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平成25年職員の給与に関する報告及び勧告

2023年9月29日

ページ番号:235529

本年の勧告のポイント

月例給は引下げ、ボーナスは改定なし

1  月例給について、公民較差(▲4.19%)を解消するため引下げ

 ・ 賃金構造基本統計調査(賃金センサス)に基づく民間給与の傾向(役職段階別の給与水準等)を踏まえ、給料表等の引下げ改定

2  特別給(ボーナス)については、民間の支給割合と概ね均衡しており、改定なし(現行3.95月分)

  (参考)勧告が実施された場合の給与減額措置前の平均年間給与は▲279,405円(▲4.19%)

給与勧告について

(基本的な考え方)

 人事委員会による地方公務員の給与勧告は、公務員が労働基本権を制約されていることに対する代償措置の機能を有するものであり、公務員の給与水準について、各方面の理解を得る基礎である。

 本委員会は、情勢適応の原則に基づき、職員給与水準を市内民間給与水準に均衡させることを基本に、地方公務員法の規定に基づき、報告及び勧告を行っている。

 (職種別民間給与実態調査)

 市内の企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の民間事業所のうち447事業所を対象に、人事院及び大阪府人事委員会等と共同で、本年4月の給与月額等を職種別に実地調査し、363事業所から回答を得た。(調査完了率83.3%、調査実人員17,573人)

 ※民間給与の状況を広く把握するため、本年から調査対象を全産業に拡大し、実施

本年の給与改定について

1 職員給与と職種別民間給与実態調査に基づく民間給与との比較

(1) 比較の方法  

    <月例給> 職員と民間企業従業員の本年4月分支給額を調査し、責任の度合、学歴、年齢別に対応させ、ラスパイレス方式により比較

    ※ 収集した民間企業従業員の給与データについて、給与額の上下2.5%ずつ、合わせて5%のデータを公民比較の対象から除外した。

    <特別給> 民間企業従業員に対する直近1年間の支給実績を調査し、職員の支給月数と比較

(2) 比較の結果

月例給

民間給与

本市職員給与

較差

 

401,860円

 

減額措置前

419,439円

▲17,579円(▲4.19%)

減額措置後

395,388円

6,472円(  1.64%)

(注) 職員給与は、本年4月の行政職給料表適用者の給与

※ 給与減額措置として、給料月額(局長級▲14%、部長級・課長級・課長代理級▲11.5%、係長級以下▲3%~▲9%)及び管理職手当(▲5%)の減額が実施されている。

 (参考) 昨年の較差(8月時点試算) ▲7,236円(▲1.72%)

公民較差の状況

  

 

特別給

民間支給割合(大阪市内)

3.97月分(昨年3.95月分)

職員の支給月数

3.95月分(24年実績 3.95月)

(注)  勧告月数は、国・他都市と同様に、0.05月単位で決定しており、小数第2位を2捨3入・7捨8入するので、民間支給割合が3.97月分の場合は3.95月となる。

2 勧告の内容

(1) 給料表等

 本市職員の給与が民間の給与を17,579円(4.19%)上回る較差を解消するため、賃金構造基本統計調査(賃金センサス)に基づく民間給与の傾向を踏まえ、給料表を以下のとおり引下げ改定する必要がある。なお、給料月額の引下げに伴い、管理職手当についても、改定の必要性を検討する必要がある。

 ・行政職給料表の引下げ改定

  〔1級及び2級〕初号付近は改定せず、最高号給付近でも平均改定率の7割程度の改定にとどめる。

  〔4級〕初号付近では平均改定率の7割程度にとどめるとともに、号給の上昇に伴って改定率を大きくしていき、最高号給付近では平均改定率の1.2倍程度引き下げ改定を行う。

  〔6級〕初号付近を平均改定率程度とし、号給の上昇に伴い改定率を大きくし、最高号給付近では平均改定率の1.5倍程度引き下げ改定を行う。

  〔7級及び8級〕平均改定率の1.2倍程度の引下げ改定を行う。

  〔3級及び5級〕それぞれの前後の職務の級の給料水準とのバランスを考慮して改定を行う。

 ただし、給料月額が定額化されている部長級及び局長級、とりわけ局長級については、人材確保の観点から、慎重な対応も検討されるべきではないかと考える。

 昨年8月の給料表の改定により経過措置の対象となっている職員については、他の職員との均衡を図る観点から、経過措置の算定基礎となる給料月額を当該職務の級における最大改定率に準じて改定する必要がある。

 ・行政職給料表以外の給料表の改定

  医療職給料表(1)を除き、行政職給料表との均衡を基本として改定を行う必要がある。

(2) 改定の実施時期等

 改定条例の公布日の属する月の翌月から実施すること。なお、平成25年4月からの年間公民給与を均衡させるための調整は、給与減額措置が実施されている職員については行う必要はないと考える。

3 勧告に基づく職員給与の試算

平均給与など

行政職

現行額(減額措置前)

