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報道発表資料 区役所における国民健康保険自己負担限度額適用区分の認定誤りに伴う高額療養費等の過支給について

2024年6月19日

ページ番号:628205

問合せ先:福祉局生活福祉部保険年金課(06-6208-7990)

令和6年6月19日 14時発表

 大阪市の区役所保険年金業務担当において、大阪市国民健康保険の自己負担限度額適用区分の認定に誤りがあり、高額療養費等を過支給したものがあることが判明しました。

 このような事態を発生させ、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申しあげますとともに、市民の皆様の信頼を損なうこととなりましたことを深く反省し、再発防止に努めてまいります。

1 高額療養費に係る自己負担限度額適用区分(以下「区分」という。)について

 高額療養費制度とは、1か月の医療費の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分を「高額療養費」として支給する制度です。申請によりあらかじめ区分が記載された「限度額適用認定証」または「限度額適用・標準負担額減額認定証」を取得し、医療機関等に提示することで、受診された方の医療機関等での支払いは区分に応じた自己負担限度額までの支払いにとどめることができます。この場合、自己負担限度額を超えた部分の費用は高額療養費として、受診された方に代わって、医療機関等からの請求に基づき、直接大阪市国民健康保険から医療機関等へ支払うこともできます。

 また、入院時に医療機関から食事の提供を受けた場合、医療費とは別に定額の自己負担額(標準負担額)を支払うことにより、「入院時食事療養費」として、残りの食事代は直接大阪市国民健康保険から医療機関へ支払うことになります。

 高額療養費に係る自己負担限度額は区分によって異なり、区分は、世帯主及び国民健康保険被保険者全員の前年(療養のあった月が1~7月の場合は前々年)所得により、「課税世帯」または「非課税世帯」の判定を行い、課税世帯については国民健康保険被保険者でない世帯主を除く国民健康保険被保険者のみの前年所得により「区分ア・イ・ウ・エ」の認定を行います。

 非課税世帯の区分は「オ」となり、高額療養費に係る自己負担限度額は1か月当たり35,400円(多数該当の場合は24,600円)、入院時食事療養費に係る自己負担額は1食あたり210円が適用されます。

 また、市民税の賦課期日である1月1日時点において、日本国内に住所を有しなかった被保険者(以下「直近入国者」という。)については、国民健康保険法施行令において、所得が0円の場合であっても非課税世帯の区分である「オ」とはせず、課税世帯の最下位区分である「エ」(高額療養費に係る自己負担限度額は57,600円(多数該当の場合は44,400円))、入院時食事療養費に係る自己負担額は1食あたり460円が適用されます。 

2 概要と経過

 令和5年11月7日(火曜日)、淀川区役所窓口サービス課(保険担当)において、医療機関からの問合せを受けて確認したところ、ある直近入国者の区分を誤って「オ」としており、正しい区分である「エ」に修正することにより、自己負担額の過少支払い(高額療養費及び入院時食事療養費の過大支給)が発生することが判明しました。

 当該処理誤りについては、全区で同様の事例が発生している可能性があることから、令和5年11月から令和6年3月までの間、福祉局において、データが存在する過去約5年間、約10万人の直近入国者から対象者の絞り込みを行い、当該データに基づいて令和6年4月から各区役所において確認調査を行いました(以下「全区調査」という。)。その結果、自己負担限度額が本来よりも低額に設定され、本市が負担する高額療養費を過大に支給しており、返還請求を行うべき事案がほかにもあることが判明しました。

 なお、平成30年7月以前のデータは現存していないため、全体の影響額は不明です。

3 返還請求対象世帯数及び金額

  24区 348世帯 15,436,621

 (平成30年8月受診分から令和5年11月受診分まで。令和5年12月以降の受診分についても追って調査のうえ返還請求を行います。)  

