8月(東日本大震災のため、例年より2か月近く遅れて実施した。)にかけて、市内の企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の民間事業所のうち337事業所を対象に、人事院及び大阪府人事委員会等と共同で、本年4月の給与月額等を職種別に実地調査(調査完了率87.3%、調査実人員15,380人)

平成23年の給与改定について

1 職員給与と民間給与の比較

(1) 比較の方法  

<月例給> 職員と民間従業員の本年4月分支給額を調査し、責任の度合、学歴、年齢別に対応させ、ラスパイレス方式により比較

<特別給> 民間従業員に対する直近1年間の支給実績を調査し、職員の支給月数と比較

(2) 比較の結果

月例給

民間給与

本市職員給与

較  差

424,251円

減額措置前

426,133円

▲1,882円(▲0.44%)

減額措置後

412,742円

 11,509円(    2.79%)

(注) 職員給与は、本年4月の行政職給料表適用者の給与

(参考)昨年の較差 ▲1,486円(▲0.35%) 
公民較差の状況
特別給

民間支給割合(大阪市内)

 3.96月分   (昨年3.94月分)

職員の支給月数

 3.95月分 (22年実績 3.95月分)

(注)  勧告月数は、国・他都市と同様に、0.05月単位で決定しており、小数第2位を2捨3入・7捨8入するので、民間支給割合が3.96月分の場合は3.95月となる。

2 勧告の内容

(1) 給料表

 本市職員の給与が民間の給与を1,882円(0.44%)上回る較差を解消するため、本市給料表における年功的な給与上昇の抑制や職務給の原則の更なる徹底を図る観点から、給料表を以下の点に留意して改定すること。

 ・行政職給料表の引下げ改定

 〔1級及び2級〕初号付近の若年層に適用される号給については改定を行わず、号給の上昇に伴って最大で平均改定率まで改定率を大きくする。

 〔3級以上〕初号付近を平均改定率の7割程度から平均改定率程度の改定に止め、号給の上昇に伴って改定率を大きくしていき、各級の最高号給付近では平均改定率の1.5倍程度の引下げ改定を行う。

 ・行政職給料表以外の給料表の改定

 医療職給料表(1)を除き、行政職給料表との均衡を基本とした改定を行う。

(2) 実施時期等

 改定条例の公布日の属する月の翌月から実施すること。なお、平成23年4月からの年間公民給与を均衡させるため、医療職給料表(1)適用の職員及び給与減額措置が実施されている職員を除き、平成23年12月期の期末手当において、所要の調整措置を講じること。

3 勧告に基づく職員給与の試算

平均給与など

行政職

現行額(減額措置前)

勧告実施後試算額

増減

平均給与額

426,133円

424,251円

▲1,882円

平均年間給与額

6,757,104円

6,727,264円

▲29,840円

(参考)行政職 12,357人、平均年齢 42.2歳

<影響額(上記のとおり勧告が実施された場合の試算額)>

行政職  約▲3.7億円

(参考)教育職員(1,492人)を除く全職員(35,327人)について同様に実施された場合  約▲9.9億円

意見

1 高齢期における職員の活用を推進していくための取組み

(1) 本市における高齢期職員の雇用確保策に係る基本的な考え方

 年金支給開始年齢に至るまでの本市職員の雇用をどのような方策により確保していくかについては、今後の国家公務員の定年の動向を踏まえ検討を進めていく必要があるが、市民の理解を得られるような形で高齢期職員の活用を図っていく視点を持つことが重要であるとともに、職員が高い意欲を持って働くことができる本市組織にふさわしい雇用確保策となるよう検討を進める必要がある。

(2)人事制度の見直し

 本市において職員の勤務を65歳まで継続する場合には、職員の士気を確保し、組織活力を維持していくため、以下に掲げるような人事制度上の課題等について検討が必要となる。

 ア 採用・昇任管理

  職員の年齢構成のゆがみは是正する必要があり、中・長期的視点に立った採用計画に基づく新規採用等により優秀な人材を確保することが必要である。また、年次・年功的な昇任管理ではなく、適正な人事評価に基づく能力・実績による人事管理をより一層進めていく必要がある。

 イ 多様な働き方

  高齢期職員が希望する場合は、通常より短い時間での勤務を選択できるようにすることも検討する必要があり、その際には、職員の希望を聴取する仕組みを導入し、職員の主体的なキャリア形成を支援する必要がある。

 ウ 役職定年制

  本市における役職定年制の導入の必要性について、国の動向を注視しながら検討するとともに、導入に係る諸課題を研究検討していく必要がある。

 エ 職域の開発

  高齢期職員がいきいきと働くことができる職場環境を整備していくことにより、本市で活躍するすべての職員の一層の能力発揮を促すことにつなげていけるように取組みを進めることが肝要である。