勧告実施後試算額

増減

平均給与額

419,439円

401,860円

▲17,579円

平均年間給与額

6,666,672円

6,387,267円

▲279,405円

 (参考)行政職 11,580人、平均年齢 42.0歳

<影響額(給与減額措置がないものとした場合の試算額)>

 行政職  約▲32.4億円

意見

1 本年の公民給与の比較と給与改定

(1) 公民給与の比較の在り方

 公民給与の比較方法については、ラスパイレス方式が安定した比較方法として定着していると考えるが、より市民の理解を得られる方法を模索していく必要がある。

 本年については、従前のラスパイレス方式による公民比較を基本としつつ、役職段階ごとの公民の給与水準を示すこととする。

(2) 本年の公民給与の比較

 ア 民間給与調査に基づく民間給与との比較

 収集した民間給与データには極端な額のデータも存在するため、そのうち給与額の上下2.5%ずつ、合わせて5%のデータを公民比較の対象から除外する取扱いとする。

 イ 賃金構造基本統計調査に基づく民間給与との比較

 賃金センサスの結果を民間給与調査の代替としてそのまま用いることには無理があると考える。そこで、役職段階や年齢等に応じた給与水準等の民間給与の傾向を把握し、それと職員給与の傾向とを比較するという方法を検討する。

 (賃金センサスに基づく民間給与の傾向)

 給与水準の幅をみると、民間の非役職者と本市の係員級(主務を除く。)では給与水準は概ね均衡しており、係長級では本市側がやや高め、課長級では本市側がかなり高く、部長級では本市側が高めとなっている。また、役職段階ごとに企業規模のほか、年齢及び勤続年数を加味した給与モデルの傾向を見ると、部長級、係長級、非役職者では企業規模1,000人以上では民間の給与水準が本市側より高く、それ未満の規模では本市側の給与水準の方が高い。課長級では企業規模5,000人以上では民間の給与水準が本市側より高いが、それ未満の規模では本市側の給与水準の方が高い。民間企業従業員全体の傾向としては、年齢階層の上昇に伴って所定内給与も増加するが50歳台前半層をピークに50歳台後半層から低減する。

(3) 給与改定の方針

 民間給与調査結果を用い、ラスパイレス方式により算出した本年4月時点の公民較差を解消することを基本としつつ、賃金センサスに基づく民間給与の傾向を踏まえた上で、具体的な改定を行うこととする。

2 給与制度等に関する課題

(1) 保育士、幼稚園教諭及び技能労務職の給与水準

 保育士、幼稚園教諭及び技能労務職職員についても民間の類似職種と給与比較すべきではないかとの指摘がある。保育士及び幼稚園教諭については、市内の民間における同種の職種の給与水準等を把握することとし、必要な調査等を実施した。技能労務職職員については、法律上、人事委員会の調査や給与報告及び勧告の権限が及ばないが、任命権者である市長等から要請があったため、民間の類似職種の給与水準の把握方法や職員給与との比較方法等の研究を進めているところである。

 現在、これら保育士、幼稚園教諭及び技能労務職の給与水準について、検証・検討を進めているところであるが、早急に結論を得るべく努めてまいりたい。

(2)給料表の構造と職員の執務意欲の維持・向上

 昨年8月に給料表各級の最高号給の大幅な切下げが実施され、現在、多くの職員に最高号給が適用される状態になっており、これらの職員については、現在より上位の職務の級に昇格しない限り、勤勉手当を除きその業績が給与に反映されないことになり、執務意欲の低下が懸念される。組織全体の活力を維持・向上させていくため、優秀な職員を積極的に抜擢することを進めるとともに、職員の給与水準等について、将来のビジョンを示し、職員が安心して職務に邁進できるような環境整備を行っていく必要がある。

(3) 昇給制度

 昨年、人事院は50歳台の官民の給与差が相当程度存在していることを考慮し、55歳を超える職員についての昇給制度の改正を勧告したところだが、本市では給料表の各級の最高号給の大幅な切下げや、局長級及び部長級の給料月額の定額化により、50歳台の職員の給与水準の上昇は一定抑制されているなど、国とは異なる状況もある。また、課長代理級以下の職務の級については号給数が大幅に削減されたため、標準の4号給昇給であっても比較的早期に最高号給に達するようになっているなど、現行の昇給制度及び給料表構造には50歳台の職員に限定されない課題もある。昇給制度の在り方については、これら本市の実態を含め、他都市の状況や民間における傾向等も考慮の上、将来の人事管理の全体像を見据えた検討が必要である。

(4) 住居手当

 市内民間事業所の住宅手当の支給状況を見ると、昨年と比べ、借家・借間及び持家ともにほぼ変わらない状況にある。今後、賃貸に係る住居手当の在り方等、制度全般について民間や他都市の状況も踏まえながら、研究・検討を進めてまいりたい。

(5) 公民比較方法等の更なる検討

 公民給与の比較に当たり、民間給与水準をどのように把握するのか、把握した民間給与水準をどのように職員給与と比較するのかということは、給与勧告制度の根幹に関わる課題であり、今後、更に研究・検討を進めてまいりたい。

