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ウイルス性出血熱

2025年4月15日

ページ番号:642414

エボラ出血熱

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる感染症です。中央アフリカ諸国で、しばしば流行が確認されています。 過去に、アフリカ大陸以外での発生が確認されたこともあります。日本では現在まで発生はありません。

感染経路

エボラウイルスに感染した動物(コウモリ、霊長類など)や感染した人の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物など)に、皮膚の細かな傷や、眼や口の粘膜等が接触するとウイルスが体内に侵入し、感染します。また、症状が出ている患者の体液(血液、糞便、嘔吐物など)やそれに汚染された物品(シーツ、衣類、医療器具、患者が使用した生活用品など)に傷口や粘膜が触れても感染することがあります。

主な症状

エボラウイルスに感染すると、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状が現れ、それに続いて、嘔吐、下痢、発疹が出現します。さらに進行すると吐血、下血等出血傾向や意識障害が出現します。致死率は概ね50%程度です。

マールブルグ病

マールブルグ病は、マールブルグウイルスによる感染症で、人から人へうつります。過去に、赤道ギニア共和国、タンザニア連合共和国、ガーナ共和国、ギニア共和国、ウガンダ共和国、アンゴラ共和国、コンゴ民主共和国、ケニア共和国、南アフリカ共和国で発生しています。

感染経路

患者の血液や体液などに直接触れると感染します。病気に感染した動物に触れたり、食べたりすることによってもうつります。自然界のコウモリがこのウイルスを持っているのではないかと言われており、コウモリの排泄物を吸い込んだり、接触したときにもうつる可能性があります。

主な症状

3~10日の症状のない期間があった後、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、吐き気や嘔吐をおこします。発病して1~3日目に水のような下痢を起こし、意識が遠くなり、発病後5日目頃に体中に斑点状の発疹が現れます。さらに進行すると体のいろいろな部分から出血し、ひどい場合には死亡します。死亡する確率は30%とされています。

ラッサ熱

ラッサ熱はラッサウイルスによる感染症で、西アフリカ一帯にみられる出血を伴う急性ウイルス性疾患です。

感染経路

患者の血液、唾液や排泄物に直接触れると感染します。自然界ではヤワゲネズミ(マストミス)というネズミの一種の体内にウイルスが存在し、このネズミを触ったり、糞や尿によって汚染された食品の摂取、食器の使用、塵や埃を吸いこむことによってうつります。

主な症状

ラッサ熱の潜伏期間は6~21日間です。進行は緩やかで、発熱、脱力感、全身倦怠感で始まります。数日後には、頭痛や筋肉痛など全身のいろいろなところに痛みが出ます。また、嘔気、嘔吐、下痢、咳および腹痛が続きます。重症例になると、顔の浮腫、胸水の貯留、口、鼻、陰部や消化管からの出血が起こり、血圧低下が進行します。

タンパク尿が出ることもあります。その後の段階では、ショック、痙攣発作、振戦、見当識障害、昏睡などがみられます。この疾患から回復した患者のうち、難聴が25%で発生します。これらの患者の半数は1~3か月後に聴力の一部が回復します。回復中に、一時的な脱毛や歩行障害が現れることがあります。

通常、致死的な症例での死亡は発症から14日以内に起こります。この疾患は、特に妊娠後期に重症化することが多く、この時期の妊婦の患者の80%以上で妊婦死亡および/または胎児死亡が起こります。

クリミア・コンゴ出血熱

クリミア・コンゴ出血熱は、ダニ媒介性ウイルスによって引き起こされる感染症でアフリカ、バルカン半島、中東、アジア諸国の国々で流行しています。

感染経路

ウイルスを持ったダニに咬まれることにより感染します。また、感染した動物や患者の血液や体液に直接触れることにより感染します。

主な症状

潜伏期間は通常1~9日で、突然の発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、発疹、血便、鼻血などの出血症状がみられます。肝炎の所見が見られることもあり、重症の患者は、発病5日目以降、急速な肝腎不全や肺不全を起こすことがあります。症状出現後2週間程度で約30%が死亡します。回復する場合には、症状出現後9~10日で症状が改善します。


南米出血熱

南米出血熱は、アルゼンチン出血熱、ブラジル出血熱、ベネズエラ出血熱およびボリビア出血熱の総称です。中南米で見られます。

感染経路

ウイルスを保有しているネズミ類との接触(ネズミの糞尿を吸いこむ場合も含む)やネズミによって汚染された食品の摂取、食器の使用、塵や埃を吸いこむことによってうつります。また患者との接触によってもうつります。

主な症状

7~14日の潜伏期間の後、発熱、筋肉痛、悪寒、頭痛、嘔吐やめまいをおこします。さらに進行すると体のいろいろな部分から出血したり、呼吸が苦しくなったり、意識が遠くなったりします。死亡する確率は30%とされています。

予防方法

渡航前の注意点

発生国滞在中の注意点

  • 野生動物及びその死体には直接触れないようにし、それらの肉を生で食べないようにしましょう。
  • 感染したコウモリとの接触を防ぐため、流行地域の洞窟には入らないようにしましょう。
  • ラッサ熱においては、ネズミに噛まれないようにし、またネズミの糞尿による汚染の可能性がある所を触らないようにしましょう。
  • クリミア・コンゴ出血熱においては、草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに刺されないよう予防しましょう。
  • 患者(感染者)の体液及び患者(感染者)が触れた可能性のあるものには直接触れないようにしましょう。
  • 食事の前、トイレに行った後、外から帰ってきたら、手洗いはこまめに、可能な限り石けんを使って、しっかりと手を洗いましょう。きれいな水が使えない場合には、手洗い後にアルコールハンドジェルを使用することも考えましょう(ハンドジェルのみの使用では不十分なこともあります)。

帰国後の注意点

  • 帰国後1か月程度は体調の変化に注意しましょう。
  • 1か月以内に発生国への渡航歴があり、かつ発熱など上記疾患を疑う症状がみられた場合は、最寄りの医療機関を受診することは控え、大阪市保健所感染症対策課(電話:06-6647-0656)にご連絡ください。
    また、夜間・休日は健康局宿日直センター06-6647-0802)にご連絡ください。

参考リンク

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大阪市 健康局大阪市保健所感染症対策課感染症グループ

住所:〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1丁目2番7-1000号(あべのメディックス11階)

電話:06-6647-0656

ファックス:06-6647-1029

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