報道発表資料 大阪市内の文化財について重要文化財(美術工芸品)の指定にかかる文部科学大臣への答申がなされました
2024年3月15日
ページ番号:497379
問合せ先:教育委員会事務局 総務部 文化財保護課(06-6208-9069)
令和6年3月15日 17時発表
令和6年3月15日(金曜日)に開催された国の文化審議会において、大阪市内の文化財1件について、重要文化財(美術工芸品)の指定にかかる文部科学大臣への答申がなされましたのでお知らせします。
1 歴史資料の部
飛脚問屋井野口屋記録(ひきゃくどんやいのくちやきろく)33冊
2 時代
江戸時代(18・19世紀)
3 所有者
学校法人大阪経済大学(大阪市東淀川区大隅2丁目2番8号)
大阪経済大学 日本経済史研究所保管
4 説明
飛脚問屋井野口屋は、享保8年(1723年)に尾張藩から御用飛脚(ごようびきゃく)の認可を受けた後、藩主や家臣の書状・金銭・荷物等の輸送を無償で請け負う代わりに、同藩領内の町村と主に大坂・京との間の通信運輸業務の独占を長期間認められました。
本記録は、井野口屋内部で作成されたものとみられ、袋綴装(ふくろとじそう)四つ目綴(よつめとじ)の冊子装33冊からなり、井野口屋山田家の由緒、飛脚業を開始して、尾張藩御用飛脚を務めるに至った経緯、その後の尾張藩との交渉や営業、家政等、享保8年(1723年)から天保14年(1843年)までの記事を収録しています。
飛脚問屋の家に伝来した資料が限られるなかで、本記録は名古屋や大坂・京で活躍した町飛脚について、成立期から衰退期までの経営を俯瞰(ふかん)することができる貴重な史料です。社会経済史において学術的な価値が高いと考えられます。
文化庁のホームページもあわせてご覧ください。
飛脚問屋井野口屋記録(所蔵:学校法人大阪経済大学 大阪経済大学 日本経済史研究所、写真提供:文化庁)