平成26年職員の給与に関する報告及び勧告
2024年9月27日
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本年の勧告のポイント
月例給、ボーナスともに7年ぶりの引上げ
1 月例給について、公民較差(3.05%)を解消するため引上げ
2 特別給(ボーナス)について、0.15月分引上げ(現行3.95月分→4.10月分)
(参考)勧告が実施された場合の給与減額措置後の平均年間給与は233,526円(3.82%)増加
給与勧告について
(基本的な考え方)
人事委員会による地方公務員の給与勧告は、公務員が労働基本権を制約されていることに対する代償措置の機能を有するものであり、公務員の給与水準について、各方面の理解を得る基礎である。
本委員会は、情勢適応の原則に基づき、職員給与水準を市内民間給与水準に均衡させることを基本に、地方公務員法の規定に基づき、報告及び勧告を行っている。
(職種別民間給与実態調査)
市内の企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の民間事業所のうち447事業所を対象に、人事院及び大阪府人事委員会等と共同で、本年4月の給与月額等を職種別に実地調査し、358事業所から回答を得た。(調査完了率81.5%、調査実人員20,230人)本年の給与改定について
1 職員給与と職種別民間給与実態調査に基づく民間給与との比較
(1) 比較の方法
<月例給> 職員と民間企業従業員の本年4月分支給額を調査し、責任の度合、学歴、年齢別に対応させ、ラスパイレス方式により比較
※ 収集した民間企業従業員の給与データについて、給与額の上下2.5%ずつ、合わせて5%のデータを公民比較の対象から除外した。
<特別給> 民間企業従業員に対する直近1年間の支給実績を調査し、職員の支給月数と比較
(2) 比較の結果
民間給与 | 職員給与(行政職) | 較差 | |
---|---|---|---|
414,203円 | 減額措置前 | 401,963円 | 12,240円(3.05%) |
減額措置後※ | 379,213円 | 34,990円(9.23%) | |
(参考)行政職 11,364人、平均年齢 42.2歳
※ 給与減額措置として、給料月額(局長級▲14%、部長級・課長級・課長代理級▲11.5%、係長級以下▲3%~▲9%)及び管理職手当(▲5%)の減額が実施されている。

民間支給割合(大阪市内) | 4.11月分(昨年3.97月分) |
---|---|
職員の支給月数 | 26年勧告4.10月(25年実績3.95月分) |
(注) 勧告月数は、国・他都市と同様に、0.05月単位で決定しており、小数第2位を2捨3入・7捨8入するので、民間支給割合が4.11月分の場合は4.10月となる。
2 勧告の内容
(1) 月例給
<公民給与の較差に基づく改定>
本市職員の給与が民間の給与を12,240円(3.05%)下回る較差を解消するため、給料表を改定する場合、賃金構造基本統計調査(以下「賃金センサス」という。)に基づく民間給与の傾向を踏まえ、昇給カーブのフラット化等が求められるが、本年については、次の理由により、各級ともに平均改定率程度の改定を基本としつつ、初任給水準や前後の級とのバランスを考慮して改定を行い、昇給カーブのフラット化等は給料表全体のバランスが取れる範囲で行うことが適当である。
・ 初任給水準の国及び民間との均衡の必要性などにより、昇給カーブのフラット化が技術的に困難なこと
・ 昨年の本委員会の給与勧告に基づき、昇給カーブのフラット化等について、一定の成果が上がっていること
・ 国において、世代間給与配分の見直しなどを目的とした俸給表の改定が次年度に予定されており、今後本市としても対応を検討していく必要があること
(行政職給料表の引上げ改定)
〔1級〕初任給付近は国及び民間の支給状況との均衡を考慮し、2,000円程度の引上げに止め、最高号給付近では平均改定率の1.2倍程度の引上げとする。
〔2級〕初号付近は初任給付近の改定状況を踏まえた引上げに止め、最高号給付近は平均改定率の1.2倍程度の引上げとする。
〔3級以上〕全体として平均改定率程度の引上げとする。ただし、局長級である8級については、その任用は広く公募により行うものとされており、所属の長としてふさわしい適正な人材を確保するという観点から、別途、職務・職責に応じた給与水準となっているか検討されるべきではないかと考える。
(行政職給料表以外の給料表の改定)
行政職給料表以外の給料表(技能労務職員及び企業職員に適用される給料表並びに教育職給料表を除く。)については、行政職給料表との均衡を基本として改定を行う必要がある。
<初任給調整手当>
医師及び歯科医師に対する初任給調整手当については、人材確保の観点から、人事院が勧告した措置及び他都市の状況、本市職員に対する支給状況を勘案の上、引き上げる必要がある。
(2) 特別給
期末手当及び勤勉手当については、民間における支給状況及び人事院が勧告した措置等を勘案の上、年間支給月数3.95月分を0.15月分引上げ、4.10月分とする必要がある。期末手当及び勤勉手当の区分ごとの引上げ及び支給割合については、民間における考課査定分の支給状況や人事院が勧告した支給割合のほか、勤務実績を適正に給与へ反映することも勘案し、勤勉手当に配分する。
(3) 改定の実施時期
月例給については、本年4月時点の比較に基づいて公民給与を均衡させるものであることから、本年4月に遡及して実施すること。
