水銀廃棄物の適正処理について
2020年10月23日
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水銀廃棄物に関する規制が強化されました
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び施行規則が平成28年4月1日及び平成29年10月1日改正施行されたことにより、水銀廃棄物に関する規制が強化されました。
【平成28年4月1日施行分】
- 廃水銀等の特別管理産業廃棄物への指定(注)
- 廃水銀等の収集運搬に係る処理基準及び保管基準の追加
【平成29年10月1日施行分】
- 廃水銀等の硫化・固型化の基準の追加
- 水銀使用製品産業廃棄物及び水銀含有ばいじん等の処理基準の追加
(注)
- なお、新たに特別管理産業廃棄物を排出する事業者となった場合、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置が必要となるとともに、処理を委託する場合は、特別管理産業廃棄物の収集運搬業者及び処分業者との契約が必要となりますので、ご注意ください。
- また、特別管理産業廃棄物に該当しない廃水銀など(水銀使用製品の破損により漏えいした廃水銀等)についても、特別管理産業廃棄物に準じた処理をお願いします。
「廃水銀等」に関する基準等の追加について
廃水銀等の特別管理産業廃棄物への指定
(1)~(3)に該当する廃水銀等(廃水銀及び廃水銀化合物)及び当該廃水銀等を処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないもの)が新たに特別管理産業廃棄物に指定されました。
廃水銀等
(1)次の施設において生じた廃水銀または廃水銀化合物。(水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀及び廃水銀化合物を除く。)
- 水銀若しくは水銀化合物が含まれている物又は水銀使用製品廃棄物から水銀を回収する施設
- 水銀使用製品の製造の用に供する施設
- 灯台の回転装置が備え付けられた施設
- 水銀を媒体とする測定機器(水銀使用製品を除く)を有する施設
- 国又は地方公共団体の試験研究機関
- 大学及びその附属試験研究機関
- 学術研究又は製品の製造若しくは技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究を行う研究所
- 農業、水産又は工業に関する学科を含む専門教育を行う高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校、職員訓練施設又は職業訓練施設
- 保健所
- 検疫所
- 動物検疫所
- 植物防疫所
- 家畜保健衛生所
- 検査業に属する施設
- 商品検査業に属する施設
- 臨床検査業に属する施設
- 犯罪鑑識施設
(2)水銀若しくは水銀化合物が含まれている物(一般廃棄物を除く)又は水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀
廃水銀等を処分するために処理したもの(環境省令に定める基準に適合しないもの)
(3)上記(1)、(2)に該当する廃水銀等を処分するために処理したものであって環境省令で定める基準(水銀の精製設備を用いて行われる精製に伴って生じた残さであること)に適合しないもの。
具体的には、廃水銀等を硫化及び固形化したものは特別管理産業廃棄物に該当し、廃水銀化合物等をばい焼施設等により精製した際に生じた残さは特別管理産業廃棄物に該当しない。
廃水銀等に関する基準について
廃水銀等の処理委託について
「廃水銀等」の収集運搬又は処分の許可を受けた事業者に委託すること
委託契約書において、委託する産業廃棄物に「廃水銀等」と記載すること
マニフェストの運用に当たっては、特別管理産業廃棄物の種類の欄に「廃水銀等」と記載するとともに、その数量を記載すること
廃水銀等の保管基準について
特別管理産業廃棄物の一般的な保管基準に加え、水銀は常温で揮発しやすい性質などを有することから、次の基準を遵守しなければなりません。
飛散、流出又は揮発の防止のために必要な措置を講ずること。
高温にさらされないために必要な措置を講ずること。
腐食防止のために必要な措置を講ずること。
廃水銀等の収集運搬の基準について
廃水銀等を保管する場合は、特別管理産業廃棄物の一般的な収集運搬基準に加え、次の基準を遵守しなければなりません。
- 必ず運搬容器(密閉でき、収納しやすく、損傷しにくい)に収納して収集又は運搬すること
廃水銀等の中間処理の基準について
廃水銀等の処分・再生を行う場合は、あらかじめ水銀の純度を高め、産業廃棄物処理施設の許可を受けた硫化施設において粉末硫黄による硫化、改質硫黄による固型化を行わなければなりません。
廃水銀等の最終処分の基準について
中間処理において固型化したものが埋立判定基準(溶出試験の結果、水銀1リットル当たり0.005ミリグラム以下)を満たさない場合は、遮断型最終処分場で処分しなければなりません。埋立判定基準を満たす場合は、次の追加的措置をとった管理型最終処分場で処分することができることが規定されました。
最終処分場のうちの一定の場所において、かつ、埋め立てる基準適合廃水銀等処理物が分散しないような措置
その他の廃棄物と混合するおそれのないように他の廃棄物と区分する措置
埋め立てる基準適合廃水銀等処理物が流出しないようにする措置
埋め立てる基準適合廃水銀等処理物に雨水が侵入しないようにする措置