 オ 特定職種の取扱い

  加齢に伴い就業が困難になる職務に従事する職員の取扱いについても検討を進める必要がある。

(3)給与制度の見直し

 高齢期職員の給与制度は、職務・職責を考慮しつつ、民間の給与水準を踏まえた制度とする必要がある。その際には、過度の給与水準の低下により職員の士気の低下を招かないよう慎重に検討するとともに、組織全体として持続可能な給与制度を構築していくことが肝要である。

 ア 60歳台前半層の給与水準・給与体系のあり方

  民間企業の状況を鑑みると、仮に定年の引上げを行う場合、60歳前と同水準の給与を維持することは適当ではなく、年間給与を相当程度引き下げることを検討する必要がある。また、再任用の拡充を行う場合においても、原則として希望者全員を再任するとした場合のあるべき給与水準について検討する必要がある。

 イ 60歳までの給与水準・給与体系のあり方

  年功的な給与上昇の抑制や、より職務給の原則に適った給与構造への転換を推進していくことを検討する必要がある。昨年の人事院勧告における50歳台後半層の給与抑制措置についても、国の状況を勘案しながら、本市において必要な措置を研究していく必要があるが、当面は、給料表の昇給カーブのフラット化の更なる推進や、昇格時期や昇給の見直しなどの方策を検討する必要がある。

2 給与構造・制度の改善に向けた課題

(1) 給料表における昇給カーブのフラット化の推進及び各級の給料水準等のあり方

 給料表の昇給カーブの更なるフラット化を進め、各級の給料水準にメリハリをつけたより職務給の原則に適った給料表構造へ転換していくため、研究検討を進めていく。

(2) 住居手当

 市内民間事業所及び他の政令指定都市の状況を鑑みると、本市において、直ちに持家に係る住居手当を廃止すべき状況にはないが、住居手当制度全般について検証を進め、今後の本市における制度のあり方を検討していく。

(3) 勤勉手当

 昨年の報告及び勧告で言及した、本市係長級以下の職員に支給する勤勉手当の基礎額に当該職員が受けるべき扶養手当月額等を算入せず、人事考課制度に基づく勤務成績に応じた割増支給率を算出する際の原資とする必要がある旨の内容について、本年12月期の勤勉手当より確実に実施されたい。

3 柔軟性に富んだ、活力ある組織づくり

(1) 活力ある組織のための多様かつ有為な人材確保

 ア 戦略的かつ計画的な人材の確保

  明確な採用戦略に基づき継続的かつ計画的に、優秀かつ多様な人材を確保していく取組みが必要である。そのためには、将来あるべき職員構成を踏まえ十分検討するとともに、現在の人材供給構造に即した採用方針及び試験方法とすることが肝要である。

 イ 人事交流の推進

  高い専門性を有する人材の活用や組織の活性化という観点からも任期付採用制度や民間企業・他の公務部門との人事交流を今後も積極的に行う仕組みづくりが必要である。また、人事交流による成果を組織としてより一層効果的に活用するため、戦略的に取組みを進めていくことも求められる。

(2)人材の育成

 ア  変革型組織を支える自律型人材の育成

  本年3月に改訂された「大阪市人材育成基本方針」の理念を職員に浸透させ、本市職員それぞれが能力向上に努める姿勢を持つことが必要である。一方、管理職員の部下育成能力の向上を図ること自体も本市が取り組むべき重要な課題であり、管理職員層を活性化する方策も必要である。また、性別による不当な差を設けることなく、職員の能力や適性に応じて育成していく取組みの継続が肝要であり、女性管理職員の登用について、一層取り組んでいくことが求められる。

 イ 時宜に応じた人事評価制度と効果的な結果の活用

  人事評価制度の運用にあたっては、客観的に本市の制度内容を評価し、必要に応じて改善を図っていくことに加え、評価者・被評価者双方に対する研修等を継続的に実施していくことも必要である。なお、より目的に適った効果的な評価結果の活用方法について、検証も含めて研究検討を行っていく必要がある。

4 誰もがいきいきと働くことができる職場環境整備

(1) 適切な勤務時間管理と超過勤務の縮減

 超過勤務の発生要因に合わせて対策を講じることによって、超過勤務縮減の取組みをより一層推進していくことが必要である。また、管理職員が組織をマネジメントする立場から先頭に立って縮減への取組みを進めていくことが重要である。

(2)両立支援の推進

 職員に対して両立支援制度をより一層周知するとともに、職員が希望する両立支援策をできる限り利用できる職場風土を形成していくことが極めて重要である。また、引き続き男性職員の育児参加が進むよう制度利用しやすい職場環境づくり、制度利用に向けての啓発等を一つの大きなテーマとして取り組むことが肝要である。

(3)メンタルヘルス対策の推進

 本年3月に策定された「大阪市職員心の健康づくり計画」に基づき実施された職員に対するストレス調査等を有効に活用し、職員がセルフケアに努めるとともに、組織として職場のストレス状況を認識し、的確な対応をとっていくことが求められる。なお、管理職員の担う役割は非常に大きいため、管理職員を対象としたメンタルヘルスに係る研修を、内容の充実化も含めより実践的に実施していくことが必要である。

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