特別給については、本年12月期の期末・勤勉手当は改定条例の公布日の属する月の翌月から実施し、平成27年6月期以降の期末・勤勉手当は平成27年4月1日から実施すること。
3 勧告に基づく職員給与の試算
行政職 | 現行額(減額措置後) | 勧告実施後試算額 | 増減 |
---|---|---|---|
平均給与額 | 379,213円 | 389,541円 | 10,328円 |
平均年間給与額 | 6,114,914円 | 6,348,440円 | 233,526円 |
<影響額>
行政職 約26.5億円(減額措置後の試算額を基に算出)意見
1 本年の給与改定について
(1) 公民給与の比較の在り方
公民給与の比較方法については、昨年は職種別民間給与実態調査(以下「民間給与調査」という。)に基づくラスパイレス方式による公民比較を基本としつつ、賃金センサスの結果に基づき役職段階ごとに公民の給与水準等を比較し、広く民間給与の傾向を踏まえた上で、具体的な給与改定の内容について勧告するという方法を採用した。
本年については、市民の一層の理解を得るためこの取組を更に進めることとし、昨年採用した比較方法をベースに、年齢階層ごとの水準についても、併せて示すこととする。
(2) 本年の公民給与の比較
ア 民間給与調査に基づくラスパイレス方式による比較
月例給については、職員給与が民間給与を12,240円(3.05%)下回っていた。なお、給与減額措置実施後の実際に支払われた職員給与は、民間給与を34,990円(9.23%)下回っていた。
また、賞与等の特別給については、1年間における市内民間事業所の支給月数(4.11月分)は、本市の期末手当及び勤勉手当の年間支給月数(3.95月分)を0.16月分上回っていた。
イ 賃金センサス※に基づく給与水準等の傾向の比較
※活用したデータは、直近3年間(平成23年~25年)の平均
(役職段階及び企業規模別の比較)
民間の非役職者と本市の係員級(主務を除く。)では、本市側がやや低め、係長級ではおおむね均衡しており、課長級では本市側が高く、部長級では、本市側が若干高めとなっている。
(年齢階層の上昇に伴う所定内給与の変化)
市内の民間事業所では年齢階層の上昇に伴って所定内給与も増加するが、50歳台前半層をピークに50歳台後半層から低減する傾向が見られる。一方、本市側は、20歳台前半層までの給与上昇カーブがやや緩やかであり、給与の増加は50歳台前半層をピークにごくわずかに鈍化するが、低減傾向は見受けられない。
(年齢及び勤続年数を加味した給与モデル)
部長級及び係員級(主務を除く。)では企業規模1,000人以上では民間の給与水準が本市側より高く、それ未満の規模では本市側の給与水準の方が高くなっている。課長級では企業規模5,000人以上では民間の給与水準が本市側より高いが、それ未満の規模では本市側の給与水準の方が高い。係長級では企業規模500人以上では民間の給与水準が本市側より高く、それ未満の規模では本市側の給与水準の方が高くなっているといった傾向が見られた。
2 給与制度等に関する課題
(1) 給料表の構造及び地域手当
人事院は、平成27年度より、地域間給与配分の見直しとして、俸給表水準を平均2.0%引き下げるとともに、地域手当の見直しなどの措置を講じることを勧告した。また、世代間の給与配分の見直しとして、俸給表水準の引下げを行うに際し、50歳台後半層の職員が多く在職する高位号俸の改定率を平均改定率の2倍の4%とすることなどを勧告した。
この制度改正は、国家公務員給与の適正化の観点から行われるものであるが、本市給与制度と国給与制度との均衡を図るという観点もあり、今後、本市給料表及び地域手当の改正について、他都市等の動向を注視しながら検討していく必要がある。
(2)昇給制度
行政職給料表3級(主務級)、4級(係長級)及び5級(課長代理級)については号給数が大幅に切り下げられたため、比較的早期に最高号給に達するようになっている。これらの最高号給に到達した職員は人事評価において仮に高い評価を得た場合でも、月例給与自体は増加せず、月例給与の増加は上位の職務の級への昇格によって可能となる。職員の業績や能力の適正な評価と士気向上との関連は、今後も継続的にモニターする必要があり、国・他都市の状況や民間における傾向等も考慮の上、将来の人事給与制度の全体像を描く中で、あるべき昇給制度等の検討は不可欠である。
(3) 諸手当
本市における交通用具使用者に係る通勤手当、単身赴任手当及び管理職員特別勤務手当の見直しに関しては、民間の支給状況等、人事院報告・勧告で言及された内容と同様の傾向が見られる部分もあるが、当該手当を受給している職員の割合が国家公務員に比べ相当に低いことなど、国とは異なった状況が見受けられるところであり、人事院が勧告した措置、民間における支給状況のほか、本市職員の勤務実態や当該手当の支給状況等を勘案の上、検討する必要がある。
(4) 再任用職員の人事・給与制度
ア 再任用職員の状況
本市における再任用の状況を見ると、常時勤務の職員として再任用される職員が大きく増加している。今後、再任用職員の人事管理が大きな課題となるが、定年前より給与水準や職位が低下するのは一定やむを得ないと考えるものの、再任用職員に動機ややりがいを与えるという視点に立ち、再任用職員ならではの役割を果たせる職務への配置等の検討が求められる。今後増加することが見込まれる管理職者の再任用については、若年・中堅層職員等の昇任機会や士気にも配慮しつつ、その職務・職責や人員配置を検討していく必要がある。
