報道発表資料 大阪市内の文化財について国宝(美術工芸品)の指定にかかる文部科学大臣への答申がなされました
2025年3月21日
ページ番号:649616

問合せ先:教育委員会事務局 総務部 文化財保護課(06-6208-9069)

令和7年3月21日 17時発表
令和7年3月21日(金曜日)に開催された国の文化審議会において、大阪市内の重要文化財(美術工芸品)1件を国宝に指定する文部科学大臣への答申がなされましたのでお知らせします。

1 絵画の部(国宝指定)
物語下絵料紙金光明経巻第二(ものがたりしたえりょうしこんこうみょうきょうかんだいに)1巻

2 法量
縦25.7センチメートル、長752.6センチメートル

3 時代
鎌倉時代・建久3年(1192年)

4 所有者
地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市中央区大手前4丁目1番32号)
大阪市立美術館保管

5 説明
建久3年(1192年)3月13日に没した後白河法皇(1127年~1192年)を追善供養するために作られた美麗な写経で、現存する4巻のうちの1巻です。これら4巻の料紙(りょうし)には墨一色で何らかの物語絵が描かれています。この絵は彩色を施す前の段階の下絵で、吹抜屋台(ふきぬきやたい)の内外に貴族の男女や僧侶などの姿を確認できます。制作された経緯や時期、作画過程を把握できることから、物語絵巻ひいてはやまと絵研究の基礎資料として特に高く評価され、奥書があって首尾完存する2巻(京都国立博物館所蔵・大東急記念文庫所蔵)はすでに国宝に指定されています。本巻には奥書がなく、途中の6紙を欠いていますが、全体の約82パーセントが良好な状態で制作当初の姿を維持していることは貴重です。物語の場面数が現状において4巻のうち最多であることなど、質・量ともに既指定の国宝2巻に匹敵する1巻として、特に高く評価することができます。
文化庁のホームページもあわせてご覧ください。

物語下絵料紙金光明経巻第二(部分、画像提供:大阪市立美術館)

料紙に描かれた物語下絵(部分拡大、画像提供:大阪市立美術館)
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