(注)上記金額には、重度障がい者医療費助成など高額療養費とは別制度で支給されるものが含まれます。
区別世帯数及び金額
区名 医療機関等の窓口で
自己負担限度額までをお支払いの方
後日、高額療養費
申請手続きをされた方
合計
高額療養費 食事療養費 世帯数 金額(円) 実世帯数 金額(円)
世帯数 金額(円) 世帯数 金額(円)
北区 13 447,860 12 107,250 3 49,878 15 604,988
都島区 10 372,869 10 56,000 6 76,264 14 505,133
福島区 4 72,712 3 27,750 3 45,386 8 145,848
此花区 17 441,729 15 120,750 0 0 17 562,479
中央区 29 923,928 22 274,500 7 119,757 34 1,318,185
西区 17 1,112,507 12 180,050 7 144,440 22 1,436,997
港区 16 471,484 14 125,250 2 33,058 18 629,792
大正区 4 417,763 2 278,250 3 44,881 4 740,894
天王寺区 7 436,566 7 159,990 3 46,266 10 642,822
浪速区 20 600,585 15 79,750 8 133,814 26  814,149
西淀川区 14 437,478 12 276,500 1 46,191 14 760,169
淀川区 12 306,066 11 129,250 3 65,556 14 500,872
東淀川区 5 182,214 3 47,250 5 116,990 8 346,454
東成区 11 280,330 9 75,750 7 165,830 17 521,910
生野区 19 687,191 18 414,760 7 78,919 24 1,180,870
旭区 11 527,839 8 141,850 5 169,507 13 839,196
城東区 16 734,370 15 168,250 11 299,602 23 1,202,222
鶴見区 2 33,345 2 3,750 3 5,730 5 42,825
阿倍野区 6 177,600 5 76,250 7 100,134 13 353,984
住之江区 5 233,400 6 61,100 3 77,902 7 372,402
住吉区 2 78,195 3 21,500 1 42,600 4 142,295
東住吉区 1 44,400 1 11,250 0 0 1 55,650
平野区 2 53,028 2 10,250 4 59,083 5 122,361
西成区 30 1,163,062 28 376,080 5 54,982 32 1,594,124
273 10,236,521 235 3,223,330 104 1,976,770 348 15,436,621
年度別世帯数及び金額
限度額適用
認定年度
(8月~7月)
医療機関等の窓口で
自己負担限度額までをお支払いの方
後日、高額療養費
申請手続きをされた方
合計
高額療養費 食事療養費 世帯数 金額(円) 実世帯数 金額(円)
世帯数 金額(円) 世帯数 金額(円)
平成30年度 32 989,432 27 182,000 21 336,495 49 1,507,927
令和元年度 77 2,600,122 69 872,630 28 535,127 97 4,007,879
令和2年度 42 1,901,803 38 649,650 16 224,762 56 2,776,215
令和3年度 33 1,376,838 25 627,360 20 478,922 49 2,483,120
令和4年度 75 2,780,812 62 804,190 25 401,464 90 3,986,466
令和5年度 25 587,514 19 87,500 0 0 25 675,014
284 10,236,521 240 3,223,330 110 1,976,770 366 15,436,621

(注)複数年度にわたり過大に支給している世帯があるため、区別世帯数の実世帯合計数とは一致しません。

4 原因

 直近入国者については、国民健康保険法施行令において、所得が0円の場合であっても区分は「オ」とはせず、「エ」を適用することとされており、当該事務処理の参考としている福祉局作成のマニュアルにも記載しています。

 しかしながら、調査の結果、全区において、一部誤った区分認定が行われていたことが判明したことから、当該事務処理について職員が十分に理解していなかったと同時に、福祉局の周知も十分でなかったことが原因です。

5 判明後の対応

 全区調査により判明した区分誤りに伴う、高額療養費及び入院時食事療養費の過支給が発生した被保険者並びに現在も有効な限度額適用認定証等を保有している被保険者については、各区役所保険年金業務担当において、国保等システムにて発生日に遡り、正しい区分に変更を行いました。

 今後、今回の調査対象期間より後の令和5年12月以降の受診分で同様のケースが発生していないか確認するとともに、重度障がい者医療費助成など高額療養費とは別制度での助成対象となる方に対して返還を求める金額の計算を行い、対象者における返還金額の確定作業を進めます。作業終了後、対象者には各区役所より個別に謝罪と説明を行ったうえで、本来ご負担いただくべき自己負担額の残りのお支払いをお願いしてまいります。

 また、区分を誤っていた方のうち、現在も有効な限度額適用認定証等を保有している被保険者については、正しい区分の証への差し替え交付を行います。

 なお、区分を誤っていた方のうち、限度額適用認定証等を保有していない、あるいは自己負担限度額まで利用されていない被保険者については、国保等システムのプログラム変更処理を行うための調整を進めています。

6 再発防止について

 今回の事態を厳粛に受け止め、今後はマニュアルの内容を改善するとともに、毎年高額療養費担当者研修会を開催して高額療養費の制度やしくみ、事務処理方法について詳しく説明するなど、担当職員全員に認識の共有を徹底することで、再発防止に努めてまいります。

 また、各区においては、内部統制制度を活用したリスク管理のもとで、適切な制度運用に努めてまいります。

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