3 高齢期における職員の活用

 公的年金の支給開始年齢の段階的引上げに伴い、雇用と年金の接続をどう図るのかについて、本委員会は昨年、再任用制度の活用によることが適当である旨を言及したところであるが、再任用制度を円滑に実施していくためには、定年退職後の職員の能力と経験を有効に活用するという観点から、次のような課題の検討が必要となる。

(1) 再任用の要件

 本市においても、「国家公務員の雇用と年金の接続について」の内容等を踏まえるとともに、本市の組織、人事管理の将来像を見据え、能力・実績に応じた任用を徹底することなどを考慮し、再任用の要件を検討していく必要がある。

   (2) 再任用の形態及び再任用者が担う職務

 現在は、定年前より低い職責での短時間勤務が一般的となっているが、今後はフルタイムでの活用や担う職責についても検討の必要がある。また、今後、再任用者の職域の確保を図りながら、職員の採用や若年・中堅層職員等の昇任機会にも配慮していく必要がある。これまで再任用が一般的ではなかった管理職については、定年前の職員の人事管理とのバランスを図りつつ、その能力と経験を活かせる専門的な職域を開拓することなどについても検討していく必要がある。

   (3) 職員に対する制度周知及び意向の把握

 職員に対し再任用制度について十分に周知するとともに、再任用に関する職員の希望や職員の意欲、能力、健康状態等を把握していく必要がある。

   (4) 再任用職員の給与の在り方

 国や他都市の状況を踏まえつつ、今後の再任用職員が担うべき職務や勤務形態等を考慮の上、適切な給与上の措置を検討する必要がある。

4 時代の要請に応じた活力ある組織づくり

(1) 活力あふれる組織のための多様かつ有為な人材確保

 昨年の大幅な採用試験制度の見直しの結果、求める人材を確保できているか検証するとともに、いわゆる中途採用者の処遇が適正か検証・検討し、改善を図っていく必要がある。また、若年層職員の確保と高齢期職員の再任用とを両立させ、本市組織体制を構築していくことが求められる。

(2) 人材の育成

 ア  相対評価による人事評価の検証と適切な評価結果の反映

 相対評価による人事評価によって、職員の能力・実績に基づく適正かつ厳正な評価結果に結びついているか等について、試行実施後に行った検証よりも詳細な検証を行い、その結果に応じて、更に制度を改善していく取組が不可欠である。また、人事評価を人材育成のためのツールとして有効に活用していくことが重要である。なお、職員の執務意欲の向上に資する評価結果の反映ができるよう、その手法について検証・検討していく必要がある。

 イ 自律的な人材の育成

 引き続き、管理職員に対する部下育成能力の向上に資する研修を実施するとともに、職員の自己啓発の取組を促進する仕組みを積極的に導入していくべきである。また、職員のモチベーション向上を図るとともに、人材を有効に活用する必要性から、職員が継続的に特定の分野において、その専門性を発揮して働くことができるような複線型の人事制度の導入について、検討していく必要があるものと考える。なお、必要十分な能力を有する女性職員を管理職員に積極的に登用していくことについては、本市としても率先して取り組んでいくことが求められる。

5 誰もがいきいきと働きやすい職場環境づくり

(1) 超過勤務の縮減

 超過勤務が発生する要因に合わせ、有効な策を講じていくことが必要であるが、超過勤務を当たり前のものとしない職員の意識改革や職場風土づくりが不可欠であり、それを土台に据えた上で、管理職員が職員の勤務時間管理を厳正に行うなど、組織を管理する立場として、その役割を適切に発揮することが重要である。また、本市行政として行うべき事務事業について優先順位をつけ取捨選択し、業務内容及び業務量の見直しを図ることに取組むことが肝要である。

(2) 両立支援の推進

 男性職員の極めて低い育児休業等の取得率を上げる取組を積極的に推進していくことが必要である。そのため、どのような両立支援制度があるのか一層周知を図るとともに、女性の社会的な活躍を促進するためにも、男性の育児参加が重要であることを特に啓発し、各職場においては職員の希望に応じて制度を利用できる環境を整備することが重要である。

(3) 職員の心の健康保持

 「大阪市職員心の健康づくり計画」に基づき、引き続き各所属での職場環境改善の取組等を、粘り強く実施していくことが肝要である。また、職員の健康保持等の観点からもパワーハラスメントに関する相談窓口を設置し職員に周知することや、パワーハラスメント防止等に係る指針を策定するなどの取組を進めることが必要である。

(4) 病気休暇・休職制度

 本市では、本年4月に病気休暇の当初3日間の無給化、病気休職における給与に関しての共済組合の傷病手当金の先行給付などの制度改正が行われたところである。病気休暇・休職制度について、本委員会が民間給与調査の附帯調査において把握した民間の制度内容と本市の制度内容とを比較すると、病気休暇制度については概ね均衡した内容となっているが、病気休職制度では相違が見られた。病気休暇・休職制度の検討を進めていく際には、これらの民間の状況も参考としつつ、国及び他都市との均衡などを考慮して研究・検討を進める必要がある。

過去の給与勧告等

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