イ 再任用職員の給与水準
本市における民間給与調査の結果では係長級の平均給与額が係長級より役職が低い主任級以下の平均給与額を下回る結果となるなどデータ上の不整合も見受けられ、現時点においては公民給与を的確に比較し分析するには十分なデータ量との判断はし難い。
そのため、人事院等と共同して引き続き民間の再雇用者の給与水準等を把握するとともに、国や他都市の状況を踏まえつつ、今後の再任用職員が担うべき職務や勤務形態等を考慮の上、適切な給与上の措置について、引き続き検討する。
(5) 保育士及び幼稚園教員並びに技能労務職員の給与水準等
昨年、本委員会は、民間の保育士及び幼稚園教員の給与水準等について調査を行い、本市の保育士及び幼稚園教員の給料表の在り方の検討を行い、市会及び市長に対して報告を行った。
また、技能労務職員について、市長等からの要請に基づき、民間の技能・労務関係職種従業員の給与水準等を把握し、本市技能労務職員の給与に係る見解を報告した。
本委員会は、これらの職種について、継続して民間給与の状況等を把握することは、各任命権者が本市職員の給与水準の検討・検証を行う際の一助となるものと考え、昨年と同様に、本年も民間の給与水準等を把握し、職員の給与水準等と比較を行った。(調査結果等については、参考資料に記載)3 誰もがいきいきと働きやすい職場環境づくり
(1) 超過勤務の縮減
超過勤務縮減の取組を促進させるためには、長時間にわたる超過勤務を生じさせている各種要因に応じ、人員配置計画も含めた実効性ある超過勤務縮減策を講じていくことが求められる。なお、法令等の範囲内という制約下ではあるが、フレックスタイム制度や在宅勤務制度の試験的導入等も、検討の俎上(そじょう)に載せる時期に至っていると考える。
(2) 両立支援の推進
今後、新たな特定事業主行動計画の策定作業を進めることとなるが、後期行動計画で掲げた数値目標の達成が容易ではなかった要因を分析した上で、より実りある成果を生み出せる行動計画を策定することが求められる。
また、子育て期を過ぎても、特に高齢層職員になると、親の介護等に関わる可能性が大きくなると考えられるため、現行の介護休暇制度が仕事と介護の両立を図る上で十分な制度となっているか等についても、今後、検証・検討が必要と考える。
(3) メンタルヘルス対策の推進
「大阪市職員心の健康づくり計画」に則り、心の健康問題による病気休職者の減少と各所属での職場環境改善の取組による総合健康リスクの改善の取組を進めている。本年3月には、その取組に対する中間評価が示されたところであり、その評価を踏まえ、引き続き「大阪市職員心の健康づくり計画」に沿った取組を前進させることが重要であると考える。
(4) パワーハラスメント防止の取組
職場におけるパワーハラスメントは、業務遂行の大きな阻害要因となり得るものである。本市においても、まずはパワーハラスメントに関する相談窓口を定め、職員に周知啓発する取組をスタートさせることが必要であり、これに加えパワーハラスメント防止等に係る指針の策定等についても検討を進めることが求められる。
※ なお、時代の要請に応じた活力ある組織づくりの観点から本市人事管理制度全般について研究・検討を進めているところであり、成案を得られた段階で別途報告を行う予定。
職員の給与に関する報告及び勧告
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」概要(pdf, 333.36KB)
平成26年給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント その1(pdf, 820.50KB)
平成26年給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント その2(pdf, 682.31KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」本文(pdf, 929.53KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(表紙・目次)(pdf, 275.61KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(職員給与関係)(pdf, 958.64KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(民間給与関係)(pdf, 640.21KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(生計費関係及び労働経済関係)(pdf, 262.76KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(賃金構造基本統計調査関係)(pdf, 613.27KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(保育士及び幼稚園教員関係)(pdf, 964.04KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(技能労務職員関係) その1(pdf, 800.47KB)
「平成26年職員の給与に関する報告及び勧告」参考資料(技能労務職員関係) その2(pdf, 744.90KB)
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