「水銀使用製品産業廃棄物」及び「水銀含有ばいじん等」に関する基準等の追加について
水銀使用製品産業廃棄物とは
区分1:水銀使用製品のうち次に掲げるもの
区分2:区分1の製品の組込製品((注)印のあるものに係るものを除く)
区分3:水銀又はその化合物の使用に関する表示がされている製品
- 水銀電池
- 空気亜鉛電池
- スイッチ及びリレー(水銀が目視で確認できるものに限る。)(注)
- 蛍光ランプ(冷陰極蛍光ランプ及び外部電極蛍光ランプを含む。)(注)
- HIDランプ(高輝度放電ランプ)(注)
- 放電ランプ(蛍光ランプ及びHIDランプを除く。)(注)
- 農薬
- 気圧計
- 湿度計
- 液柱形圧力計
- 弾性圧力計(ダイアフラム式のものに限る。)(注)
- 圧力伝送器(ダイアフラム式のものに限る。)(注)
- 真空計(注)
- ガラス製温度計
- 水銀充満圧力式温度計(注)
- 水銀体温計
- 水銀式血圧計
- 温度定点セル
- 顔料(注)
- ボイラ(二流体サイクルに用いられるものに限る。)
- 灯台の回転装置
- 水銀トリム・ヒール調整装置
- 水銀抵抗原器
- 差圧式流量計
- 傾斜計
- 周波数標準機(注)
- 参照電極
- 握力計
- 医薬品
- 水銀の製剤
- 塩化第一水銀の製剤
- 塩化第二水銀の製剤
- よう化第二水銀の製剤
- 硝酸第一水銀の製剤
- 硝酸第二水銀の製剤
- チオシアン酸第二水銀の製剤
- 酢酸フェニル水銀の製剤
(注)19項に掲げる水銀使用製品(顔料)は、水銀使用製品に塗布されるものに限り(注)印に該当する
水銀含有ばいじん等とは
産業廃棄物の種類 | 水銀含有ばいじん等の対象 | 水銀回収義務の対象 |
---|---|---|
燃え殻、汚泥、鉱さい、ばいじん | 水銀(水銀化合物に含まれる水銀を含む)を1キログラム当たり15ミリグラムを超えて含有するもの | 水銀(水銀化合物に含まれる水銀を含む)を1キログラム当たり1,000ミリグラム以上含有するもの |
廃酸、廃アルカリ | 水銀(水銀化合物に含まれる水銀を含む)を1リットル当たり15ミリグラムを超えて含有するもの | 水銀(水銀化合物に含まれる水銀を含む)を1リットル当たり1,000ミリグラム以上含有するもの |
水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等に関する基準について
水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等の処理委託について
水銀使用製品産業廃棄物及び水銀含有ばいじんの処理委託を行う際に、一般的な産業廃棄物の処理委託の基準に加えて、遵守しなければならない事項として次の項目が挙げられます。
委託契約書に添付する処理業の許可証には、取扱う廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれること(注)
委託契約書において、委託する産業廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれることを明記すること
マニフェストの運用にあたっては、産業廃棄物の種類の欄に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれること、またその数量を記載すること
水銀使用製品産業廃棄物の保管基準について
他の物と混合するおそれがないよう仕切りを設ける等の措置をとること
保管場所の掲示板の産業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれることを明記すること
水銀含有ばいじん等の保管基準について
水銀含有ばいじん等の保管にあたっては、一般的な産業廃棄物の保管基準に加えて、遵守しなければならない事項として次の項目が挙げられます。
保管場所の掲示板において、産業廃棄物の種類欄に「水銀含有ばいじん等」が含まれることを明記すること
また、水銀は常温で揮発するので、運搬中に揮発した水銀が漏れないような措置や高温にさらされないような措置について留意していただく必要があります。
水銀使用製品産業廃棄物の収集運搬の基準について
水銀含有ばいじん等の収集運搬の基準について
水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等の中間処理の基準について
「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」の中間処理(処分又は再生)を行う際には、水銀又はその化合物が大気中に飛散しないように必要な措置を講じなければなりません。
また、水銀回収の義務があるものについては、ばい焼設備を用いてばい焼する方法等により水銀回収を行わなければなりません。
水銀使用製品産業廃棄物の最終処分の基準について
水銀含有ばいじん等の最終処分の基準について
水銀含有ばいじん等のうちばいじん、燃え殻、汚泥であって埋立判定基準(溶出試験の結果、水銀1リットル当たり0.005ミリグラム以下)を満たさないものを埋立処分する場合は、あらかじめ埋立判定基準を満たすよう処理するか、コンクリート固型化を行ったうえで埋立処分を行わなければなりません。埋立判定基準を満たさない場合は、遮断型最終処分場に埋め立てることと定められています。(水銀含有ばいじん等のうち、廃酸及び廃アルカリは埋立処分を行ってはいけません。)
水銀関係その他情報
をご参照ください。
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