道頓堀川の水辺整備
2024年11月25日
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道頓堀川は、大阪を代表する河川であり、都心南部に残された貴重な水辺空間でもあります。しかし、治水対策のために護岸が嵩上げされたことや、水質の汚濁などによって、現在の道頓堀川は、まちと隔たった存在となっていました。
道頓堀川水辺整備事業は、大阪市が掲げるまちづくりの目標「水の都・大阪」再生に向け、この道頓堀川の水辺に親水性の高い遊歩道を整備し、その潤いある新鮮な空間によって都市魅力の向上に寄与することをめざしています。
- 道頓堀川水辺整備事業の概要

1.親水性の高い遊歩道整備
平成16年12月に戎橋から太左衛門橋間に完成した遊歩道(愛称名:とんぼりリバーウォーク)は、片側8m程度の幅で上下2段構造となっています。太左衛門橋付近に船着き場を設けており、将来的にはこの遊歩道から大阪市内を巡る船への乗船が可能になります。
このような親水性の高い遊歩道からは、これまでとは違った川の風景、まちの風景が楽しめます。また、沿川の建物から遊歩道へ直接出られる出入り口を設けることもできるので、将来は水辺に沿った新しいまちなみが期待されます。
なお、遊歩道は、親水性の高い憩いの空間であるとともに、護岸の耐震補強も行っています。

これまでの道頓堀川の様子(戎橋~太左衛門橋区間)


平成16年12月に完成した道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」
※『とんぼりリバーウォーク』という遊歩道の愛称名は、総数1004作品の応募の中から選ばれました。
(詳しくはこちらをご覧下さい とんぼりリバーウォーク)

「とんぼりリバーウォーク」の標準断面図

2.道頓堀川水門・東横堀川水門の建設
親水性の高い遊歩道の整備に先行して、平成12年には道頓堀川下流部と東横堀川上流部に水門を建設しました。

道頓堀川水門

東横堀川水門

水門操作室(道頓堀川水門)

水門のはたらき
(1) 高潮の防御:大雨や高潮により水位が上昇する時は、水門を閉め、浸水被害を防ぎます。
(2) 水位の制御:道頓堀川は潮の干満によって水位が変動する川ですが、両水門により、河川水位をほぼ一定に制御します。
(3) 閘門機能:水門の前後で水面の高さが違う時に、水門内で水位の調整を行い、船舶を航行させることができる閘門を併設しています。
◆閘門機能のしくみ


(4) 水門操作による河川浄化:大阪湾の潮の干満に合わせた水門操作を行い、寝屋川の汚れた水の流入を防ぎ、大川(旧淀川)のきれいな水を導き入れています。
◆上げ潮時
東横堀川の水門を開け、きれいな大川の水(浄化用水)を東横堀川・道頓堀川に取り入れます。
その結果、道頓堀川・東横堀川には、きれいな水が貯留されます。
◆下げ潮時
道頓堀川水門を開け、東横堀川・道頓堀川の水を下流へ流し、水の入替えを行っています。
また、東横堀川水門を閉じ、寝屋川からの汚れた水が東横堀川・道頓堀川に入らないようにします。


<参考>
大川(桜宮橋)のBOD:1.3mg/L
寝屋川(新喜多大橋)のBOD:12.0mg/L
※BOD(生物化学的酸素要求量):河川の水質汚濁度を示す数値として最も一般的に使用されている指標。数値が大きいほど汚濁が進んでいる
※上記の数値はともに平成15年度の日間平均値の75%値(大阪市環境白書<平成16年版>より)
道頓堀川・東横堀川水門操作の改善による河川浄化実験
潮の干満を利用した水門操作によって、道頓堀川・東横堀川の水質は大幅に改善してきましたが、現在整備を進めている水辺の遊歩道での水辺利用や舟運の活性化などによって、人と水との距離が一層近くなりますので、さらなる水質の向上が望まれます。
そのため、今まで以上に効果的な水門操作の方法について、実験を実施し検討を進めています。
従来の水門操作は、上潮時に東横堀川水門のみ開放して大川のきれいな水を水門内に貯め、引潮時に道頓堀川水門を開放して水の入れ替えを行っていましたが、今回の実験では2基の水門をできるだけ両方開放し、水の流れを生み出すことによって今まで以上に水門内にきれいな水を取り入れようとするものです。(実験結果)
(イメージ)
従来の水門の開閉


実験による水門の開閉



平成16年度実験について
- このような水門操作実験を、平成16年12月~平成17年1月の2ヶ月間実施したところ、次のような水質調査結果が得られました。

BOD

参考
BOD(生物化学的酸素要求量)
水の汚れの度合いを示す指標のひとつで、水中の有機物を微生物が分解するときに必要な酸素量を示している。汚れがひどいほど、数値は大きくなる。
ちなみに(H15年度)
淀川(赤川鉄橋):1.4mg/l
大川(桜宮橋):1.2mg/l
寝屋川(京橋):4.9mg/l
SS

参考
SS(浮遊物質量)
水中に浮遊している小さな固形物質の量を表している。数値が大きくなると、見た目にも汚れていることがはっきりとわかる。
ちなみに(H15年度)
淀川(赤川鉄橋):5.0mg/l
大川(桜宮橋):10.0mg/l
寝屋川(京橋):10.0mg/l
DO

参考
DO(溶存酸素量)
水中に溶けている酸素の量を表している。溶存酸素は水域の自浄作用や水中の生物にとって不可欠なものである。
ちなみに(H15年度)
淀川(赤川鉄橋):9.2mg/l
大川(桜宮橋):9.8mg/l
寝屋川(京橋):7.3mg/l
大腸菌群数

参考
大腸菌群数
水中の大腸菌又は性質が類似した菌の数を表す。数値が大きくなるほど、し尿汚染の度合いが大きい。
- 溶存酸素については、一定の改善効果が認められ、水の流れを生み出すことが水質改善にとって効果的であることがわかりました。
- また、実験データをもとに数値シミュレーションも併せて実施したところ、1回当たりの水門操作に伴う水の入れ替え量はこれまでの操作に比べ約2.5倍前後となり、導水量の大幅な増加の可能性が検証されました。
- そこで大阪市では、平成17年度から、本実験で行った水門操作を引き続き積極的に実施し、水質の動向を監視することにより、この水門操作による効果を検証し水質浄化に努めていきます。

3.大規模開発(湊町リバープレイスなど)にあわせた水辺整備
主に立体広場と音楽ホール(なんばHatch)から構成されています。立体広場は、阪神高速道路ランプを覆う広さ約7,000平方メートルの人工地盤を利用して、道頓堀川の水辺空間と調和の取れた都心部のオアシスとして、人々が集い、にぎわい、憩える空間づくりを目指しています。

湊町リバープレイスにあわせた水辺整備



上から)噴水、遊歩道ステージ、なんばハッチ
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